地方都市での中学生の死をきっかけに、事故か自殺かの真相をめぐり、関係者が疑心暗鬼と混乱に巻き込まれていくという話。
朝日新聞の連載だったらしい(知らなかった)。
奥田英朗は、昔読んだ『最悪』では、登場人物の設定の妙、構成の上手さとスピード感が印象的だったが、構成の上手さは相変わらず。
特に今回は死んだ少年をめぐる中学生たちとその親、そして関係者という三層それぞれの中での利害関係・力関係のからませ方、そして話が進むにつれてその層がからみあってくるあたりは読んでいて引き込まれる。
最後に「真実」が明らかにされるのだが、真実それ自体よりも、それぞれの当事者がどういう風に考え行動するかというところのリアリティが、「いじめ」「自殺」というテーマを奥田流に料理した本書の味わいどころといえるのではないか。
新聞連載で読んでいたら登場人物と同時並行で一日一日が進んでいく感じがして面白かっただろうに。
そこが残念。
朝日新聞の連載だったらしい(知らなかった)。
奥田英朗は、昔読んだ『最悪』では、登場人物の設定の妙、構成の上手さとスピード感が印象的だったが、構成の上手さは相変わらず。
特に今回は死んだ少年をめぐる中学生たちとその親、そして関係者という三層それぞれの中での利害関係・力関係のからませ方、そして話が進むにつれてその層がからみあってくるあたりは読んでいて引き込まれる。
最後に「真実」が明らかにされるのだが、真実それ自体よりも、それぞれの当事者がどういう風に考え行動するかというところのリアリティが、「いじめ」「自殺」というテーマを奥田流に料理した本書の味わいどころといえるのではないか。
新聞連載で読んでいたら登場人物と同時並行で一日一日が進んでいく感じがして面白かっただろうに。
そこが残念。