にほんブログ村 映画ブログ
人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします
ハリウッド映画を観ていると社会的流れを感じる時がある。1930年代~1950年代にかけてのハリウッド映画を観ていると男性を主人公にした作品ありきで、どれだけ大物女優が出演しても所詮は男優の相手役程度しか務まっていなかった。当時の男性優位の世界は何もハリウッド映画だけのことではなく、あらゆる社会において当てはまる。政治、社会、経済、労働など世界中の国おいて男性優位だった。しかし今やあらゆる社会において女性の進出が目立つ。個人的にはモットモット頑張れと応援している。
今やハリウッド映画においても男性を蹴飛ばして女性が大ハッスルする作品が多々ある。そんな女性が大活躍する映画の先駆的作品が今回紹介するジュリアこの映画にはマルタの鷹の原作者として有名なダシール・ハメットが登場するが、彼の扱いは相当小さい。ストーリーはダシール・ハメットと長年同棲していた女性作家のリリアン・ヘルマンと彼女の友人のジュリアとの女性同士の友情がストーリーのメイン
女性同士の友情を描いた映画といえば、テルマ&ルイーズやモンスターのような殆ど女性2人が一緒に出ずっぱりのような作品が多いが、今回紹介するジュリアはそのような友情映画とは少し異なる。友情とは長い時間を過ごすほど深くなる場合もあるが、出会った瞬間にビビッと来る時もあるようだ。
ヨーロッパ中にナチスの恐怖が吹き荒れる中、真の友情を描いたジュリアを紹介します
ジュリア [DVD] | |
ジェーン・フォンダ,ヴァネッサ・レッドグレーヴ,ジェイソン・ロバーズ,ハル・ホルブルック,マクシミリアン・シェル | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
1934年、リリアン・ヘルマン(ジェーン・フォンダ)はダシール・ハメット(ジェイソン・ロバーズ)と同棲していた。
リリアン(フォンダ)はデビュー作の執筆中だったが、なかなか思うように進まずイライラが募る。そんな彼女をダシール(ロバーズ)は優しく励ます。
リリアン(フォンダ)は幼馴染みの女性でジュリア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)のことを思い出していた。ジュリア(レッドグレイヴ)は裕福な家庭に生まれ育っていたが、彼女は何故かそんな境遇を嫌っていた。早くから自立した考えを持っていたジュリア(レッドグレイヴ)に対してリリアン(フォンダ)は憧れ、やがて2人は友情で結ばれていく。
リリアン(フォンダ)がオックスフォード大学に通っていた時、ジュリア(グレイヴ)はオーストリアのウィーンに移っていた。2人は常に連絡を取り合っていたが、やがてジュリア(グレイヴ)は反ナチ運動に関わるようになる。リリアン(フォンダ)はジュリア(グレイヴ)の動向を風の便りで知っていたが、仕事がはかどらないリリアン(フォンダ)はダシール(ロバーズ)のアドバイスもありパリへ行くことに。
しかし、パリでリリアン(フォンダ)はウィーンで労働階級者たちの暴動が起こり、その暴動にジュリア(グレイヴ)が巻き込まれたことを知る。早速リリアン(フォンダ)はジュリア(レッドグレイヴ)に会うためにウィーンに向かうが、リリアン(フォンダ)が目にしたジュリア(グレイヴ)は全身包帯姿で意識不明の重体
リリアン(フォンダ)が旅の疲れで眠ってしまった時に、ジュリア(グレイヴ)は何時の間にか病院を移されてしまっていた。仕方なくリリアン(フォンダ)はパリに戻ることに。
1935年、リリアン(フォンダ)はアメリカへ帰り、戯曲『子供の時間』を書き上げる。その作品はダシール(ロバーズ)のお墨付きもあり大ヒットし一躍リリアン(フォンダ)は時の人にそのことが切っ掛けで彼女はモスクワの演劇フェスティヴァルに招待される。
リリアン(フォンダ)はモスクワへ行く途中でパリに友人たちと一緒に寄るが、彼女の元に見知らぬ男であるヨハン(マクシミリアン・シェル)が近づいて来る。
ヨハン(シェル)がリリアン(フォンダ)に近づいてきた理由は、ベルリンに居るジュリア(レッドグレイヴ)の元へ5万ドルのお金を届けることリリアン(フォンダ)はジュリア(レッドグレイヴ)の全身包帯姿を見て以来、彼女の消息がわからなかったが彼女がベルリンに居ることに驚いた。
ジュリア(レッドグレイヴ)は今や反ナチ運動のリーダー格であり、その5万ドルでナチスに捕まった同士を助ける事が目的のお金だった。しかしリリアン(フォンダ)がナチスの目が厳しいベルリンに居るジュリア(レッドグレイヴ)に5万ドルを届けに行く事はあまりにも危険だった。
だが、リリアン(フォンダ)にとってジュリア(レッドグレイヴ)のために自分の命を賭けることに迷いは無い。リリアン(フォンダ)はパリからドイツのベルリンへ向かう列車に乗り込むが・・・見終わった後は虚無感が少々漂いますが、ぜひ映画を観て下さい
ナチスの行って来た残虐性のイメージもありベルリンへ向かうシーンなどはサスペンス感がありハラハラドキドキします。女性2人の友情に感動したという作品ではなく、友情の果ての切なさをズシリと感じることが出来る映画です。
ちなみに監督は真昼の決闘、わが命尽きるとも、地上(ここ)より永遠になど多くの名作を遺したフレッド・ジンネマン本当に彼の作品は西部劇、歴史劇、ヒューマン、サスペンスなど多彩な分野で傑作を残しているのが凄いです。他にも宗教とスペイン内戦を絡めたサスペンスの日曜日には鼠を殺せ、フランスのド・ゴール大統領暗殺を遂行しようとするヒットマンと馬鹿なフランス政府に足を引っ張られながらも難とか大統領を守ろうとする警視の対決を描いたジャッカルの日もお勧めです
そしてリリアン・ヘルマン役のジェーン・フォンダはチャイナ・シンドロームのレポーター役が印象的で、名優ヘンリー・フォンダの娘さん。あまりにも父親とそっくりなので笑ってしまいます。そしてフェミニズム的発言も目立つ人で今回の役はハマリ役だと思います。
ジュリア役のヴァネッサ・レッドグレイヴはミケランジェロ・アントニオーニ監督の欲望、ジェームズ・アイボリー監督のハワーズ・エンド、シドニー・ルメット監督のオリエント急行殺人事件等の名監督の作品や名作に出演している現在でもバリバリ活躍している名女優です。
にほんブログ村 映画ブログ
人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします