行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

高度人材といわれる外国人たちへの優遇策

2012-04-27 10:28:46 | 行政書士のお仕事

 連休明けの5月7日より、高度人材と称する、高学歴・高収入な外国人

に対する優遇策が開始される。

 この新制度、大企業に勤務する欧米系の外国人だけへの優遇策という

声もある。しかしながら、こと永住許可に対しては、身分系在留資格者

(日本人や永住者の配偶者や日系人など)だけが就労系外国人に比べて

著しく優遇されていた点を改善した点では一定の評価はできるかもしれない。

 しかし、中小企業に勤務する外国人や日本での起業を夢見る外国人など

本当に日本を支え、我々と共存して行ける外国人達への配慮が全くされて

いないことは誠に残念である。

① 高度専門・技術分野

   (例1) エコノミストなど市場分析の専門家

     ・ 経済学・財政学修士         20点

     ・ 職歴4年                5点

     ・ 年収1600万円           40点

     ・ 年齢37歳                5点

     ・ 日本語能力検定N1合格       5点

    -----------------------------

       合計ポイント数           75点(70点以上でクリアー)

(例2) ソフトウェア開発者

             ・ 工学学士                    10点

              ・ 職歴8年                 15点

              ・ 年収750万円              25点

              ・ 年齢32歳                 10点

              ・ 情報処理技術者試験合格       5点

       (テクニカルエンジニア(情報セキュリティー)試験

              ・ 日本の大学を卒業             5点

  -----------------------------

       合計ポイント数              70点(70点以上でクリアー)

② 高度学術研究分野

(例3) 医薬品研究者(大学院講師兼研究所研究者)

            ・ 医学博士                                30点

            ・ 職歴6年                                10点

            ・ 年収800万円                          20点

            ・ 年齢41歳                                 0点

            ・ 学術雑誌の論文掲載3本以上     15点

   -----------------------------

       合計ポイント数                            75点(70点以上でクリアー)

③ 高度経営・管理分野

(例4) アジアリテール部門本部長(45歳)

    ・ 経営学修士               20点

    ・ 職歴10年以上             25点

    ・ 年収2,800万円            40点

    ・ 業務執行役員              5点

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     合計ポイント数              90点(70点以上でクリアー)

【これら高度人材といわれる就労系外国人が享受できる優遇措置】

 1.複合的な活動

     例えば、例3の大学講師兼研究所研究者は、

     新薬販売会社の役員(投資・経営)の兼務も可能となる。

 2.在留期間「5年」         

       現行の在留期間3年が5年になる。

 3.永住許可要件の緩和

     例えば、例1のエコノミストは、最短来日後4年6ヶ月間      

   同条件を維持していれば、永住許可の申請が可能となる。

 4.配偶者の就労

        例えば、例4のアジアリテール部門本部長の配偶者

   (42歳、大学中退)の外資系企業中間管理職勤務が

   学歴要件を満たさなくとも可能となる。

 5.親の帯同  

     例えば、例1のエコノミストには、実子(2歳3ヶ月)がおり、

      妻(32歳)の実母(61歳)の3年を限度とする帯同が可能

   となる。

 6.家事使用人の帯同

     例えば、例4のアジアリテール部門本部長には、13歳未満

      の子がいないが、収入が1,500万円以上あり、かつ、前の

        赴任地であった香港で雇用していた家事使用人の帯同が

        (但し、この家事使用人が退職した場合は、新たな家事

   使用人の雇用は、配偶者の病気など事由が発生しない限り

      不可)可能となる。

          また、例1のエコノミストも、収入が1,500万円以上あり、

   13歳未満の子がいることで、新たな家事使用人を招聘する

   ことが可能となる。

 さて、このポイント制、我が国にどのようなメリットをもたらすのであろうか!

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コメント
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