褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 舞踏会の手帖(1937) ロマンチックなフランス映画

2024年12月26日 | 映画(は行)
 昔、好きだったあの人は今頃はどうしているんだろう?なんて懐かしむ気持ちが時々湧いてくる。しかし、現実を想像するとちょっと怖くなる想いをする映画が今回紹介する舞踏会の手帖。まあ俺みたいに50歳を超えても格好良さとユーモアを維持していれば良いのだが、だいたい俺が想像する50歳超えの男女というのはオッサンにオバハンで期待して会おうとするとショックを受けることが多々ありそうだ。
 本作はめちゃくちゃ古い映画であり、モノクロの映像。しかし、俺に言わせれば1930年代のフランス映画はサイコ~。哀歓を漂わせる雰囲気に引きずりこまれるのは、この時代のフランス映画ならでは。その中でも本作は人生の酸いも甘いも味わった大人の鑑賞にもってこいの作品だ。

 1人の女性に対して豪勢な男性が次々に登場するストーリーの紹介を。
 まだ36歳の年齢にして未亡人になってしまったクリスティーヌ(マリー・ベル)。夫との思い出の品を全部処分しようとしていたら、20年前の16歳で舞踏会デビューした時、自分に甘い言葉で言い寄ってきた男達の名前を記した手帖が出てくる。無駄にしか思えなかった結婚生活を脱して、今までの人生を取り返すために、手帳に載っている男達に片っ端から出会うために旅に出るのだが・・・

 クリスティーヌは7人?の男性と会うのだが、既に死んでいたり、ヤクザに落ちぶれていたり等で、古き良き思い出が幻滅するばかり。1人ぐらいは立派な人間になっていても良さそうなものだが。クリスティーヌに言い寄る男の殆どがロクな目に遭っていないことに笑ってしまいそうになったし、これではクリスティーヌはファムタールの典型に思えてしまう。実はクリスティーヌには自分に言い寄って来た男の中でも、最も気に入っていた男が居るのだが住所不明という設定。このまま会えないのかと思いきや最後の最後に一発逆転のチャンスが訪れるのだが、ネタ晴らしは避けよう。
 ノスタルジックな雰囲気が漂い、ワルツの音楽が優雅な印象を与える。そして、ペーソス溢れるロマンチックな展開が1930年代のフランス映画らしい気品が窺えるし、人生の哀歓が描かれているのが良い。高校生ぐらいでは、この映画の良さが理解できるとは思えないが、まだまだ褒めたりないぐらいの映画舞踏会の手帖を今回はお勧めに挙げておこう

 監督はフランス映画を代表し、多くの傑作を遺したジュリアン・デュヴィヴィエ。ジャン・ギャバン主演の望郷わが青春のマリアンヌ、犯罪映画の殺意の瞬間、コメディの陽気なドン・カミロなどがお勧め





 
 

 
 
 
 
 

 
 
 


 
 
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする