念版屋スケッチブック

日々のスケッチ、星のメモ帳

よみがえる作家の声 森敦から

2006年03月05日 | 天体写真
 
 昨夜は今年最初の野外での星空撮影をしました。
帰ってから録画しておいた、「よみがえる作家の声 森敦」を見て感動した。

 未だ生を知らず
 いずくんぞ死を知らん







真冬に発情した牝牛のために、十王峠を越えて牡牛の種をもらいに行った源助じさまを案じて書く・・・。
死者の霊が集う月山、森敦は小説の中でじさまをその月山に春の種(いのちのいぶき)を運んでくる人として描いている。





私はかつて『月山』を読んだとき、著者(森敦)の意図するところの主題(テーマ)は判らなくとも、
その小説を通して作者自身の再生・復活を見た思いがした。

この朗読では月山を単に死の象徴としてではなく、再生・復活の山でもあると書いていると言う・・・。
生と死が交差しすれ違い、同じ地平に現れては消える・・・。
生と死は対立するのではなく互いに支えあうものである。
死者の行く山「月山」はまた生の恵みを与える山でもあった・・・と。



トップの星の写真は昨夜、今年初めて野外撮影に行った時の画像です。
おとめ座銀河団のM100が下のほうに写っています。
昨夜は大失敗、カメラのISOをその前夜に自宅の窓から固定撮影したときのままISO100でそのまま撮ってしまった。
夜11時過ぎに自宅で夜空をみてそれから現場へ行ったものだから、
機材の組み立てに時間がかかりISOの設定を忘れてしまった。
失敗は成功の元、次回からはぬかりなく・・・。