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Mikuのブログ

元駐日ロシア大使が発言 「安倍政権下での平和条約締結は難しい」

2016-12-24 16:22:15 | 政治・国防・外交・経済

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12388

1956年の日ソ共同宣言から60周年であることを記念して、モスクワで22日、専門家が集う「日露国交回復60周年フォーラム」が行われた。 

この席上で、元駐日ロシア大使で、現在はモスクワ国際関係大学教授を務める知日派のアレクサンドル・パノフ氏が、先の日露首脳会談を総括するスピーチの中で、重要な発言を行った。

 

写真説明:スピーチを控える神武氏(中央の女性)と武川氏(その左手前)。

モスクワ国際関係大学で行われたフォーラムでは、同大学学長のアナトリー・トルクノフ氏や上月豊久・駐露日本大使などのスピーチの後、宗教法人・幸福の科学の武川一広・国際広報局長と、幸福実現党の副党首(兼)広報本部長の神武桜子氏がスピーチを行ったことは昨日の本欄で報じた( http://the-liberty.com/article.php?item_id=12384 )。 

このフォーラムで、元駐日ロシア大使のパノフ氏が、「プーチン大統領の日本訪問についての総括」と題し、約30分間のスピーチを行った。以下は、パノフ氏のスピーチの要旨。 

 

「日本にとって、ロシアは理想的なパートナー」

「日本が北方領土を買いたいと思っていることは知っている。しかし、プーチンは売らない。2島返還したら、3島目、4島目と領土を取られてしまうことを懸念しているからだ。私見だが、戦略的な解決策や最後の道筋が見えるまで、交渉において日露のどちらかが一方的に上の立場になることはない。日本にとって、ロシアは極東における経済的に理想的なパートナーではないだろうか」 

この指摘からは、ロシア側に、積極的に日本との関係を深めていきたいという考えがある一方で、2島返還や北方領土の共同管理を行えば、領土を日本に取られるのではないか、という懸念があることがうかがえる。 

 

「中国と組んでいるのは、経済的な利益のため」

パノフ氏は、ロシアの中国へのスタンスについても赤裸々に語った。 

「ロシアには、『孤立からの脱却』というテーマがある。日本がロシアと平和条約締結を目指しているのは、増大する中国の脅威に対抗するためだと理解している。日本は中国市場に依存するのをやめて、ロシアにも新しい市場の可能性があると知るべきだ。日本のエネルギーは限られており、農業は伸び悩んでいる。 

追い込まれた状況の中、日本の最良のパートナーとなるのが、ロシアだ。極東地域では日露が農業分野で協力するという計画も始まっている。ロシアが中国と組んでいるのは、あくまでも経済的な利益のためである。日本の新市場開拓は極東での日露共同開発が端緒になるだろう」 

2014年のクリミア併合で、欧米がロシアに経済制裁を行い、日本もそれに追随した。その後、ロシアは中国との協力関係を深めていったが、パノフ氏の言によれば、それは「あくまでも経済的な利益のため」ということになる。 

 

「安倍政権下での平和条約締結は難しい」

そして、後半で、パノフ氏は平和条約の締結について衝撃的な見通しを語った。 

「安倍政権下での平和条約締結は難しいと思っている。安倍首相は北方領土の共同管理・開発を提案して、今の膠着状態を改善すると言っているが、共同管理についてロシアの国内世論は反対だ。 

平和条約が締結できないのは、根本的には信頼がないから。信頼があれば、ロシアは北朝鮮の水爆実験の問題解決にも貢献できる。ロシアは日本に対して軍事的脅威を感じていない。長期的に見れば、日露間に壁(前線)を作るべきではない。ロシアの日本研究家はネガティブな情報を強調する傾向があるが、積極的な方向を見出すことが大事だと思う」 

安倍首相はプーチン大統領とこれまでに16回も会談を行っているにもかかわらず、目立った外交成果を得られていない。それどころか、どんどん関係が後退している。決断の速いプーチン氏が、安倍首相を「信頼できない」と考えてもおかしくない。 

これに対し、今回モスクワでスピーチした幸福実現党は日露会談直後の今月17日、以下のような党声明を発表している。 

「北方四島はわが国固有の領土であり、あらゆる機会を通じて、引き続き領土交渉の進展を図るべきです。その一方、地域の安全保障上、最大の不安定要因である中国を牽制するうえで、ロシアとの関係強化は重要であることから、領土問題をいったん棚上げしてでも、経済や安保両面での関係強化、平和条約締結を目指すべきだというのが、わが党の考えです」 

いま、安倍政権に必要なのは、欧米に追随するだけの外交から脱却し、大きな世界の潮流の中で、日本の発展・繁栄を実現する「国家戦略」を描くことだろう。そうでなければ、戦後の世界のあり方を変えようとしているプーチン氏と、互角に渡り合うことはできない。

 

 

【関連記事】

2016年12月22日付本欄 幸福実現党の神武副党首がロシアで開かれた「日露国交回復60周年フォーラム」でスピーチhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12384 

2016年12月17日付本欄 日露首脳会談で際立った安倍外交の失敗の本質 【大川隆法 2017年の鳥瞰図(1)】http://the-liberty.com/article.php?item_id=12333 

2016年12月14日付本欄 日露会談で北方領土2島返還はあるか? プーチン大統領の本心とはhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12320

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天皇陛下の「生前退位」議論 抜け落ちた大事な論点がある 【大川隆法 2017年の鳥瞰図(6)】

2016-12-24 16:15:13 | 政治・国防・外交・経済

2016年は、世界中で「予想外」な出来事が立て続けに起きた。2017年は、トランプ米大統領の出現により、さらに予測不可能と言える。

 


本欄では、26年前にイギリスのEU離脱を、2年前に朴槿惠・韓国大統領の辞任劇を、そして1年前にトランプ氏の大統領就任を予想していた大川隆法・幸福の科学総裁(関連記事参照)が語る、2017年以降の国内外の世界の行方を紹介する(本記事は、大川総裁著『繁栄への決断』より、一部内容を紹介したもの)。 

第6回目のテーマは、「天皇陛下の『生前退位』」について。

 

◆       ◆       ◆

 

天皇陛下は23日に、83歳の誕生日を迎えられた。

 

この日に先立ち、陛下は記者会見に臨まれた。退位の意思を示唆された8月8日のおことばについて、「天皇としての自らの歩みを振り返り、この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました」「多くの人々が耳を傾け、各々(おのおの)の立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」などと述べられた。 

先のおことばについて、陛下が公式の場で言及されるのは今回が初めて。どのようなご発言をされるのか注目されていた。 

 

退位への慎重論根強く

今や国民的関心を呼んでいる「生前退位」問題。多くの人は、まるで"隠居話"のようなイメージを抱いているが、退位には慎重論もある。 

歴史を振り返ると、時の権力者が天皇の地位を「政治利用」した過去がある。特に、明治の元勲である伊藤博文は、それを強く憂い、退位を認める法整備に反対。そのため、現行制度には退位に関する条項がない、という経緯がある。保守層を中心に慎重論が根強くあり、政府は現在、退位を可能にする特別法を制定するか否かの議論を進めている。 

 

天皇の役割は会社の社長と同じか?

そうした政府の動きなどを見ていると、「生前退位」問題の本質は、"法律論"であるように見えてしまう。しかし、果たしてそうなのか。大川隆法・幸福の科学総裁は著書『繁栄への決断』で、皇室についてこう述べている。

 

天皇制とは、単なる組織や機関の一部として存在しているだけではなく、実は宗教的存在でもあります

 

陛下の役割は、「宗教家」としての側面があるというのだ。その上で、

 

不遜であってはいけないとは思いますが、『ご自分が、天照大神の肉体子孫であるということをお認めになりますか』とお訊きした場合、今上陛下は、何とお答えになるのでしょうか。そのお答えが、皇室の未来を指し示すことになると思うのです

 

と述べている。つまり、天皇を一言で言えば、「日本神道のトップ」。本来は、「生前退位」が、会社社長の身の処し方のように矮小化されてはならない。 

根っこにある問題は、神道儀式などの宗教的な伝統を継承できるかどうかだ。それを抜きにした議論は、表面的になるだろう。 

事実、退位を議論する有識者会議のメンバーを見ても、日本経済団体連合会のトップや大学教授が名を連ねているが、宗教家が参加していない。この問題については、宗教に関する深い理解が必要だ。 

今後も、皇室を存続させていくには、神道儀式などの宗教性を継承できるように議論していくことがふさわしい。

 

この法話は、幸福の科学の全国の支部、精舎、拠点において、拝聴できます。

支部や精舎への問い合わせは、以下の連絡先まで。

・幸福の科学サービスセンター

 Tel:03-5793-1727 : 火~金/10:00~20:00 土日/10:00~18:00

・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス

 http://map.happy-science.jp/まで。

 

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『繁栄への決断 ~「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785 

【大川総裁 2016年の予言】

2016年11月30日付本欄 韓国・朴大統領が辞任の意向を表明 「見せしめ政治」は正義なのかhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12273 

2016年6月24日付本欄 イギリスのEU離脱は26年前に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=11546 

2016年11月9日付本欄 米大統領選 トランプ氏の勝利は1月に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12177

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モスクワ大教授「あなたの政党の考え方を、もっと本を読んで研究したい」

2016-12-23 11:30:56 | 幸福実現党

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12384

幸福実現党の神武副党首がロシアでスピーチ 「日本で今のロシアに最も理解がある政党」

今年は、日本とロシアが国交を正常化した1956年の日ソ共同宣言から60周年の節目にあたる。

ロシアのプーチン大統領は12月半ば、安倍晋三首相の地元、山口県を訪れ、安倍首相と16回目の首脳会談を行った。安倍首相はこれまでプーチン氏と会談を重ね、北方領土の返還を模索してきたが、領土問題や平和条約の締結について、ロシア側から良い回答を引き出すことはできなかった。 

