褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ブラック・スワン(2010) 極限の精神状態まで追い込まれた結果・・・

2011年06月09日 | 映画(は行)
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 スポーツ、芸術などその道を極めた人を見ると羨ましいなあと嫉妬の目で見てしまう。俺にも才能があればなんてクヨクヨしてみるが、その前に自分は何もチャレンジしていないし、努力もしていなかったことに気付いたしかしどのような分野であれ超一流に達するまでには僕のような凡人ではとうてい想像できないような苦痛、障害などを乗り越えることを求められているに違いない。
 それはかつて日本中の国民からヤワラちゃんと呼ばれ、期待され、金メダリストに輝き、まさに日本の希望の星のような存在だったあの人も決して例外では無かったはずだ。たとえ現在の日本の国難の時にあの人は何をやっているんだと思っても、彼女が1つの道を究める過程を考えたら決して口に出して非難してはいけない

 その道の達人になるまでに、どれだけ多くの困難を克服しないといけないかがよく理解できる映画が今回紹介するブラック・スワンです。本当にこの映画を観ると多くの人が超一流に対する憧れは吹っ飛ぶことは確実だ。
 
 それにしてもサクセスストーリー?をある意味で非常に斬新的に描きだすダーレン・アロノフスキー監督の演出は刺激的彼の代表作と言えば麻薬にどっぷりはまり込んでいくレクイエム・フォー・ドリーム、あるいはミッキー・ローク主演の哀愁あふれる人間ドラマレスラーになると思うけれど、個人的には数学、宗教といった難しいテーマを組み合わせた彼の長編映画デビュー作にあたるΠ(パイ)がお勧め。

 彼の作品の特徴は最も肝心な部分をハイスピードでぶっ飛ばしてしまうところ。前述したレクイエム・フォー・ドリームにおける夢見る登場人物たちの人生の転落振りのスピード感は他の映画にはなかなか見られないし、Π(パイ)における主人公の妄想に侵されていく様子は完全なスピード違反。
 そしてブラック・スワンにおいてもナタリー・ポートマン演じる主人公がバレリーナとして超一流を目指すことを決心してからの行動は何が現実か妄想かわからないぐらいのハイスピードな展開。背中から変な物が生えてきたり、爪をはがしたり、飾っている絵が動き出したり、かなりホラー色の強い映画。
 
 そして主役のポートマン以外の脇役人が豪華メンバーにして個性的。やたらナタリー・ポートマンの演技の評価が高いが、彼女以外の登場人物のキワモノさも見どころであるブラック・スワンを紹介します

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 ニナ(ナタリー・ポートマン)はニューヨークの名門バレエ団に所属している。彼女は過保護すぎる母のエリカ(バーバラ・ハーシー)と二人暮らし。
 エリカ(ハーシー)はかつては娘のニナ(ポートマン)と同じくバレリーナだったが、とある事情から夢破れて自らの夢をニナ(ポートマン)にたくし、今は家で絵を画いている毎日。

 ニナ(ポートマン)のバレエ団では”白鳥の湖”が公演されることになっていた。その”白鳥の湖”の主役としてニナ(ポートマン)も候補に挙がるが。しかし、”白鳥の湖”の主役には純粋な部分の白鳥と、性悪で官能的な部分の黒鳥の相反する二つの面を演じる必要があったが、ニナ(ポートマン)は自分の性格に合った白鳥は上手く演じられても、自分とは正反対の性格である黒鳥を上手く演じることが出来なかった。

 どうしても”白鳥も湖”の主役を演じたいニナ(ポートマン)は監督のトマス(ヴァンサン・カッセル)の元へ直接自分を売り込む。
 案の定トマス(カッセル)はニナ(ポートマン)ではなく、違う女優を主役にすることを決めていた。ニナ(ポートマン)には白鳥の部分を誰よりも上手く演じることは彼も認めていたが、黒鳥の部分を演じるにはあまりにも彼女は優等生過ぎたのだ。
 しかしトマス(カッセル)はニナ(ポートマン)の中に気性の激しい部分が隠されていることを見抜き、ニナ(ポートマン)を主役に抜擢することを決める。

 主役に決定したニナ(ポートマン)には様々の困難が待っていた。バレエ団のトップスターであったベス(ウィノナ・ライダー)が多くの来賓のお客さんが居る前でトマス(カッセル)から引退宣告を受けるのを目の当たりにする。
 そしてトマス(カッセル)からはニナ(ポートマン)に激しい練習を課すだけでなく、黒鳥を演じるために自慰行為を強要される。
 さらにニナ(ポートマン)とバレエ団における同僚であり、彼女とは正反対の性格であるリリー(ミラ・クニス)が自分を蹴落として主役を奪い取ろうとしているのでは無いかという疑惑の心が芽生える。
 そして過保護過ぎる母親のエリカ(ハーシー)の存在が、ニナ(ポートマン)の自立心を妨げていることに気付いた彼女はリリー(クニス)と一緒に生まれて初めてクラブに繰り出し、そこで男性に興味を持ち、薬、アルコールに手を出す。

 世代交代、主役争い、男性不信、過保護など肉体的、精神的苦痛を乗り越え、無事に”白鳥の湖”の主役を演じきることが出来るか現実と妄想の狭間で苦しみまくるナタリー・ポートマンの姿を観てください



 多々出てくる幻覚のシーンは、まだにダーレン・アロノフスキー監督の演出が冴えまくり。痛いシーンがたくさん出てきてとことんポートマンが追い詰められていく姿はまるで自分が痛めつけられている気にさえなる。ホラー映画が大好きで更にドMの体質の人には超お勧め
 人間は完璧を求めすぎるの良くないことがわかります。

 興味深いのが脇役たち。セクハラ監督を演じるヴァンサン・カッセル。彼の出演作品と言えばオーシャンズ12であのフランス人泥棒が有名だと思うが、個人的にはイースタン・プロミスがお勧め。それと嫁さんのモニカ・ベルッチと共演しているアレックスは衝撃度では超お勧め。本当にこの夫婦は馬鹿なんだなあとわかります

 他にはナタリー・ポートマンのお母さん役のバーバラ・ハーシー。彼女の若い時の作品としては宗教的問題作である最後の誘惑におけるマグダラのマリアを演じていたのが印象的。他にウディ・アレン監督のハンナとその姉妹は作品的にお勧め。

 そして僕の青春時代の大スターであったウィノナ・ライダー。しかし今回の役は彼女にアカデミー助演女優賞を個人的にはあげたかった。スターの座をナタリー・ポートマンに奪われて悲惨な目に遭ってしまう今回の役はシャレになっていません

 それにしてもダーレン・アロノフスキー監督の次回作品はどのような人間をテーマに描くのか、今から興味が尽きません

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