ロシアによる、ウクライナという一国の領土の強奪とも言える
クリミア併合事件が起こり、160年前の1854年に勃発した
クリミア戦争の再来を心配する方々も多かろうと思うのだが、
事態はそれより更に深刻なのかもしれない。
当時の国際社会の主役は、まだイギリスやフランスであったし、
イギリスでもまだ看護婦さんが召使い並の扱いを受けており、
あのナイチンゲールが専門知識をもった医療従事者にして、
戦地での死亡率を急速に低下させた程度の文明レベルであったのだ。
しかし、今や軍隊の武器は近代化され、その殺傷力は数百倍になっている。
一方、極東ではアヘン戦争に敗れた眠れる獅子といわれた清国が、
ヨーロッパ列強によって徐々に支配され、旧日本軍も台頭を始めた
当時の様相に代わって、人権など全く無い、狂気の暗黒国家である
北朝鮮が朝鮮半島でたびたび火種を起こしている。
その北朝鮮を支援し、国内ではチベット人をはじめとする少数民族の
虐殺を続けている中華人民共和国なる軍事独裁国家が、
近年の経済力をもって、膨大な予算による軍事力の増強をはかり、
隣国である日本や台湾などの東シナ海諸国、或いは、
ベトナム、フィリピンなどの南シナ海諸国に対して、強力な軍事力を
背景とした領土拡張を画策しているのである。
つまり、情勢は当時よりも遙かに危険な状態にあるのかもしれない。
ここまま、クリミア問題が膠着し続ければ、ロシア+中国+北朝鮮対
アメリカ+欧州+日本という構図となり、地政学的には、
日本は、非協力的な韓国をあいだに挟んで、もっとも危険な地帯で、
平和を愛する国家として立ち回らなければならないという、
極めて不安定で危険な状況に直面しなければならないかもしれない。
本当に、2020年の東京オリンピックが、1945年のように
幻のオリンピックとならぬことを心より祈るばかりだ!