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最近のハリウッド映画でちょっと流行っているのが世界終末ムービー。例えばザ・ロード、2012、アイ・アム・レジェンドなどなど。果たして人類滅亡の危機を思わせるような映画が量産されることはいったい何を意味するのか?今や日本を含めて世界中が不景気、失業者の増加、モラルの低下、拝金主義、格差社会、環境破壊など諸問題がてんこ盛り状態。特にその元凶となっているアメリカはもはや打つ手はなく、唯一国内の景気浮上対策として日本にTPP参加を強要するのみ
進むも地獄、退くも地獄のアメリカがまるで近い将来における自国の文明崩壊を予見し、そんな中でわずかな希望を見出そうとする映画が今回紹介するザ・ウォーカーです。戦争によってボロボロに文明が崩壊してしまった近未来において、ほとんど食料は無い代わりに人肉を食ってでも生き永らえようとする弱肉強食のサバイバルの時代。そんな暗黒の時代に、『とにかく本を持って西へ歩け』と天からの声が聞こえてきたと本気で思っている黒人の男が、この世に残った唯一のある一冊の本をとにかく大事に持ち歩いて30年間。いつの間にか超人的戦闘能力を身に付け、ひたすら西へ向かって歩いていく。
一方、水の利権を独り占めして新しく世界制覇を企む街の支配者はすでにある一冊の本を手に入れることの重要性を知っており、黒人の男がその本を持っていると知った時、街の支配者はその本を手に入れるために黒人の男を猛烈に追いかける。
善人、悪人が揃って欲しがるこの世にたった1冊だけ残った本の内容とは?また黒人の男は、しつこくて可愛いストーカー少女というお荷物まで背負うことになり無事に本を目的地まで届けることができるのか?名優デンゼル・ワシントンがマチェット(山刀)を振り回す感動的なシーンが見られる
確かにスタイリッシュなアクションシーンもみどころだが、ひたすらお気軽なアクション映画ではなく現代社会に対する非常に意味深なメッセージを読み取り、そして世界がガラガラポンになって破滅した後に救世主が誕生するキリスト的な宗教観を探っていく楽しみ方もできる非常に大人向けのアクション映画。しかも単に正義が悪を裁くといった展開ではなく、ちょっとだけ意外性のあるオチがあり、こういう終わり方も有りだよねと考えさせられるザ・ウォーカーを紹介します
ザ・ウォーカー [DVD] | |
デンゼル・ワシントン,ゲイリー・オールドマン,ミラ・クニス,レイ・スティーヴンソン,ジェニファー・ビールス | |
角川映画 |
ザ・ウォーカー [Blu-ray] | |
デンゼル・ワシントン,ゲイリー・オールドマン,ミラ・クニス | |
角川書店 |
戦争によって文明が滅んだ近未来のアメリカ大陸が舞台。世界に1つだけある本を持ってひたすら西に向かって歩く男イーライ(デンゼル・ワシントン)。そんな彼の行く手を阻もうとする無法者は多いが、イーライ(ワシントン)は自らの命は自分で守る。
イーライ(ワシントン)は水が汚染されていない街に到着する。その街はカーネギー(ゲイリー・オールドマン)が支配する街であり、カーネギー(オールドマン)は戦闘能力を持ったイーライ(ワシントン)をこの街に引きとめようとする。
カーネギー(オールドマン)は自らの野望を叶える手段として、世界に1つだけ存在する本を手に入れようと部下に探させていたのだが、その本をイーライ(ワシントン)が持っていることに気付き、この街を出て西へ向かうイーライ(ワシントン)を追跡するが・・・善人、悪人が揃って欲しがる本の内容とは?イーライ(ワシントン)が向かう西の果てには何があるのか?破滅してしまった世界に少しの希望を抱かせる結末は映画を観てください
暗い画調、意味深な台詞、スタイリッシュな銃撃戦などたくさんの見所があります。そしてちょっとだけ驚くオチを知った時、どのような感想を持つか?観る人によって納得度は大きく異なるか。平和を叶えるために宗教を信仰する者と、宗教を利用して独裁者の道をひた走る者の対立は昔からよくある展開ですが、極めて現代的な内容だと思います
監督はヒューズ兄弟。ジョニー・デップ主演のフロム・ヘルを撮っています。
ひたすら西へ歩く主人公のイーライを演じるのは黒人俳優として主演を演じる数少ないスターのデンゼル・ワシントン。南アフリカ共和国のアパルト政策下における黒人運動家を演じた遠い夜明け、南北戦争の北軍の黒人部隊を描いたグローリー、スパイク・リー監督のマルコムXなど名作多数。斬新なアクション映画のトニー・スコット監督のデジャヴはお勧め
街の支配者カーネギーを演じるのは、これまた名優のゲイリー・オールドマン。レオンやエア・フォースワンの悪役が強烈なイメージがありますが、蜘蛛女におけるちょっと可哀相な悪徳刑事の役も印象的です。
デンゼル・ワシントンに付きまとうソラーラを演じるのがミラ・キュニス。ブラック・スワンでのナタリー・ポートマンの友人兼ライバルの役が印象的です。
そしてソラーラの母親で、盲人の役を演じるのがジェニファー・ビールスだったというのは後で知って驚きました。彼女はフラッシュダンスの主演女優です。
他にもトム・ウェイツ、マイケル・ガンボン、マルコム・マクダウェルが出演しているようになかなかの豪華キャストです
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