 

「日露にとって最も重要な問題は、極東近隣国の軍事拡大」

日露関係に注目が集まる中、宗教法人・幸福の科学の武川一広・国際広報局長と幸福実現党の副党首(兼)広報本部長の神武桜子氏は22日、ロシアのモスクワ国際関係大学で開催された「日露国交回復60周年フォーラム」でスピーチを行った。 

武川氏はまず、数日前にロシアの駐トルコ大使が射殺された事件について、哀悼の意を表した。そして、日本が欧米と同調してロシアに対して経済制裁を行っていることについて、これを解除し、日露の信頼関係を築くべきだと述べた。また、プーチン大統領のリーダーシップとロシア正教会の活躍によって、ロシアを「宗教国家」と認識していると話した。 

続いて神武氏は、幸福実現党の紹介をした上で、「立党した2009年からずっと、『日露関係を大切にすべきだ』と主張してきた」と述べた。 

実際に同党は2014年、ロシアによるクリミア併合で、ロシアと欧米が反目しあった時、「日本は欧米の対露制裁に同調すべきではない」と訴えていた。神武氏はまた、2016年5月に伊勢志摩サミットが日本で開かれた時も、幸福実現党は「ロシアに声をかけるべきだ」「G8への復帰のきっかけとすべきだ」と主張していたことを話した。

神武氏は、「日本とロシアにとって最も重要な問題は、極東近隣国の軍事拡大です」「幸福実現党は、日本とロシアが早く平和条約を結ぶべきだと考えています」と述べ、対露制裁を中止し、安全保障・経済両面での関係強化と平和条約締結を実現することで、日露の新しい未来を切り拓く必要があるという考えを示した。 

 

会場にいたロシア人からは喜びの声

さらに神武氏は、「幸福実現党はシベリア鉄道を日本の北海道にまで伸ばし、物流革命を起こすことで、日露を豊かな経済圏にしたいと考えています」と、今後の日露経済協力の具体的なプランを述べた。最後に、「幸福実現党は若い政党ですが、日本で今のロシアに最も理解がある政党だと自負しています。それは、日露関係の重要性が高まっているこの時期にモスクワに訪問できたことにも表れています」と締めくくった。 

現地の武川氏によると、神武氏のスピーチを受けて、会場にいたロシア人からは喜びの声が寄せられたという。また、スピーチ後にはモスクワ大学で日露の歴史を教えているある教授が「あなたの政党の考え方を、もっと本を読んで研究したい」と神武氏に声をかけたという。 

 

世界の平和と繁栄を守る哲学のある外交を

日本は、軍事拡張する中国の進出を前に、ロシアとの協力関係を築く必要がある。日本が欧米陣営によるロシアへの制裁に加わり続けていれば、ロシアとの平和条約締結は遠のいてしまう。日本の外交には、世界の平和と繁栄を守るための哲学が必要だ。

 

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『繁栄への決断 「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785 

幸福の科学出版 『プーチン 日本の政治を叱る』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1678 

【関連記事】

2016年12月17日付本欄 日露首脳会談で際立った安倍外交の失敗の本質 【大川隆法 2017年の鳥瞰図(1)】http://the-liberty.com/article.php?item_id=12333 

2016年12月14日付本欄 日露会談で北方領土2島返還はあるか? プーチン大統領の本心とはhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12320 

2016年12月11日付本欄 プーチン大統領への秋田犬の贈呈見送り 日露外交に必要なのは「哲学」http://the-liberty.com/article.php?item_id=12311

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安倍首相の真珠湾訪問は「戦後を終わらせる試み」か? 【大川隆法 2017年の鳥瞰図(5)】

2016-12-23 11:20:21 | 政治・国防・外交・経済

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12383

2016年は、世界中で「予想外」な出来事が立て続けに起きた。2017年は、トランプ米大統領の出現により、さらに予測不可能と言える。

 

本欄では、26年前にイギリスのEU離脱を、2年前に朴槿惠・韓国大統領の辞任劇を、そして1年前にトランプ氏の大統領就任を予想していた大川隆法・幸福の科学総裁(関連記事参照)が語る、2017年以降の国内外の世界の行方を紹介する(本記事は、大川総裁著『繁栄への決断』より、一部内容を紹介したもの)。

 

第五回目のテーマは、「安倍首相による真珠湾訪問」について。

 

◆       ◆       ◆ 

 

真珠湾訪問を評価するメディア

安倍晋三首相は、12月26、27日(現地時間)に米ハワイを訪問し、オバマ米大統領とともに、真珠湾で旧日本軍の攻撃により戦死した犠牲者を慰霊する予定だ。 

両首脳は真珠湾のアリゾナ記念館で献花した後、所感を述べる予定だが、米国家安全保障会議のクリテンブリンク・アジア上級部長は、その場に日本軍による真珠湾攻撃の生存者や第二次大戦の退役米軍人らを招待することを明らかにした。 

政府は、オバマ氏による広島訪問とは関係がないと述べているが、日米メディアの多くが、両首脳の行動を呼応するものとみなし、戦後を終わらせる試みとして評価している。 

 

外交が分からない安倍政権

多くのメディアが手放しで今回の訪問を評価するなか、大川隆法・幸福の科学総裁は『繁栄への決断』で安倍首相の行為を外交的失策だと指摘する。

 

オバマ大統領は、八年間の政治をアメリカ国民によって否定された方です。そういう方の『最後の労い』に行くようでは、次のトランプ氏との関係は非常に際どいものになるでしょう。安倍首相は思いとどまるべきだと、私は考えます

 

トランプ氏はすでに、ロシアのプーチン大統領、台湾の蔡英文総統、フィリピンのドゥテルテ大統領など、諸国のトップと電話会談をしている。 

ロシア政府は、トランプ氏との電話会談で「国際テロリズムや過激派との戦いなどにおいて建設的な協力関係」の構築を目指すことで合意したと明らかにした。オバマ政権が冷戦構造を引きずり、ロシアとの関係を悪化させたことを考えると、革命的である。 

また、トランプ氏は蔡英文氏とも電話会談を行った。1979年の米中国交正常化以来、アメリカの大統領または次期大統領が台湾総統との会談を行うのは初めてのことであり、台湾を自国の一部と主張する中国に対する挑戦状ともいえる。 

このように、世界の流れは確実に「トランプ革命」へと向かっている。それなのに、もうすぐ任期を終えるオバマ大統領の"ご機嫌"を取ろうとしていることは、世界に対して「日本のトップは、世界で何が起こっているのか全く分かっていない」ということを示しているのと同じである。 

 

宗教行為としての慰霊

今回の真珠湾訪問に関しては、さらに大きな問題点がある。 

安倍首相は、真珠湾訪問の目的を「犠牲者の慰霊のため」としているが、「慰霊」という言葉の重みを、安倍首相が理解しているとは言いがたい。 

もし本当に「慰霊」が目的ならば、他国の戦死者を慰霊する前に、まずは自国のために戦った人たちを慰霊する必要があるということだ。 

大川総裁は前掲書で、「慰霊」という言葉を軽々しく口にする安倍首相の問題点を、宗教的観点から指摘すると共に、真珠湾に「慰霊」に行くことには大きな矛盾があることも述べた。

 

『日本国の首相が靖国神社に慰霊することは、政教分離違反になり、憲法の定めているところに反する』という主張が正しいとするならば、ハワイへ慰霊に行くことも政教分離違反のはずです。また、『慰霊』という言葉を安易に使ってほしくありません。これは、宗教的な考え方であるのです

 

慰霊とは、死者の霊を供養し慰めることを意味し、明らかに「宗教行為」だ。靖国への参拝を、私的なものか公的なものかを問いただし、「政教分離違反」と批判しているメディアや識者は、今回の真珠湾を手放しに評価している。彼らは「慰霊」という言葉を、政治的パフォーマンスに貶めてしまっている。 

国を守るために戦った先人たちが眠る靖国を参拝せず、真珠湾を訪問しようとする安倍首相を、大川総裁は次のように喝破した。

 

首相官邸から、わずか数分の靖国神社に祀られている二百五十万の英霊に対し、慰霊することができないにもかかわらず、ハワイに慰霊に行ける首相とは、いったい何者であるのか

 

世界では、戦死した自国の兵士たちへの敬意を表し、慰霊することは常識である。 

アメリカ南北戦争において、奴隷解放を目指すリンカン大統領率いる北軍に敵対して最後まで戦った南軍のリー将軍は、アメリカ史上屈指の名将として評価が高く、アメリカジョージア州アトランタ市郊外のストーン・マウンテン州立記念公園には、リー将軍の乗馬姿が彫られた岩がある。 

現在、奴隷制はアメリカ史における闇の部分として扱われているが、その奴隷制を支持した大将であっても、勇敢に闘ったことを評価されている。 

いわんや、本欄で何度か述べてきた通り、先の大戦は欧米列強による有色人種差別に対して、当時アジア唯一の大国であった日本が立ち上がった戦いである。これを、民間人に対して原爆を落としたアメリカの行為と、同列に扱えるはずもない。 

オバマ大統領が広島訪問をしたから、こちらも真珠湾の犠牲者を慰霊するというのは、一国のリーダーとしての見識に欠けているのではないか。 

 

いつまで「人気取り政治」をするのか

今回の訪問に反対する声がほとんど聞かれないことを見れば、安倍首相の狙いは、まさしく「メディアと国民の人気取り」にあったのだろう。 

だが、首相の仕事とは、世間からの人気や評価を上げることではなく、「何が正しいのか」「国家のビジョンをどうするか」「世界はどう動くのか」を考えることである。人気取りを意識した真珠湾訪問は、見送るべきだろう。 


