行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

申請取次者はメッセンジャーではありません!

2014-03-26 12:42:22 | 行政書士のお仕事

 ある他士業の方の紹介で、申請取次者を探してとの事でお電話を頂いた。

 お電話によると、当事者の間に入っている方のようなのだが、

 技能実習を実施している某組合の担当者が忙しいので代わりに、

 品川の東京入国管理局へ更新8名、変更7名を申請して欲しい

 との事であったので、一気に警戒モードに突入した。

 「それって、その組合さんが申請書類やら添付書類やらを

 全部用意するので、そのまま持って行ってくれって話ですよね!」

 と聞いてみたのである。

 「当事者ではないので、詳しくは分かりませんが、

 そのような事だと考えています。」

 そこで私は、

 「失礼ですが、中身も吟味せずに申請書を入管に提出するような事は

 やった事がないのですよ!お受けするのならば、先ずはその組合へ

 少なくとも1回は伺い、お話しを伺った上で、申請書全部に目を通した上で、

 技能実習者の在留カード、旅券、申請書及び添付書類をお預かり

 して、更にはこれらはの写しを当然保存しますので、

 それだけでも相当な作業となりますから、一般的には思っていっらしゃる

 ようなお安い報酬ではお引き受け出来ないと思いますが!」

 「おそらく、1件5千円以下の数千円でとか、一山でいくらでやって欲しい

 とか、その方々は考えておられそうにお見受けしますが、

 事実上の違法行為となる可能性が高いので、

 こういったメッセンジャーのようなご依頼はお受けしていないのですよ!」

 連絡してきた方は、その旨伝えると答えたものの、

 おそらく、まず依頼してくることは無いと思います。

 「誰か、黙って持って行って申請してくれる他の申請取次行政書士を

 探せばいいじゃないか!そんな奴らはいくらだって居るだろうが!」

 こう、憮然と言い放っている姿が目に浮かぶようです。

 実際、確かリーマンショック前ですから6~7年前だったでしょうか、

 同様な依頼がありまして、当時は中部地方某県の年配の同業が

 格安な報酬で引き受けているとのことでしたが、勿論お断りしました。

 今後、建設業での技能実習者の活用が急増することが予想されます。

 仮に、その組合や実習機関などが立派な機関であったとしても、

 申請取次制度の趣旨に反しますので、特に経験の浅い

 同業者の皆さんは、注意が必要です。

 例えば、これが、もし違法な組織からの同様な申請依頼があったら、

 これはもう立派な共犯行為であり、犯罪に繋がるからです!

 そんなことも知らずに、申請件数数百件、数千件なんて宣伝する

 危ない同業者も居ると仄聞しています。

 どうか皆さん、我々届出済申請取次者は入管局へ申請書を運ぶ

 単なるメッセンジャーでは決してありませんから、

 呉々もこういった依頼にはご注意下さい!

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