褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ノー・マンズ・ランド(2001) 戦争はダメですよ、でも無くならない

2011年06月15日 | 映画(な行)
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 今どき日本の高名な知識人の中に『日本は軍隊を持ってはいけないですよ、なぜならお隣の国の中国を侵略してしまうから』『日本にはアメリカ人によって作られた憲法九条があるから、中国側が攻撃してきても反撃してはいけないんですよ』と丁寧に教えてくれることは本当にありがたい
 しかし、冷静に考えると今の中国である中華人民共和国が誕生してまだ60年ちょっとしか経ていない。そんな60年ちょっとの間でチベット侵略、ベトナム、ソ連、インドに戦争を仕掛け、台湾で独立運動が盛んになると恫喝し、軍事費は毎年うなぎ上りで上昇、自国防衛のためだけとは思えない空母を建設しようとし、宇宙にロケットを打ち上げ、日本の尖閣諸島は中国の領土だと言い出したり・・・
 確かに今どきの日本人の中にこんな国へ攻めて行こうなどと考える猛者がいるとは思えないし、今この瞬間にただでさえ大変な事が起こっているのに中国が日本に攻めてきたら反撃する間もなく占領されてしまうだろう。
 僅かな希望は多くの日本人が信じている(妄想している?)この60年間において日本が平和であったのは憲法第九条のおかげ。この条文を中国政府の偉いサンに見せてあげれば日本にだけは決して攻めてこないと祈ることだ。きっと話のわかる中国人のことだから「ケンポウダイ9ジョ~ウ・・・」と連呼すれば、心が純粋な中国人は他の国は武力で恫喝しても、日本だけは脅される事は無い?
 ちなみに僕は中国人は大好きで、中国共産党が嫌いなだけです。

 なんだか結局は日本に居れば話し合えば戦争は起きないと気楽に考えたら良いんだと思えてきたが、現実に世界を見渡すと紛争地域は今でも存在するわけで、個人の思想だけでは戦争が防げないことを痛感する映画が今回紹介するノー・マンズ・ランド
 戦争映画と言えば派手にドンパチがあったり、どちらか片側の視線から描かれた作品が多い。僕が敬愛するクリント・イーストウッド監督でもあの硫黄島の戦いをアメリカと日本の別々の視点から描くのに父親たちの星条旗硫黄島からの手紙というように1つのテーマを2本の映画で分けている。
 ところが今回紹介するノー・マンズ・ランドは敵対する両方の兵士の視点で、更にその中間に入るべき存在の組織やマスコミなどの行動を描く事によって戦争の愚かしさが描かれています。

 日本に住んでいると戦争というのは国家対国家のイメージがあるが、世界には国の数より民族の数がはるかに多い。ヨーロッパのユーゴスラビアという国が異民族の争いで多くの国家に分裂したが、そんな中でもまだ記憶に新しいボスニア紛争を舞台にした戦争映画ノー・マンズ・ランドを紹介します

ノー・マンズ・ランド [DVD]
ダニス・ダノヴィッチ
ポニーキャニオン


 ボスニアの戦闘地域において、数人のボスニア人兵士たちは霧の深い夜において道に迷ってしまう。夜が明けるとセルビア人側から一斉射撃に遭ってしまう。ボスニア軍とセルビア軍の対峙するちょうど中間地点(ノー・マンズ・ランド)にあたる塹壕に逃げ込んだボスニア人兵士の2人、チキ(ブランコ・ジュリッチ)とツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)だったが、セルビア軍の戦車から放たれた一発によってツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)は意識不明。
 チキ(ジュリッチ)はツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)が死んだと思い味方のボスニア軍の所に戻ろうとするが、様子を伺いに2人のセルビア人兵士がやって来る。

 チキ(ジュリッチ)は隠れて2人のセルビア人兵士の言動を見ている。2人のセルビア人兵士の年配の方が死んでいると思われていたツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)の下の土を掘って爆弾を仕掛ける。少しでもツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)が動くと爆発する仕掛けになっていた。

 チキ(ジュリッチ)は隠れていた場所から飛び出し、セルビア人の年配の兵士を刺し殺し、若い兵士のニノ(レネ・ビトラヤツ)にもダメージを与える。チキ(ジュリッチ)とニノ(レネ・ビトラヤツ)が争っている時に死んでいたと思われたツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)は意識を取り戻す。
 ちょっとでもツェラ(フィリプ・ジョゴバヴィッチ)が動くとその場に居る3人とも爆死してしまうためチキ(ジュリッチ)とニノ(レネ・ビトラヤツ)は争いをやめて、お互いに協力することにする。
 チキ(ジュリッチ)とニノ(レネ・ビトラヤツ)はお互いに自分の存在を知らせるためにある方法で銃を構え合っているボスニア軍とセルビア軍に知らせる。

 チキ(ジュリッチ)とニノ(レネ・ビトラヤツ)の努力の甲斐があり、ボスニア軍とセルビア軍の争いの停戦の役目を果たすための組織である国際連合保護軍に所属するフランス人のマルシャン軍曹(ジョルジュ・シアティディス)が助けにやって来るのだが・・・本当に悲しくなる戦争のカラクリ、利権、そして意外な展開は映画を観てください



 本当に世界中から戦争、紛争が無くなるにはどうしたら良いか?人間も含めて全ての物をガラガラポンにしてしまうしか無いね僕みたいな適当な人間が言いたい放題で空虚な理想を語ったり、大きな夢物語を語っても害にならないけれど、戦争や紛争の当事者は生きるためには現実を考えなければならないからね。

 しかし、この映画は反戦映画として大きな銃撃戦、特定のイデオロギーに偏ることもないけれど状況設定、ストーリー展開は抜群。きっと観ていて誰もが怒りが込みあがってくるし、意外性も楽しめる?作品です

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