─ ─ ─ ─

この法話は、幸福の科学の全国の支部、精舎、拠点において、拝聴できます。

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【関連書籍】

幸福の科学出版 『繁栄への決断 ~「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785 

【大川総裁 2016年の予言】

2016年11月30日付本欄 韓国・朴大統領が辞任の意向を表明 「見せしめ政治」は正義なのかhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12273 

2016年6月24日付本欄 イギリスのEU離脱は26年前に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=11546 

2016年11月9日付本欄 米大統領選 トランプ氏の勝利は1月に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12177 

【関連記事】

2016年12月8日付本欄 「世界レベルの革命が今まさに起きている」 大川隆法総裁 エル・カンターレ祭大講演会「真理への道」http://the-liberty.com/article.php?item_id=12300 

2016年12月6日付本欄 安倍首相が12月末に真珠湾慰霊 歴史を直視しない「和解」に意味はあるのかhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12295

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アメリカがTPPから離脱したら、日本はどうする?【大川隆法 2017年の鳥瞰図(4)】

2016-12-22 13:41:34 | 政治・国防・外交・経済

2016年は、年初の北朝鮮の核実験に始まり、中東紛争の激化、EUの混乱、韓国政界のスキャンダルなど、世界中で「予想外」の出来事が立て続けに起きた。2017年は、トランプ米大統領の誕生により、さらに予測不可能な時代へと突入する。

 


本欄では、26年前にイギリスのEU離脱を、2年前に朴槿惠・韓国大統領の辞任劇を、そして1年前にトランプ氏の大統領就任を予想していた大川隆法・幸福の科学総裁(関連記事参照)が語る、2017年以降の国内外の世界の行方を紹介する(本記事は、大川総裁著『繁栄への決断』より、一部内容を紹介したもの)。 

第四回目のテーマは、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」について。

 

◆       ◆       ◆

 

12月上旬、TPP承認案と関連法案が国会で可決され、TPP批准に必要な手続きが完了した。一方、ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領は、「大統領就任直後にTPPからの離脱を表明する」と宣言している。日本は今後、どのように対応していけばいいのだろうか。 

 

TPPの真意は「中国包囲網」だった

そもそもTPPの真の目的は、中国以外の環太平洋地域の国々が連携することで中国抜きの貿易圏をつくるという、「中国包囲網」を築くことだった。中国は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を通して、新たな貿易ルールをつくろうとしているが、その中に、多くの国々が取り込まれると、アジアの安全保障が脅かされる。 

こうした動きを封じ込めるため、弊誌もTPP加盟に賛成してきた。だが、TPPはある意味で「弱いアメリカ時代」の対中政策だった。アメリカは国力が低下していたため、TPPという経済連携で中国と対決せざるを得なかった。 

 

TPP離脱は「対中戦略」の変更

一方トランプ氏は、「中国を為替操作国に認定し、中国製品に45%の関税をかける」と主張している。ここに込められた意図は、中国の貿易利益を減らし、「兵糧攻め」を行うというものだろう。 

大川総裁は、前掲書の中で以下のように指摘した。

 

トランプ氏としては、おそらく、まずは中国が持っているドル債券、アメリカから儲けた部分を減らそうとするでしょう。これは、軍事的な戦い以前の、いわゆる"兵糧"の問題です。(中略)要するに、『アメリカとの関係が悪くなると、中国が赤字になることだってありえる』という状態に持っていくことで、もう少し交渉ができるようになったり、言うことをきくようになったり、あるいは、『人権外交』などと言っても内容が通じる国になるというような考えなのでしょう

 

つまり、トランプ氏は、TPPに代わる別の戦略で、中国を封じ込めようとしている。その背景には、他国と連携せずとも中国に直接対決を挑める「強いアメリカの復活」がある。この強気は、台湾の蔡英文総統と異例の電話会談を行い、「一つの中国」政策にとらわれない考えを示したことにも表れている。 

 

日本の戦略は「国内回帰」

日本でTPP承認案と関連法は成立したものの、アメリカがTPPから離脱すれば、TPPは発効しない。アメリカの戦略が変わったならば、日本も戦略を変える必要がある。 

大川総裁は、TPPにこだわらず、トランプ氏がアメリカ企業の国内回帰を進めようとしているように、日本も企業の国内回帰を進めるべきだと主張する。

 

安い人件費でやっているところから、日本を通さずして、ほかのところに売っても構わないというのは、要するに、企業がグローバル化することによって、税金逃れをできる体制ができてしまったことを意味します。企業のグローバル化によって税金逃れができるようになってしまったわけですけれども、これをもう少し、国内に税金を払ってくれる体質へと戻す必要があるのではないでしょうか

 

日本企業が国内回帰を進めれば、日本の国内総生産(GDP)や税収も増える。また、日本の経済力が上向けば、海外から多くの製品を輸入することもでき、発展途上国の景気も上向く。つまり、日本の足元の経済力が増せばこそ、日本は真に"グローバル"な貢献ができる。 

再び、日米が世界をリードする時代を到来させるためには、日本にも、トランプ氏に匹敵するような世界規模の視野とビジョンを持った政治家が必要となるだろう。

 

この法話は、幸福の科学の全国の支部、精舎、拠点において、拝聴できます。

支部や精舎への問い合わせは、以下の連絡先まで。

・幸福の科学サービスセンター

 Tel:03-5793-1727 : 火~金/10:00~20:00 土日/10:00~18:00

・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス

 http://map.happy-science.jp/まで。

 

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『繁栄への決断 ~「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785 

【大川総裁 2016年の予言】2016年11月30日付本欄 韓国・朴大統領が辞任の意向を表明 「見せしめ政治」は正義なのかhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12273 

2016年6月24日付本欄 イギリスのEU離脱は26年前に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=11546 

2016年11月9日付本欄 米大統領選 トランプ氏の勝利は1月に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?em_id=12177 

【関連記事】

2016年11月25日付本欄 中国、トランプの"関税包囲網"にヒヤヒヤ 日本も対中貿易赤字を改善させる時http://the-liberty.com/article.php?item_id=12229 

2016年11月22日付本欄 トランプ氏「TPP離脱」明言 現代の「黒船」は日本にとって吉と出るか、凶と出るかhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12219

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小池知事の豊洲移転問題は「八ツ場ダム中止」と同じ【大川隆法 2017年の鳥瞰図(3)】 2016.12.20

2016-12-21 08:55:30 | 政治・国防・外交・経済

2016年は、年初の北朝鮮の核実験に始まり、中東紛争の激化、EUの混乱、韓国政界のスキャンダルなど、世界中で「予想外」の出来事が立て続けに起きた。2017年は、トランプ米大統領の誕生により、さらに予測不可能な時代へと突入する。

 


本欄では、26年前にイギリスのEU離脱を、2年前に朴槿惠・韓国大統領の辞任劇を、そして1年前にトランプ氏の大統領就任を予想していた、大川隆法・幸福の科学総裁が語る、2017年以降の国内外の行方を紹介する(本記事は、大川総裁著『繁栄への決断』より、一部内容を紹介したもの)。

 

第三回目のテーマは、「小池都知事」について。

 

◆       ◆       ◆

 

 

2017年、政界における「台風の目」の一つは、小池百合子・東京都知事だろう。巷では、こんなシナリオが囁かれている。 

小池氏は、今年7月の東京都知事選で、自民党公認候補を華々しく破った。その後も、「豊洲市場への移転」をひっくり返し、「東京五輪の会場見直し問題」でも大暴れ。今後も都議会自民党と対決し、「改革知事」のイメージを強める。そのまま"小池新党"を立ち上げ、2017年夏の都議選で圧勝する――。 

同シナリオの下準備をするかのように、小池氏は政治塾を立ち上げ、"刺客"を養成している。さらには、公明・民進など他党との連携もささやかれる。 

東京でのこうした動きは、国の政局にも大きな影響を与えるだろう。 

 

「橋下改革」の再来!?

小池氏のこうした動きに対して、大川総裁は前掲書の中で以下のように釘を刺した。

 

小池知事を(都知事選で)応援した自民党の議員、特に、区議会議員が下村博文氏(自民党東京都連会長)によって除名されたりもしているので、その意趣返しとしての戦いが始まるのではないかという感じがします。ただ、そうした個人的な戦いのために政党をつくり、国政を揺さぶったりするのは、大阪の例でもう十分です。もう、そんなことはやってほしくないという気持ちは持っています

 

小池氏の動きに、「橋下改革と同じ」という既視感を持つ人は多い。 

橋下徹氏は、既得権益に対する"抵抗勢力"をつくり、"有権者の味方"として戦う姿を見せることで、多大な支持を集めた。しかし、国政にまで食い込んで政局をかき回した挙句、国民の幸福にどれだけ貢献したのかは見えてこない。 

 

「豊洲問題」の経済的犠牲

もし来年、小池氏が国政を揺るがすとすれば、それはどれだけ国益につながるのだろうか。大川総裁は、こう指摘する。

 

それ(夏以降の小池氏の仕事)を見ると、『小池さんには経営感覚がないのではないか』ということが、私には感じられるのです

 

小池知事は、この現状(豊洲の工事が完成間近の状況)を見てストップをかけ、移転に対して否定的なことを言いながら脚光を浴びるというスタイルを取っています。こうした政権運営というか、マスコミ操縦で人気を取るやり方というのは非常に危険なやり方だと思うし、彼女の政治手腕のなかに大きな弱点があることを感じるのです

 

