くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

ねじ花。

2014-06-21 | 日記

いつものように 週一の母の注射日です。

腕を組んで歩いていると 植え込みの中にこれは ねじ花でしょうか
らせん状に巻いて 花を付けております。


毎週同じ曜日に行く病院は 母と同じく週一で 痛い足や腰に注射する年配者であふれ
毎週会うため 待合室でも顔見知りになります。

隣に座った お話し好きのおばあちゃんが 聞かずとも 身の上話を始めます。                   

彼女は現在84歳 10年前に夫を見送り1人暮らしで 娘は県外へ嫁ぎ 50代半ばの
息子は 仕事の関係で 米国に妻と住んでいる。

自分はどこも悪いところはないが 2-3年前から歩くとスネが痛く 週一で ヒアルロン酸の
注射を受けに この病院に通っている。

「 あたしゃーね  娘がいっしょに住もう言うてくれますけんどね 知った人がおらんくへ
住みとうもないきに 断りよりますらぁね 」

「 息子は週にいっぺんずつ 高いに 国際電話をくれますらぁね  あの子は 昔から
よう勉強も出来た ええ子でねぇ   お父さんの 自慢の子じゃったわね  」

ふんふんと あいづちを打つ私です。

「 けんど  いかん!   嫁をもろぉて  しゃんと  ニンゲが変わってしもぉてね
嫁の言いなりに なっちょりますらぁね‥‥ 孫の学校も あたしの意見は ひとっつも
聞かんと 人に言えん学校へ入ったわね 」

「 息子は あと1年ばぁしたら 日本へ帰って来るけんど いっしょに住もうゆうて
言うてくれるけんどね  あたしゃー  ここを 離れとぉない ここで終わるつもりじゃき 」

「 もう 友だちも おおかた あっちへいたきにねぇ  お迎えがいつ来ても かまんけんど
近所の人らぁに 迷惑がかからんように せんならんきね 」

「 あたしゃーガンコで ねじくれちゅうき ニンニンに好かれんけんど  もう よう直さんき
このまんまで  あっちへ行くつもりじゃきね 」

尽きぬ語りの途中で 名前を呼ばれ 席を立つ彼女です。

「 あたしの話を聞いてくれて ありがとう  お姉ちゃんも 来週も来るろぉ?  あたしも
生きちょったら  くるきね   ほいたら  さよなら 」

母の注射が終り また来た道を帰る途中 ねじ花が 風に揺れておりました。

がんこでかわいいおばあちゃんの ねじ花人生は まだまだ 続くろうなと思いつつ帰りました。   


     
                          

 

                 
コメント (40)
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