褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 白き処女地(1934) 伝統は大切です

2011年08月29日 | 映画(さ行)
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 そう言えばカナダの公用語は英語フランス語の2ヶ国語だった。ところがカナダ第2の都市モントリオールのあるケベック州はイギリス支配の影響を受けた他の州と違い、フランス人の入植者による歴史的背景もありフランス語のみが公用語だ。
 そのような歴史背景が重なりカナダの中でもケベック州は独自色が強く、この地域では1970年に過激な独立運動テロが起こったり、またそれ以降独立を求める住民投票もされている。

 そんなフランスの影響を受けているケベック州を舞台にした映画が今回紹介する白き処女地です実はこの映画は1934年製作の映画であるから、独立運動の側面はまるで見られない。逆に1600年初頭にケベック州に入植してきたフランス人たちが代々この地に築いてきた伝統、誇りが大いに見られる内容です。
 1930年代のフランス映画は名作が多く、特にこの時代の恋愛における男女の悲哀を描いた感動する映画がたくさんあるが、今回紹介する白き処女地もその中の1本です。

 カナダの大自然を背景に異なる文明、習慣を身に付けた男性3人と女性の恋愛、そしてケベック州の伝統、誇り、更に実は白人の植民地帝国主義がさりげなく描かれている白き処女地を紹介します

白き処女地 [DVD]
ジュリアン・デュヴィヴィエ
ジュネス企画


 カナダのケベックにおいて、川を住民たちが歌を歌いながら小船で下りていく。彼らは宗教を愛し、伝統を愛し、自然を愛し、フランス本国とは微妙?に違うフランス語を愛している。人里離れた森の中を開墾者として移住して暮らす父サミュエルとその一家が居る。母のローラは何も無い森の中で暮らすより、町に住んで教会に通いたかったが仕方なくサミュエルに従事する。息子の2人は父の仕事を手伝い、娘のマリヤ(マドレーヌ・ルノー)は母のローラと一緒に男たちの世話をする。

 サミュエルとマリヤ(ルノー)が町に出ているときに、狩猟をしていて、旅生活をしているフランソワ(ジャン・ギャバン)に出会う。彼らは3年ぶりに出会うがフランソワ(ギャバン)は美しくなったマリヤ(ルノー)に一目惚れする。

 フランソワ(ギャバン)はサミュエル一家の家に行くと、そこには同じ開墾者であり近くに住む純朴なギャニョンと言う男が居て彼は昔からマリヤ(ルノー)のことが好きだったが、ずっと彼女に告白出来ずにいた。ケベックで毎年行われる祭りの日に、フランスのパリから青年のロランゾがやって来る。なんとそのロランゾもマリヤ(ルノー)に対して一目ぼれ。
 マリヤは3人の男から好かれ、言い寄られる。

 3人の中からマリヤ(ルノー)が密かに選んだのはフランソワ(ギャバン)だった。フランソワ(ギャバン)は来年の春に再び戻ってくることをマリヤ(ルノー)に約束して夏の山の中へ仕事のために向かう。フランソワ(ギャバン)は今度こそお金を貯めて、旅生活に終止符を打ち、マリヤ(ルノー)と一緒に暮らすことを誓う。
 冬の山においてフランソワ(ギャバン)は春まで待ちきれずに、マリヤ(ルノー)に会うために山を降りようとするが・・・そしてマリヤ(ルノー)も願いを叶えるために神父の言いつけを守り、ひたすら祈りを繰り返すが願いは・・・、しかも母のローラは幻想を思い浮かべながら死んでしまい・・・悲しみを楽々と乗り越えさせてしまうケベックの凄さはぜひ映画を観てください



 映像的に実験精神に溢れているが、必ずしも効果的でないのが少し悲しいところ。しかし、充分にカナダの大自然の凄さは感じることが出来る。確かにケベックに住んでいるフランス系の人々に対する暖かい眼差しを感じるし、何の先入観も持たずに観ると大いに感動するし、キリスト教を信じる心の強さに惹かれたりする。
 しかし逆にこのケベックの土地にはフランス人が入植する以前から原住民が住んでいて、その原住民たちに行った残虐行為に対してはまるで反省の無いあたりはフランス人及び白人の想像力の限界です。

 ちなみに監督はフランスの名匠ジュリアン・デュヴィヴィエ多くの傑作を遺した監督ですが、特に望郷は本当に名作だと思います

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