つまり小池氏には、都の実際の繁栄(経営)よりも、マスコミ受け(広報)を優先してしまう傾向があるということだ。 

「築地市場の豊洲移転」問題にしてもそうだ。 

"問題"をひと言で振り返ると、「豊洲の移転先がガス工場跡であり、土壌汚染がされていた。しかも、その汚染物質が地表に出ないようにするための『盛り土』がされていない箇所があった」というのが、主な内容だ。 

しかし、豊洲では汚染物質の除去作業はしっかり行なわれている。その上でする「盛り土」は「念には念を入れて」という措置であり、絶対のものではない。 

それを、さも「盛り土をしなかったせいで、豊洲の地中に眠る汚染物質が、市場の水や食物を侵す」かのように、マスコミなどが煽って報道しているのだ。 

結果として市場移転が遅れ、水産卸だけで損失額は1年で40億円弱になる。さらに、資金繰りが苦しくなって廃業する中卸業者が増えるとも言われている。さらに、豊洲の移転延期に伴い、五輪の選手村につながる幹線道路、「環状2号」の開通も、五輪に間に合わなくなってしまった。 

そもそも、現在の築地市場は、老朽化が進み、衛生面でも問題が多い。アスベスト問題も指摘されるなど、豊洲よりもはるかに「危ない」状況にある。 

小池氏は、豊洲の土壌汚染のリスクに注目するあまり、経済的に多大な犠牲を生んでいる。 

 

小池劇場の底にある「環境左翼」

大川総裁は、こうした判断の深層にある傾向性をこう指摘した。

 

都知事選挙のときに、小池陣営は、『緑の色のものを持ってきてください』というような運動をしていましたが、緑、グリーンは『環境』を意味します。(中略)あまり『環境問題』について言う人というのは、基本的に左翼と同じ考えを持つ傾向が強いのです。つまり、開発や発展に対しては、マイナスの考えを持つ傾向が非常に強くて、(中略)だいたい『開発反対』になってきます

 

豊洲移転問題で思い浮かぶのが、民主党政権の失政として有名な「八ツ場ダム」の建設中止だ。「コンクリートから人へ」をスローガンに掲げ、開発を罪悪視した民主党は危うく、多大な投資額をドブに捨てるところだった。 

「脱原発」運動も、構造が似ている。放射能への過剰な恐怖心が煽られたことで、福島の復興は必要以上に遅れている。さらに、原発の「ゼロリスク」が叫ばれ、その再稼動は進まない。エネルギーコストが上がったことによる経済的損失は、尋常ではない。 

 

有権者に求められる「冷静さ」

以上の話をまとめると、こういうことになる。 

「小池氏は判断において『環境』という面に引っ張られる傾向が強い。そして、『環境・安全を"軽視"する利益団体と戦う』構図は、マスコミ受けもいい。しかしその中で、経済的に釣り合わない損害を出してしまう危険性がある。この傾向のまま、小池新党などを起こし、国政を揺さぶることが、国益に資するのかは疑問だ」 

小池氏の動きは、未知数の部分が多いが、もし来年、小池氏が"乱"を起こした場合、有権者には「物事の大小を見極める冷静さ」が求められるだろう。 

ちなみに大川総裁は、小池氏を「女性の政治家、およびそれを目指す方々にとって、一つのモデルケース」と評価をし、その実力の秘密を霊言という形で探ったこともある(関連書籍参照)。今回の指摘は、あくまでも是々非々のものだ。

 


この法話は、幸福の科学の全国の支部、精舎、拠点において、拝聴できます。

支部や精舎への問い合わせは、以下の連絡先まで。

・幸福の科学サービスセンター

 Tel:03-5793-1727 : 火~金/10:00~20:00 土日/10:00~18:00

・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス

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【関連書籍】

幸福の科学出版 『繁栄への決断 ~「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785 

幸福の科学出版 『小池百合子 実力の秘密』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1724 

【大川総裁 2016年の予言】

2016年11月30日付本欄 韓国・朴大統領が辞任の意向を表明 「見せしめ政治」は正義なのかhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12273 

2016年6月24日付本欄 イギリスのEU離脱は26年前に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=11546 

2016年11月9日付本欄 米大統領選 トランプ氏の勝利は1月に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12177 

【関連記事】

2016年12月18日付本欄 「カジノ法」「休眠預金活用法」は共産主義的な発想?【大川隆法 2017年の鳥瞰図(2)】http://the-liberty.com/article.php?item_id=12370

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世界の一流企業を日本へ誘致するために 

2016-12-21 08:49:00 | 政治・国防・外交・経済

[HRPニュースファイル1742]http://hrp-newsfile.jp/2016/3007/

HS政経塾第6期生 坂本麻貴

◆国外へ立地していく日本企業

最近、服を買っても、本棚や家具、百円均一で小物入れや雑貨を買っても、中国製などの商品が非常に多くなっています。

二次産業に限らず、大企業の製造工場の多くは、税率のやすい海外へと移転し、日本国内の空洞化が問題となっています。

◆生産の国内回帰促進でメイドインジャパンを世界に

なぜ、企業は工場や本社を海外に立地するのでしょうか。

その理由は、一つは労働力の確保の容易さや人件費の安さ、もう一つは、税率の低さがあります。現在、日本の法人税実効税率は29.97%ですが、これは世界で7番目に高い税率です。

それに対してシンガポールが15%、韓国は24.2%です。イギリスは20%、アメリカ38.92%ですが、今回の大統領選で勝利したトランプ氏は、15%まで引き下げようとしており、それを受けてイギリスでも17%まで引き下げようとしています。

アメリカが15%まで引き下げ、中国などに進出している工場などがアメリカ国内への立地が進めば、日本の国力はどんどん落ちていってしまいます。

国民の生命と安全、財産を護るためには国力をつけなくてはなりません。

国力とは、産業と軍事力が中心だということを考えれば、日本国内に新産業をそだてる環境を整えるのと同時に、海外に進出していった企業を呼び戻し、国際競争力をつける必要があります。

◆法人税パラドックス

法人税率を下げると税収が下がってしまうという理由で、財務省は減税に消極的です。

しかし、たとえば、イギリスでは税率を33%から23%に引き下げた時、税収は年平均4.8%伸びています。このうち4.5%分は経済成長によって企業の課税所得が拡大したためとされています。

また、ドイツでも、2008年に9%下げたことにより、ドイツ企業の国際競争力が上がり、オランダやアイルランド等の低税率国に移転されていた所得が、再びドイツに戻り、税収も上がっています。

つまり、高すぎる税率だった場合、ある程度まで下げることによって逆に税収増が見込めるのです。

◆国力を支える哲学の必要性

現在の税制には哲学がありません。哲学がないため、税制改正草案をいくら練って表面的な数字を変えても、どこかで必ず失敗するのが目に見えています。

それは、公正・公平であるということにとらわれ過ぎて、「結果平等」になっているからです。結果平等は、「結果さえよければ手段は何をしても構わない」という共産主義的な考え方からくるものです。

共産主義の思想のもとに税制を考えると、基本的に取れるところから取れるだけ取る、というような方向に進んでいきます。

しかしそれでは、努力を重ねて稼いだ人も、そうでない人も同じ税率を負担するということになります。

こういう考えの下では、個人の能力も企業の活力も育まれにくくなります。そういう「公平さ」よりも、努力した人が報われる、「機会の平等」をもとにした税制であるべきではないでしょうか。

長い目でみて産業を育てていく税制改革を進め、産業を復活させて雇用や消費を増やしていかなくてはなりません。


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幸福の科学グループ・大川隆法総裁 大統領選直前のアメリカにメッセージ - 今後300年、日米で世界の繁栄を築け

2016-12-20 21:51:07 | 幸福の科学・宗教・科学・医学・SP

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12103

"Freedom, Justice, and Happiness"
(自由、正義、そして幸福)

2016年10月2日(現地時間) ニューヨーク Crowne Plaza Times Square Manhattan

 

会場には500人を越える聴衆が詰め掛けた。参加者の一人は「光に満ちた講演だった。偉大な力には偉大な責任が伴うというお言葉が強く心に響いた」と語り、偉大なアメリカ復活への使命感を強めていた。

 大川隆法・幸福の科学グループ総裁は10月、アメリカ・ニューヨークで4年ぶりの海外説法を行った。

 すでに2500回を超える大川総裁の法話や霊言は、世界情勢に大きな影響を与えてきた。1990年からEUの行き詰まりや中国・北朝鮮の脅威を見抜き、ウクライナ問題でロシアを孤立させる危険性を訴えるなど、国際政治の指針を示している。

 8年前には、オバマ大統領が就任すれば、アメリカは「世界の警察」であることをやめ、国際社会は混乱の中に置かれると予言していた。それが正しかったことはその後の歴史が証明している。米軍がイラクから撤退したことで、「イスラム国」が生まれた。アジアでは、中国の覇権拡大を止められない。次期大統領のスタンスによっては、さらに混乱は加速するだろう。

 世界の未来を左右する大統領選直前、大川総裁は「ワールド・ティーチャー(世界教師)」として、世界ナンバーワン国家・アメリカの覚悟を問うた。

 大川総裁は、8年ぶりにニューヨークを訪れた感想を次のように述べた。

"You have the mission to make a new dream for the world. The new mission to show the future picture of the world. But this is just missing, I felt, in New York."(あなたがたには、世界の新たな夢を創る使命があるのです。世界の未来ビジョンを示す新たな使命があるのです。しかし、それが失われつつあると、ニューヨークに来て感じました)

