行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

オーストラリア就労ビザに関するセミナー

2013-01-23 09:11:30 | イミケン

 私もメンバーとして、多少お手伝いをさせて頂いている、

 イミグレーションロー実務研究会の第10回セミナーが

 一昨日1月21日月曜日の夕刻より行われた。

 http://www.immigration-law.jp/

 テーマは、オーストラリア就労ビザと、

 オーストラリア政府の永住許可に対する昨今のスタンスなどについて、

 元在日オーストラリア大使館領事部に長年勤務され、

 現在もオーストラリア、ニュージーランドのビザコンサルタントとして、

 ご活躍されている「足利弥生先生」にご講義頂いた。

 オーストラリア査証に関するセミナーは4回目であり、

 あと1回を残すだけになってしまったが、

 今後の日本の入管法の行く末を予見する上では

 極めて重要でかつ有益な知識なのである。

 Imikenseminar21jan201301 Imikenseminar21jan201302_2

 私は、実務として、オーストラリアやアメリカの査証手続に

 従事するつもりは毛頭ないのだが、日本政府が

 今後の入管法改正などで、これらの国々の制度を

 参考にしている様子が垣間見えることから 、

 積極的に参加して、勉強させて頂いている。

 実際、昨年施行された「高度人材ポイント制」の導入では、

 オーストラリアでの事例をこのセミナーで聞いていたことで、

 日本側の意図と、この制度の利点や問題点などが

 直ぐに理解でき、数件のクライアント獲得に結び付いたのだ!

 この様に、実務や利益に直ぐには結び付かない知識でも、

 結果として、間接的に実務と実利に結び付いて行くことが多々あることは、

 経験上、後進の方々にも是非知って頂きたいと思う次第だ。

 さて、講義の内容であるが、オーストラリアの国家戦略として、

 世界各国がまず第一に優遇する重厚長大産業である製造業から、

 教育、金融、サービス産業をこれからの重要産業としてシフトチェンジする、

 新たな施策に伴って、移民法もそれに併せて変えてゆく姿勢には、

 移民先進国モデルとして、日本政府も注視しているであろう事が

 十分に考えられる話である。

 実際、政府関連の政策コンサルティングを行っている

 某シンクタンク職員の方も、時としてこのセミナーに

 参加されていることからも、それが正しいことがお分かりになるかと思う。

 それにしても、かつては、米ドルに対して2~3割安かった豪ドルや

 カナダドルの国際為替相場が、米ドル相場とは殆ど差が無いほど迄に

 上昇していた事には大変驚いた。

 http://info.finance.yahoo.co.jp/exchange/

 この点について、オーストラリアは米国のような銃の乱射事件や

 9.11のようなテロ事件、或いは、アルジェリアのような

 イスラム過激派によるテロからの襲撃リスクも極めて低く、

 また、日本のように地震や津波などの天災によるリスクも無く、

 そして、昨今最も重要である、中国・香港のような不透明・不可解な政府よって

 管理・運営されている民主主義の無い独裁国家でもない。

 つまり、永住先として、或いは、投資先としてのカントリーリスクの低さは、

 おそらくカナダと共に、最上位にランクされる国の一つであることは

 間違いはないのである。

 勿論、人件費が高く、企業へ課せられる負担や責任も重い国家ではあるが、

 一度ビジネスが成立すれば、安定した長期利益が見込める国なのである。

 だからこそ、豪ドルやカナダドルに国際資金が流入しており、

 相対的な国際為替相場として高くなっていると考えるべきであろう!

 このように、オーストラリアのように近くてカントリーリスクの

 極めて低い国々への進出に、積極的な日本企業が少ない現状は、

 海外進出においては、我が国日本はまだまだ発展途上国家なのか?

 と再認識した今回のセミナーであった。

 最後に、懇親会訪れたイタリアンレンストランの方が、

 オーストラリアの就労ビザ(457)の保有者であった事が分かり、

 懇親会の美味しい食事に花を添えた形となった。

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