柏崎刈羽原発6号機の定検入りで、国内で稼働しているのは
泊原発3号機のみとなってしまったそうだ。
それも、5月5日から定期検査で停止すると、
国内の原発すべてが止まってしまうのだそうだ。
ところで、今は有料老人ホームで暮らしている
応用物理学科卒の老父に、週末会いに行った。
硬膜下出血で飲めなくなっていたEPAを再び飲み始めたせいなのか、
前回会ったときに比べてかなり饒舌になっていた。
更に、私に核分裂反応をコントロールできていない人類は、
核物質など使うべきではない! と言うのだ。
「でも、福島原発の核物質はコントロールできていると思うけど・・・」と私。
「水で冷やしながら半減期を待っている状態はコントロールできている
とは到底言えないのですよ!
ただ、何十年、何百年と待っているだけでしょう!」
「コントロールできているとは、核分裂を完全に停止させ、原子を安定した
整数の状態にできることなのです!人類は一旦、核分裂を起こした核物質を
まだコントロールできていないのですよ。」
「核エネルギーの利用とは、小さな太陽をコントロールしようと
している事と同じ訳ですから、そんな簡単な事ではないのですよ!
あのアインシュタインでさえも、その危険性を当初から警鐘していたし、
ラジウムの発見者であるキューリー夫人でさえも放射性物質の
危険性を指摘していたのです。それでも、人類は核物質を
見切り発車で使い始めてしまったのですよ!」 と老父。
「化学反応とは全く訳が違って、実に恐ろしいのが核分裂反応です!」
「化学反応は中和などによって、反応そのものを停止させることができるし、
化学的に安定した状態にすることもできますが、核物質は違います。」
「ええええ・・・、化学反応と同じだと思っていたのだけど全く違うんだ!」と私。
「結局、人類は医療用などのごく一部の例外的な核物質を除いて、
特にエネルギー源としての核物質は使ってはいけなかったのです!」と老父。
「原発を作った人々やそれをコントロールしようとする人々自身が
エネルギー源としての核物質をまったくコントロールできていないのに
それを使っているのだから、実に恐ろしい話なのです!」と
更に老父は力説するのであった。
「んんんんんん・・・、知らなかった!」
確かに、50万年前に、やっと火を使い始めた人類は、
その火を日常的に使えるようになるまで、
更に45万年掛かったのである。
また、地球が自転していることが分かったのが
つい最近の僅か4百数十年程前
であることを考えれば、我々人類の知識は、まだまだ浅はかであり、
核物質を人類が扱うには、まだまだ早すぎるのかもしれないと
私自身も思ったのである。
それにしても、96歳の老父を侮っていたようだ。
どうも、時として人類は自然に対する畏怖を忘れており、
特に核物質の扱いでは、過信しているのかもしれないと、
改めて考えさせられた週末であった。
でも、電力不足も困ります。早く代替エネルギーを
整備して欲しいですね!