 現在のアメリカが陥りつつある「孤立主義」や極端な「プラグマティズム(実用主義)」を超え、「神の視点」を踏まえた、新たな哲学が必要であることを強調した。

 法話の最後に、大川総裁は

"America and Japan, these two countries, must be the great leaders of the world from this year, for at least three hundred years."(アメリカと日本という二つの国は、今年以降少なくとも300年間、世界の偉大なリーダーとならなければなりません)と、参加者の使命感を喚起した。

 その後行われた質疑応答では、共和党大統領候補、ドナルド・トランプ氏を"He's an honest man, a reliable man."(正直で信頼できる人物)と評し、この国をもっと偉大にしてくれるだろうと述べた。

 トランプ氏の評価は二分しているが、未来を見通してきた大川総裁の発言に耳を傾けたい。

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開業半年ですでにピンチ!? 上海ディズニーランド 大切にすべきおもてなしの心とは

2016-12-20 21:32:31 | 中国・北朝鮮・共産党・尖閣国防問題

中国では、今年6月に上海ディズニーランドが開業した。しかし、まだ半年しか経っていないにもかかわらず、早くもその人気が一段落しているという。このほど、日経新聞が報じた。 

 

価格に見合ったサービスを

大きな原因として挙げられているのが、「価格の高さ」と「サービスの悪さ」。つまり、価格に見合うだけのサービスが提供できていないということだ。 

記事では、「アトラクションが楽しい」「雰囲気が良い」「交通が便利」という来園者の声を紹介。だが一方で、不満も多い。「従業員の話し方が乱暴だし、割り込みをする人がいても知らんぷり」「数は多いのに道を尋ねてもはっきりと答えられない」など、ディズニーの売りであるはずの「感動」以前の問題が指摘されている。 

こうした上海ディズニーランドの現状は、顧客中心ではなく、自分(自社または従業員)中心の考えという点で、「商売の悪い見本」と言えるかもしれない。 

その結果、価格と提供するサービスの価値が見合っていない。価格を下げるなどの対策を取っているようだが、ただ価格を下げればいいというわけではないだろう。 

 

「お客様に感動を与える」という精神

一方、東京ディズニーリゾートは相変わらず人気だ。 

今年の4~9月期には、前年同期に比べて若干入場者数は減ったが、上海ディズニーランドの開園で減少が予想されていた訪日外国人の来場が大幅に減ったわけではないようだ。実際、東京ディズニーリゾートに来場する訪日外国人はかなり多い。2015年度には前年比で45%も増え、2,135万人に達した。 

東京ディズニーリゾートがこれだけ根強い人気を誇っている要因は、やはり「キャスト」と呼ばれるスタッフのサービス精神やおもてなし精神の徹底にある。ディズニーリゾートという「夢の国」を創り上げ、どんな時もお客様に感動を与える精神性の高さが、約9割とも言われているリピーター率の高さに表れているのだろう。 

 

リピーターづくりの大切さ

実は、東京ディズニーリゾートの人気を支えている大きな要因が、このリピーターだ。 

大川隆法・幸福の科学総裁は2012年7月、ディズニーランドの創設者であるウォルト・ディズニー(1901~66年)の霊を招き、リピーターをつくることの大切さと、そのつくり方について聞いた。

 

成功の秘訣は『リピーター』だと思うんだよ。(中略)リピーターがつくれないところは、みな、そうですけど、『細部のこだわり』が足りないのよ。(中略)『人の動き』『演出』『内容』、そういう目に見えないところの細部にこだわったものが、永続するんだ(大川隆法著『ウォルト・ディズニー「感動を与える魔法」の秘密』所収)

 

資本主義社会では、「人に感動を与え、感謝されるものは、発展する」のが法則。中国も資本主義を取り入れているとはいえ、本質的には、社会主義であり、軍事独裁国家である。上海ディズニーランドの姿は"反面教師"だが、その問題を根本的に解決するには、中国という国家自体が変わらないといけないのかもしれない。(慈)

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『ウォルト・ディズニー「感動を与える魔法」の秘密』 大川隆法著https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1125

【関連記事】

2015年2月1日付本欄 東京ディズニーリゾートが値上げ 厳しい時代を生き抜く創意工夫をhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=9148 

2014年4月号 「ウォルト・ディズニーの約束」 リバティWeb シネマレビューhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=7409 

2014年3月19日付本欄 「なぜ、みんなディズニーランドに行きたくなるのか?」 ウォルト・ディズニー本人が語った秘密とはhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=7536

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安倍外交はなぜ「完敗」したか【第二回】――「認識の齟齬」を生んだ安倍パフォーマンス外交

2016-12-20 19:36:03 | 政治・国防・外交・経済

[HRPニュースファイル1741]http://hrp-newsfile.jp/2016/3005/

※本日は、ニュースファイルお休みの曜日ですが、昨日の続きをお送りいたします。


幸福実現党政調会・外交部会 彦川太志

◆日露共同会見:安倍首相のスピーチ

12月16日に実施された共同記者会見における安倍首相の冒頭発言は約8分30秒でした。

まずプーチン大統領を「ウラジーミル」とファーストネームで呼んで親密さをアピールする事から始まり、高齢化する元島民の方々への「人道上の理由」から、あり得るべき案を迅速に「検討」することで合意したと語ります。

その上で、戦後71年を経てなお両国の間に平和条約がない状態について「私たちの世代で」終止符を打つ「強い決意を確認」し、「声明の中に」明記したとして平和条約締結が見送られた事を報告します。

そして領土問題については、「それぞれの正義を何度主張し合っても」問題を解決することはできないので、「過去にばかりとらわれるのではなく、日本人とロシア人が共存し、互いにウィン・ウィンの関係を築くことができる。北方四島の未来像」から解決策を探し出す「未来志向」の発想が必要であるとして、これが「新しいアプローチ」の内容であったことを明らかにしています。

この「新たなアプローチ」に基づいて取り決められたのが、北方四島における「共同経済活動」に関する交渉の開始でした。

安倍首相は、このようなアプローチこそが日露平和条約の締結に向けた「重要な一歩」であり、プーチン大統領とも認識の「完全な一致」を見たと発表して、この合意を「出発点」に「自他共栄」の新たな日露関係の建設を呼びかけています。

文字数にして1786文字となる安倍首相の発言のうち、約3割を元島民の方のエピソードに割いておりながら、具体的な内容となると「実施を検討」「決意を確認」「発想が必要」と言った表現に彩られています。

結局、安倍首相が一番欲する成果が得られなかった事が印象づけられます。

◆日露共同記者会見:プーチン大統領のスピーチ

プーチン大統領の冒頭発言は安倍首相とまったく対照的なものでした。

冒頭、親しみを込めて安倍首相を「シンゾーサン」と呼び、長門の美しい風景などを簡潔に称賛すると、すぐに交渉の具体的内容について言及を始めます。

まず、15日に両首脳は政府閣僚らと共に「貿易と投資の広範囲に及ぶ議論」を行い、16日のビジネス・フォーラムで「政府及び企業間で相当数の合意文書のセットに署名した」事を報告した上で、アジア太平洋地域における日本の重要性について触れています。

次に、2016年度の日本との貿易総額が「不幸なことに、28%減少している」事を示し、これが「為替や物価変動のような客観的理由だけでなく、日本によって支持された対ロシア制裁という政策」によってもたらされたものだと明確に指摘し、安倍首相の提示した「8項目の経済協力」はその埋め合わせの意味を持つことをほのめかしています。

このような発言から、プーチン大統領はクリミア危機を巡るロシア制裁に日本が加わった事が、両国の関係を決定的に悪化させた原因であると認識している事が見えてくるのではないかと思います。

また、プーチン大統領は日本政府との「8項目の経済協力」の内容として、日露統合投資ファンドの設立や沿海地方への自動車工場の建設、サハリン-北海道のガスパイプラインなど、議論に上った具体的な項目を挙げて会談の成果を公表しております。

しかし、一方の安倍首相は「たくさんの日露の協力プロジェクトが合意されました」と一言触れているのみです。

さらには、朝鮮半島問題を含む世界と地域の安全保障に関して、日露協力が重要な役割を持つとの認識が示されています。

◆北方領土と平和条約に関するプーチンの見解

最後に、プーチン大統領が求めていた「日露双方にとって不利益となることがないような解決方法」、すなわち「引き分け」という発言の真意とは、ロシアにとっての北方領土の軍事的価値を日本が尊重し、同地に米軍基地を作らせないという確証を示せ。という事だったと考えられます。

事実、質疑応答においてプーチン大統領は「我々は米国の(地政学的な※)関心を含む、すべての地域国を尊重しなければならない」と発言し、ロシアにとって北方領土はウラジオストックのロシア海軍が太平洋上に出るためのルートとして極めて重要なのだという事実を示唆しています。(※筆者補足)

その上で、「しかしながら、日米の特別な関係と安保条約の下でのコミットメントがあり、それがどのように発展していくのか、我々はこれを知らない」事が北方領土返還の不安材料であり、「我々は日本の担当者達に対して、我々が関心を持って来た微妙な問題の全てを計算に入れるよう求めた」事を明らかにしています。

そうしてみると、プーチン大統領がペルーAPECで発言した、「日ソ共同宣言には二島を『どのような根拠で』返還するか、書かれていない」という発言の真意も、見えてきます。

確かに日ソ共同宣言には日本の主権下で二島を引き渡すとは書かかれていませんが、同様に、米軍基地が建設されない状態で引き渡す、とも書かれておりません。

だからこそ、プーチン大統領にとっては「平和条約の締結が先」なのです。

日米安保がロシアにとって友好的に動くかわからない状態で二島を返還することはロシアにとってリスク以外の何物でもないため、まず日露平和条約の締結によって、ロシアの安保上の利益を尊重するよう、日本側の確約を求めたものと思われます。

プーチン大統領が領土の帰属よりも日露平和条約の締結を主張し、かつロシアの安保上の利益に配慮するよう求めるのであれば、日本としては北朝鮮の核・ミサイル開発問題や、中国の覇権主義的な海洋進出の動きをけん制するよう、ロシアに求めることができるはずです。

それが本当の「引き分け」ではないでしょうか。

◆国益を主張したプーチン大統領と、争点をぼかした安倍首相

プーチン大統領の発言は明瞭であり、ロシアの立場や主張を明確に伝えています。

一方、安倍首相は国家としての日本の立場よりも、元島民の皆様の思いに焦点を当てており「国益」に基づいて主張を戦わせることを意図的に避けているように見えてしまいます。

外交とはやはり、国家としての立場を明確に主張し、国益や正義の在り方について議論を戦わせるものだと言えるでしょう。

そのような真剣勝負の場において、選挙のような「争点ぼかし」が通じると思ったことが、安倍外交「完敗」の要因ではないでしょうか。

日本にも、「真実語」に基づいた政治を行うリーダーの登場が求められていると考えます。


■日露共同記者会見】安倍首相冒頭発言(首相官邸)※動画あり
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/1216kaiken.html

 

 

= = = = =  = =

■12/21(水)19時~ 幸福実現党政調会・外交部会 特別セミナー開催!


