一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

メタボ

2008-04-08 | よしなしごと

切腹の文化を復活させるわけではないのでしょうが。

昨日の日経社説 国の統制でメタボは減るか  

 40―74歳の国民5600万人を対象に、生活習慣病を減らすための「特定健診・保健指導」が鳴り物入りで始まった。いわゆる内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)に着目し、該当者や予備軍を見付け出して食習慣や生活習慣を改めさせる新たな仕組みという。
   (中略) 
 健診の基本は腹囲測定だ。男性85センチ以上、女性90センチ以上の人を対象に血圧、血糖、脂質などの値を加味して生活習慣病になるリスクの高い人をふるい分ける。この人たちは発症リスクの高低に応じて3グループに分類される。リスクが最も高いグループは保健師などの面接指導を受け、その後も電話や電子メールでも3カ月以上、指導される。  
  (中略)
 さらに問題なのは、5年後の健診の実施状況やメタボ該当者などの減少率が低い健保組合は、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に払う支援金が増額されることだ。  

原典を当たっていないのですが、健診の実施状況やメタボ該当者などの減少率が「低い」と支援金が「増額」されてしまうのでは、モラルハザードになってしまうように思うのですが。  


今年の株主総会で、

(株主)当社の従業員のメタボリック対策はどうなっているのか?

(議長)健康診断の受診を徹底しております。

(株主)では今回の取締役候補者の腹囲の数値はどうなっている?

なんて光景が展開されるのでしょうか?


そのうちに、株主総会の招集通知の取締役選任議案に腹囲の表示が義務付けられたりして。


 

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『反転―闇社会の守護神と呼ばれて』

2008-04-08 | 乱読日記
先日のニュースの主役の著書です。
東京高検、石橋産業事件の田中森一・元特捜検事を収監
(2008年3月31日(月)20:06 読売新聞)

特捜検事が内幕を書いた本は多分初めてなのではないかと思うのですが、なかなかリアリティがあります。

著者は長崎の離島の貧しい生活を脱却しようと大学進学を志し、そして司法試験に合格、検事任官後は捜査畑のたたき上げとして頭角を現し、弁護士に転じた後は「バブル紳士」との交流、と戦後の貧しい時代から55年体制の中の検察、そしてバブル経済とその崩壊と戦後日本と併走するかのような人生を一気に読ませます。

幻冬舎のこの手の自伝本に共通する、ライターが入っているのではないかと思わせるような語り口の上手さがちょっと気になりますが、内容的の面白さがこれを補っています(最後に自分の訴追された事件に関してはさすがに歯切れが悪くなりますけどそれは仕方ないですね)。


企業や公務員、議員だけでなく特捜検察といえども、組織や人間の営みである以上「絶対的な正義」はない、ということが共通認識として広まったことが、戦後60年の日本社会の成熟した証かもしれません。



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