テーマ:「プーチン大統領来日。首脳会談の経緯と日露関係の行方について」質疑応答

場所:ユートピア活動推進館3F大会議室 東京都港区赤坂2-10-8

会費:1000円(持ち帰り資料あり)

主催:幸福実現党政調会 外交部会

講師: 同 副部会長 彦川太志(HS政経塾一期生)

■お申し込み・お問い合わせ

ご参加のお申し込みは、【お名前】、【電話番号】、【所属支部(任意)】を明記の上、下記までメールをお送りください。

※件名に「12月21日セミナー希望」とご記入ください。
担当:彦川太志 【victory777dh@gmail.com


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「カジノ法」「休眠預金活用法」は共産主義的な発想?【大川隆法 2017年の鳥瞰図(2)】

2016-12-19 23:10:31 | 政治・国防・外交・経済

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12370

2016年は、世界中で「予想外」な出来事が立て続けに起きた。2017年は、トランプ米大統領の出現により、さらに予測不可能と言える。

繁栄への決断


本欄では、26年前にイギリスのEU離脱を、2年前に朴槿惠・韓国大統領の辞任劇を、そして1年前にトランプ氏の大統領就任を予想していた大川隆法・幸福の科学総裁(関連記事参照)が語る、2017年以降の国内外の世界の行方を紹介する(本記事は、大川総裁著『繁栄への決断』より、一部内容を紹介したもの)。

 

第二回目のテーマは、「カジノ法」と「休眠預金活用法」について。

 

◆       ◆       ◆ 

 

慌しく成立した「カジノ法」「休眠預金活用法」

2016年12月の国会では、今後の経済政策にかかわる法案がいくつか成立した。

カジノ解禁に道を開く、「統合型リゾート(IR)整備推進法」(いわゆる「カジノ法」)は、経済成長戦略の一環として安倍首相肝いりで進められた。 

野党は、ギャンブル依存症が増える、治安が悪化するなどの理由から反対し、与党からも慎重な声が上がっていた。自民党と連立を組む公明党も自主投票で臨み、山口那津男代表も反対に回った。十分な議論がなされたとはいえないまま成立し、やや後味の悪さが残った。 

また、これに先立ち、12月2日には、10年以上放置された銀行預金口座などのお金を福祉目的に利用する「休眠預金活用法」が成立した。 

10年以上お金の出し入れのない「休眠預金」は、毎年、約1千億円発生しているという。預金者からの請求や金融機関が連絡を入れたりして払い戻しても、毎年トータルで500億~600億円が金融機関の利益となっていた。これを、公益活動に携わるNPOや自治会に貸付や出資して活用しようというものだ。 

こちらも、国民的議論のないままに慌しく成立した感が否めない。 

 

目的がよければ手段は選ばなくてよい?

「カジノ法」については、ギャンブル依存や治安の悪化から反対の声もある一方、低迷している経済を刺激してくれるのではないかとの期待もある。

また、「休眠預金活用法」については、福祉目的ということもあってあまり反対の声は聞かれない。 

だが、大川総裁は、この二つの法律を、安倍首相の思想的側面から分析した。 

「休眠預金活用法」に関して大川総裁は、


『他人の懐のなかに手を突っ込んでお金を取る感じ』が、非常によく出ているのです。《中略》『いいことのために使うので構わない』という考え方なのでしょう。ただ、『結果や目的がよければ手段は選ばない』というような考え方をするのは、共産主義的な考え方なのですと評した。 


「カジノ法」についても、「カジノ自体が目的というよりは、お金を使わせたいのだと思うのです」と安倍首相の本心を見抜いた。 

 

政府主導経済には限界がきている

すなわち安倍首相には、多少道徳的に問題があろうとも「政府がいろいろと口を挟まないと経済は活性化しない」などと考える共産主義的傾向があり、それが二つの法律にも現れているということだ。 

実際、安倍首相は、「携帯電話料金が高いのは、携帯端末を安く売っているからだ」と考え、「0円携帯禁止」や「電話料金の値下げ」を携帯電話会社に求めてきた。

また、「企業が儲けを溜め込んでいるから経済は活性化しないのだ」と考え、企業に賃上げを要求した。 

こうした安倍首相の"努力"とは裏腹に、景気は一向に上向かない。やはり、価格統制や企業への口出しといった共産主義的政策は、いずれ行き詰まる。 

携帯電話の価格を下げたいなら、電波オークションなどで携帯電話会社の参入を自由化するのが一番だ。

企業にお金を使ってもらいたいなら、消費税の減税や規制緩和を進め、自然にお金を使いたくなるような環境を整える必要がある。 

 

日米が世界をリードする時代

一方、アメリカでは、トランプ氏が大統領選で勝利してから株価が上昇している。

これは、トランプ次期大統領への期待の現れといえる。トランプ氏は、「新しい規制を1つ作るのであれば,既存の規制を2つ無くすルールを定める」「より低税率、シンプル、公平であって、成長に親和的な税制を目指す」などと表明し、共産主義とは真逆の自由化路線をとろうとしている。

他にも、経済成長の基礎となるインフラ投資や、教育への競争原理の導入など、各分野の期待を高めているのだ。 

大川総裁は、『繁栄への決断』において、


トランプ氏が次期アメリカ大統領に選ばれた結果、アベノミクスとはまったく関係なく、株高も円安も進みました。つまり、日銀の金融政策は要らなかったわけです


と、トランプ氏が行おうとしている経済政策への期待を語った。 

現在のところ、日本も株価が1年ぶりに高値をつけるなど「トランプ効果」の恩恵を受けているが、増税や企業への口出しを含む規制強化などを行えば、日米の差は開いてしまうだろう。 

大川総裁は、日本がアメリカの繁栄に歩調を合わせれば、日米が今後三百年、世界をリードできるとして、以下のように語った。

 

アメリカや日本は、経済的にもう一段の充実を図り、その力を背景にして世界的なリーダーになれる道のほうがよいのではないかと思っています

 

日本は、世界の未来のためにも、「カジノ法」と「休眠預金活用法」に見られる共産主義的思想と決別し、繁栄を実現していく使命がある。

 

この法話は、幸福の科学の全国の支部、精舎、拠点において、拝聴できます。

支部や精舎への問い合わせは、以下の連絡先まで。

・幸福の科学サービスセンター

 Tel:03-5793-1727 : 火~金/10:00~20:00 土日/10:00~18:00

・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス

 http://map.happy-science.jp/まで。

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『繁栄への決断 ~「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』大川隆法著ttps://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785 

【大川総裁 2016年の予言】

2016年11月30日付本欄 韓国・朴大統領が辞任の意向を表明 「見せしめ政治」は正義なのかhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12273 

2016年6月24日付本欄 イギリスのEU離脱は26年前に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=11546 

2016年11月9日付本欄 米大統領選 トランプ氏の勝利は1月に予言されていたhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=12177 

【関連記事】

2016年12月4日付本欄 カジノ法案で日本人の「美徳」が危ない!http://the-liberty.com/article.php?item_id=12288 

2016年12月15日付本欄 カジノ法案成立 政府のホンネは「とにかくお金を使え!」!?http://the-liberty.com/article.php?item_id=12327

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安倍外交はなぜ「完敗」したか【第一回】――オピニオン力無き外交の終焉

2016-12-19 22:25:46 | 政治・国防・外交・経済

[HRPニュースファイル1740]http://hrp-newsfile.jp/2016/3003/

幸福実現党政調会・外交部会 彦川太志

12月15日から16日にかけて、ロシアのプーチン大統領が来日し、安倍首相と首脳会談を行いました。

第一安倍政権から数えると通算16回目の首脳会談となるにも関わらず、領土問題や平和条約に関する目立った進展もないままに経済協力の推進を行う結果となり、安倍外交の「完敗」が印象付けられました。

今回のニュースファイルは2回の配信に渡り、山口県での日露首脳会談・安倍外交の敗因を探ってみたいと思います。

◆山口会談に至る、2016年中の日露関係

今回のプーチン大統領訪日が特に注目された理由は、第二次世界大戦の終結以来、日露関係の最重要かつ最難関のテーマであった「日露平和条約」の締結が現実味を帯びたと報道された事が挙げられます。
 
時系列に沿って整理すると、まず2016年5月6日、安倍首相はソチ首脳会談においてプーチン大統領に「8項目の経済協力」と、「新しいアプローチ」で平和条約の交渉を行うことを提案しました。

本会談の雰囲気について、外務省HPの発表や雑誌等の論評によれば、プーチン大統領は8項目の経済協力を高く評価するとともに、平和条約に関する「新しいアプローチ」について関心を示したと言われています。

さらに9月2日のウラジオストック首脳会談では12月の山口首脳会談が正式に合意され、会談後の記者会見においては安倍首相から「手応えを強く感じ取ることができた」「新しいアプローチに基づく交渉を今後具体的に進めていく道筋が見えてきた」との発言がありました。

このような首相の発言を皮切りに、日本国内では北方領土の「二島先行返還」に肯定的な意見が浮上。歯舞・色丹・国後・択捉と言った「四島の帰属問題」の解決にこだわらず、二国間関係の実質的な前進を容認する空気が各種メディアによって醸成されたのです。

ところが11月15日、世耕経産相のカウンターパートであったロシアのウリュカエフ経済発展相がロシア当局に拘束されると、11月19日にはペルーAPECにおける首脳会談において、返還が有力視されていた歯舞諸島・色丹島について「二島にどこの国の主権が継続し、どのような状態で引き渡されるか、日ソ共同宣言には明記されていない」との発言がプーチン大統領から発せられました。

さらに11月23日には、ロシア軍が択捉島・国後島にそれぞれ対艦ミサイルを配備した事が報道されるに至り、安倍首相は北方領土の返還がほぼ期待できないという予測の中で、プーチン大統領訪日を迎える事となったのです。

◆日露関係に影響した、トランプ氏の米大統領選勝利

日露関係に関する日本での報道に接していると、なぜ訪日の直前になってプーチン大統領が態度を翻したのかさっぱりわからず、結局、経済協力を「食い逃げ」したかっただけではないかと言う批評を目にします。

これを「米大統領選」という観点から日露関係を眺めることで、一見不可解に見えるプーチン氏の行動には「筋」が立っていた事実が見えてきます。

まず、安倍首相がプーチン大統領とソチ(5月)、ウラジオストック(9月)と首脳会談を重ね、「手ごたえを感じた」と発言していた時期は、ちょうど米大統領がトランプ対ヒラリーの決戦投票に向けて過熱してきた時期と重なります。

米露関係は、まさにオバマ政権の対露政策で最悪の状態に陥っており、特にクリミア危機以降の経済制裁等の要因により、ロシアのインフレ率は2014年度7.8%から2015年度15%まで跳ね上がっていました(2016年は再び7%台に戻っている)。

もし親露的発言で知られていたトランプ氏が勝利すれば、ロシア経済を危機に追い込んだ経済制裁の緩和に踏み切る可能性がありました。

しかし、「もし、ヒラリーが勝利したら?」そうした可能性を考慮に入れ、プーチン大統領は日本を米国との仲介役、あるいは対米外交の「保険」の一つとして、「二島先行返還」を匂わせつつ安倍首相に接近を図ったものと考えられるのです。

米大統領選の結果は、既に報道された通りドナルド・トランプ候補の「圧勝」に終わりました。

プーチン大統領はトランプ氏に祝辞を送り、米国との関係改善の意欲を表明する一方で、投票日からちょうど一週間後にあたる11月15日、日露経済協力のロシア政府側担当大臣に当たる、ウリュカエフ経済発展相を収賄容疑で拘束したのです。

日本にとって寝耳に水のウリュカエフ氏の拘束は、まさに日露関係と国際情勢の「流れが変わった」事を示すシグナルであったのかもしれません。

結局は「ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利をもって、日露関係の流れが変わった」という事であり、安倍首相の前に「二島先行返還」という「ニンジン」を垂らしてまで、日本に米国との仲介役を担ってもらう必要性が無くなったため、プーチン大統領の態度が急転したと考えられるのです。

今回の首脳会談は、ロシアが経済協力を「食い逃げした」というよりも、米大統領選と安倍首相の出方を「両睨み」にしていたプーチン大統領の意図を見抜けなかった安倍首相が、単に「置いてきぼり」を食らっただけ。というのが、実態ではないかと思われます。

そもそも、北方領土問題とは米ソ冷戦構造の影響を受けて形成されてきた問題であるため、米国とロシアの関係が対立に向かっているのか、それとも協調に向かうのか、その大局を見ながら戦略的な解決方法を考えなければならない問題だったのです。

◆日本人の「自立」を求めたプーチン大統領

それでは、プーチン大統領は単に日本を対米外交の「駒」として利用するだけの腹積もりだったのかというと、そうではありません。

プーチン大統領は来日直前の12月13日、読売新聞と日本テレビによるインタビューを受けていますが、この詳述を読む限り、プーチン大統領は「日本よ、自立せよ。自分の国の未来は自分で決めよ」というメッセージを日本人に送っている様に見えます。

このようなプーチン大統領の姿勢は、「アメリカ・ファースト」を標榜し、日本に国力相応の「自立」を求めるトランプ大統領の姿勢に近いものがあるのではないでしょうか。また、両者は信念に基づいて明確な価値判断を下し、行動に移すという点でも共通点があります。

例えば、トランプ氏は大統領当選後、国際政治の文脈では「あり得ない」行動と言える、蔡英文台湾総統との電話会談を行い、「一つの中国」という認識に対して疑問を呈したほか、中国経済が国際社会の配慮によって優遇されてきた状況にあるにも関わらず、軍事費を増長させている点を厳しく批判しています。

世界の潮流は、まさしく国際社会の「正義」について明確なオピニオンを戦わせ、「地球的正義」について明らかにする時代に突入しているのではないでしょうか。

総選挙と支持率しか考えられない従来の政治家では、このような大国のリーダー達と渡り合うことはできない。そうした時代の転換点の象徴が、今回の安倍外交の「完敗」であったと考えます。

幸福実現党は、先見性ある政策と力強いオピニオン力によって、この国の未来を明るいものへと変えてまいります。

==============

■12/21(水)19時~ 幸福実現党政調会・外交部会 特別セミナーのお知らせ

日々、幸福実現党にご支援を賜り、誠にありがとうございます。

テーマ:「プーチン大統領来日。首脳会談の経緯と日露関係の行方について」質疑応答
日時:12月21日(水)18:45開場 19:00開始 21:00終了予定
場所:ユートピア活動推進館3F大会議室  東京都港区赤坂2-10-8
会費:1000円(持ち帰り資料あり)
主催:幸福実現党政調会 外交部会
講師: 同 副部会長 彦川太志(HS政経塾一期生)

■お申し込み・お問い合わせ
ご参加のお申し込みは、【お名前】、【電話番号】、【所属支部(任意)】を明記の上、下記までメールをお送りください。

※件名に「12月21日セミナー希望」とご記入ください。
担当:彦川太志 victory777dh@gmail.com


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日露首脳会談を受けて(党声明)

2016-12-18 10:22:48 | 幸福実現党

[HRPニュースファイル1739]

皆様、おはようございます。

昨日、「日露首脳会談を受けて(党声明)」を発表しましたのでお知らせいたします。

HRPニュースファイル編集部

■日露首脳会談を受けて(党声明)

https://info.hr-party.jp/press-release/2016/3906/

ロシアのプーチン大統領の訪日を受けた首脳会談で、北方四島における共同経済活動の協議開始などで合意が得られたものの、日露間の隔たりが大きい領土交渉を巡っては、進展がみられませんでした。

本年5月などの首脳会談では、領土問題を含む平和条約交渉について、安倍首相は「手応え」を強調するなど、領土返還への期待感を煽ってきましたが、政権による対露外交は完全に失敗したと断ぜざるを得ません。

会談が不調に終わった背景に、ロシアにとって北方領土を含むオホーツク海が軍事的要衝であることはもちろん、

ウクライナ問題を巡る日本政府の外交判断の誤りがあることは明らかです。日本政府は欧米による対ロシア制裁に同調しましたが、欧米とロシアの対立が深まるなか、わが党が主張したように両者の懸け橋となる外交を展開すべきであったと考えます。

もとより北方四島はわが国固有の領土であり、あらゆる機会を通じて、引き続き領土交渉の進展を図るべきです。

その一方、地域の安全保障上、最大の不安定要因である中国を牽制するうえで、ロシアとの関係強化は重要であることから、領土問題をいったん棚上げしてでも、経済や安保両面での関係強化、平和条約締結を目指すべきだというのが、わが党の考えです。

経済協力を巡っては、投融資3000億円規模などで合意しましたが、この程度にとどまらず、北海道とサハリンを鉄道で結ぶことや、ロシアとの貿易総額の大幅な拡大、極東地域の開発推進など、日露双方の発展に資する中長期の視点に立った協力構想を立案・実施し、相互理解を深めつつ、日本とロシアを強い紐帯で結ぶべきです。

トランプ米次期大統領の誕生により、新たな世界秩序が構築されようとするなか、「地球儀を俯瞰する外交」とは名ばかりの、理念なき場当たり的な対応に終始し続ければ、時代の潮流変化を見誤り、日本を危地にさらすことにもなりかねません。

戦略的な外交のかじ取りこそが肝要であり、対中抑止を図り、地域の安定を確保すべく、日米同盟を基軸としながら、ロシアをはじめ関係国との連携を強化すべきです。

幸福実現党は、「日本ファースト」を堂々と掲げ、この国を強く豊かにするとともに、わが国を国際社会の平和と正義、繁栄の実現に貢献できる国家へと新生させるべく、力を尽くしてまいる決意です。

平成28年12月17日

幸福実現党


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日露首脳会談で際立った安倍外交の失敗の本質 【大川隆法 2017年の鳥瞰図(1)】

2016-12-18 10:18:25 | 政治・国防・外交・経済

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12333

2016年は、年初の北朝鮮の核実験に始まり、中東の内戦激化、EUの混乱、韓国政界のスキャンダルなど、世界中で「予想外」の出来事が立て続けに起きた。2017年は、トランプ米大統領の誕生により、さらに予測不可能な時代へと突入する。 


本欄では、26年前にイギリスのEU離脱を、2年前に朴槿惠・韓国大統領の辞任劇を、そして1年前にトランプ氏の大統領就任を予想していた、大川隆法・幸福の科学総裁が語る、2017年以降の国内外の世界の行方を紹介する(本記事は、大川総裁著『繁栄への決断』より、一部内容を紹介したもの)。

 

◆       ◆       ◆

 

大川隆法総裁は12月7日、千葉県・幕張メッセで、エル・カンターレ祭大講演会「真理への道」を行い、国際情勢が混迷する中で、2017年以降、世界が進むべき方向性を示した。 

この講演では、直後の15、16両日に控えていた日露首脳会談にも言及。「会談は乏しい成果に終わる」と見通し、安倍政権に対して、国家戦略を基にした外交方針を描く必要性を説いていた。 

首脳会談は、この見通し通りに終わったが、以下に、今回の会談を振り返ってみたい。 

 

事実上の「ゼロ回答」に終わった

安倍晋三首相はこれまで、ロシアのプーチン大統領と多くの会談を重ねており、今回で16回目となった。お互いの信頼関係を構築し、北方領土の返還を模索してきた。

今回の会談で日本側は、エネルギーなどの8項目で、3000億円規模の経済協力に合意。また、北方領土をめぐっては、特別な制度の下で、「共同経済活動」を実施することや、元島民が北方四島へ自由に往来できるように議論を進めることでも一致した。 

しかし、多くの国民が期待していた領土の返還をはじめ、トータルで事実上の「ゼロ回答」に終わった。 

 

領土返還を遠ざけた安倍外交

目立った成果のない首脳会談の結果に先立ち、大川総裁は冒頭の講演会で、2014年のウクライナ問題に端を発する対ロシア制裁を引き合いにして、こう述べていた。 


もし、私の意見をきいて、ロシアに対する経済制裁をせず、『大半はロシア系住民が住んでいるクリミアにおいて、プーチン大統領が"邦人保護"のために動いたことに一定の正当性がある』ということを認めたならば、今年、少なくとも北方四島のうちの二島は返ってきたでしょう。 

この機会を逃したのは、現在の外務省と安倍政権です。この見通しのなさについては、十分に反省してもらいたいと思います。まさに、行き当たりばったりで、基本的な理念や方針がありません。まことに恥ずかしいことです」 


つまり、日本がロシア制裁に参加しなければ、領土の返還が実現した可能性があったのだ。 

確かにロシアにとっては、制裁を行っている国から「友好関係を結ぼう」と言われても戸惑うはず。日本が、本当に日露関係の未来を考えているのなら、制裁を解除するぐらいの強い意思を示すべきだった。 

 

「哲学なき外交」を露呈

安倍首相が政治家生命を賭けてまでも、領土返還を実現させたかったのであれば、もっと大胆な外交をすべきだった。 

例えば、日本側は会談に向けて、秋田犬の贈呈を打診したり、プーチン氏を山口県の温泉に入浴させたりして、関心を引こうとした。友好関係を演出する意図が見え見えだが、果たして大統領が喜んだかは疑問だ。 

経済協力についても、日本との領土問題がないミャンマーに対しては、ロシアの2倍を超える8000億円規模の支援を行う予定であり、ロシアへの経済協力は物足りない印象がある。さらに今回の会談で、プーチン大統領を「国賓」として待遇しなかった点も、アメリカを含む制裁参加国への配慮が強くにじんでいる。 

日本が、このような小手先の「哲学なき外交」を続けていれば、プーチン氏を説得できるはずもない。 

 

中国への対応が第一優先

さらに日本にとって重要な問題は、中国の驚異的な軍拡にどう対応するかだ。 

この点、大川総裁はこう語っている。

 

北方四島の問題をいったん棚上げしてでも、平和条約を結ぶべきだと、私は考えています。(中略)日本が、ロシアとの関係を強化し、アメリカとの関係を強化することが、次の『対中国戦略』につながるのです

 

日本は、拡張する中国の進出を前に、戦力を尖閣諸島などに集中させなければならない。にもかかわらず、中国への警戒心が薄い欧米陣営の制裁に参加したために、ロシアを「中国寄り」にさせた経緯がある。ロシアを国際的に孤立させることが本当に日本の国益にかなうのか、再考すべきだろう。 

日本は、ひとまず北方領土問題を脇においてでも、ロシアとの平和条約の締結を優先させるべきではないか。これを契機に、中国とロシアとの接近を分断し、中国の野望をくじかなければならない。 

日本が、世界の平和と繁栄を守るためにも、今後の外交はますます重要性を帯びてくるに違いない。哲学を背景にした国家戦略が必要だ。

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ユネスコ分担金支払いへ 「南京大虐殺」を日本の税金で国際社会に広める愚

2016-12-18 10:03:01 | 歴史・歴史問題・戦争

日本政府は、支払いを保留していたユネスコ(国連教育科学文化機関)への分担金を支払う方針を固めた。17日付朝日新聞が報じた。 

昨年10月、中国が申請していた「南京大虐殺の記録」が世界記憶遺産に登録されたことを受け、これまで日本政府は、今年の分担金(約38億5千万円)の支払いを保留していた。 

分担金とは、ユネスコ加盟国に支払いが義務付けられるお金で、日本は、全加盟国中2位の約9.6%に当たる金額を出している。ちなみに、1位はアメリカ(約22%)、3位は中国(約7.9%)だ。しかし、アメリカは2011年のパレスチナのユネスコ加盟をきっかけに支払いを止めているため、事実上、日本が最も多くの分担金を支払ってきた。 

今回、支払いの方針を固めた背景には、保留状態が長引くと、日本に次ぐ金額を支払っている中国が最も多くの支払いを行っていることになり、中国の発言力が拡大し、日本の発言力が縮小していく懸念がある。また、他の加盟国からの反発の広がりや、日本が主張しているユネスコ改革や遺産登録が滞ることも考慮し、今回の方針に至ったという。 

しかし、ユネスコに多額の分担金を支払い続けることは、日本にとって本当にプラスになるのか。 

 

政治利用されてきたユネスコ記憶遺産

ユネスコは、政治的に利用されることも多い。中国による「南京大虐殺の記録」の世界記憶遺産申請は、まさにその象徴だ。 

2015年に、中国が登録を目指していた「南京大虐殺の記録」に対しては、幸福実現党(釈量子党首)が、「南京大虐殺は歴史のねつ造である」ことを証明した反論書を作成。パリのユネスコ本部を訪れるなどして、数回にわたって、申請を却下するよう申し入れた。この申し入れ書には、国内外の有識者延べ100人以上が賛同した。 

同党は、中国側の資料は虐殺を示す証拠ではなく、遺産登録のプロセスも不透明で、日本政府の反論の機会がないことなどを指摘していた。 

 

「ユネスコ」を使って、日本を貶める中国や韓国

現在も、世界記憶遺産への登録を足がかりに、中国がフランスで「南京大虐殺展」を開催するなど、政治利用は進む。韓国でも、従軍慰安婦の記憶遺産申請の際に使った資料の展示会を行うなど、「ユネスコ」というブランドを利用し、日本が貶められているのだ。 

これらは、分担金を「支払っていたにもかかわらず」起きた出来事だ。 

例えるなら、あるスポンサー企業が、自らお金を出して、自社がやってもいない犯罪を、やったかのように広く宣伝しているようなものだ。 

もし、日本政府が分担金の支払いを続けるのであれば、それに見合った発言力、影響力を行使すべきであり、少なくとも「南京大虐殺の記録」の遺産登録を撤回に追い込むべきだ。国民の血税を使って、中国の歴史ねつ造を国際社会に広める"支援"をするなど、言語道断である。(祐)

 

【関連記事】

2016年12月16日付本欄 韓国・次期大統領候補が日韓合意を否定 ご機嫌取り外交の限界https://the-liberty.com/article.php?item_id=12330 

2016年8月19日付本欄 【中韓ユネスコ問題】申請資料の8割が戦後のもの!? 「慰安婦はホロコースト」と決めつけhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=11795 

2015年12月号 ユネスコの誤審 「南京」記憶遺産 決定の舞台裏 - 現地ルポ× 8カ月追跡取材http://the-liberty.com/article.php?item_id=10348

─ ─ ─ ─

>>保留状態が長引くと、日本に次ぐ金額を支払っている中国が最も多くの支払いを行っていることになり、中国の発言力が拡大し、日本の発言力が縮小していく懸念がある。また、他の加盟国からの反発の広がりや、日本が主張しているユネスコ改革や遺産登録が滞ることも考慮し、今回の方針に至った・・・

考えとしてはわかりますけどね。

分担金を支払うのならそれに見合った発言力、影響力を行使し、「南京大虐殺の記録」の遺産登録を撤回に追い込むべきだ。

さもなければ、

国民の血税を使って、中国の歴史ねつ造を国際社会に広める"支援"をする─ 

ことになる。

ということなんですね。

今の政府に遺産登録撤回できるほどの実行力や能力や情熱があるとは思えないのでお金は払わない方が賢明でしたね。

まったく、いろんなことが後手後手でダメですね安倍政権。

旧民主党はやることなすこと真逆に打って出て滅茶苦茶でしたが、自民党は滅茶苦茶ではないが、何もできない。何もしないことで国を追い込み危ない目に合わせている。


やるけど滅茶苦茶がいいのか

なにもしなくて結果滅茶苦茶になるのか

はい!

今度の衆院選はどっちにする(笑

 

 

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