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よく西欧を舞台にした歴史映画が好きだという人がいるが、王様や貴族が身に付けている豪華な衣装と浮き世離れした生活ぶりに、普段では味わうことができない金持ちになった気分になるのが、その理由として挙げられるだろう。しかし、実際の王様たちの暮らしは見た目は豪華だが、おどろおどろしい話でいっぱいだ。毒殺、ギロチン、骨肉の争い、革命・・・。王様になっても、これでは心が休まる日がまるでない。いったい昔の俺は王様のどこに憧れていたのだろう?
そして、日本人から西欧諸国の歴史を調べてビックリするのが宗教戦争。宗教改革に端を発するカトリックとプロテスタントの対立だが、三十年戦争やら八十年戦争などネーミングそのままに長い期間対立し、多くの人が死んでいる。
そして今回紹介する映画王妃マルゴだが、三銃士などで知られるフランスの文豪アレクサンドル・デュマの同名小説の映画化であり、16世紀のフランスを舞台にした歴史映画。しかしながら、王室一家の謀殺ありの内輪もめ、カトリック側がプロテスタント側を大虐殺したサン・バルテルミの虐殺等、血が吹き飛ぶ地獄絵巻の様相と化している。金持ち気分になりたいと思って優雅に観ようとすると地雷を踏んでしまう映画だ。前述したように中世ヨーロッパの暗黒の歴史がわかった気分になれる映画だが、実は話のメインはタイトルが示しているように王妃マルゴ。血生臭いフランスの王室、フランスを二分するカトリックとプロテスタントの殺し合い。そんな殺伐とした世の中で王妃マルゴは、何を求めて生きていくのか、そして彼女の我々には理解できないような想像を絶する情熱はどこから来るのか
さて、王室という不自由な空間に縛られながらも、自らの欲望のままに生きることに従った王妃マルゴの生き様とは如何なるものだったのか。
カトリック側であるマルゴ(イザベル・アジャーニー)とプロテスタント側のナヴァール公アンリ(後のアンリ四世)(ダニエル・オートゥイユ)の結婚式が行われている。その周辺では彼らの結婚式を見ようと、カトリック、プロテスタントの両者の民衆で溢れかえっていた。しかし、これはあくまでも政略結婚であり、マルゴ(イザベル・アジャーニー)にとっては全く愛の無い結婚だった。
実はマルゴ(イザベル・アジャーニー)は王室から抜け出しては男漁りをする淫乱な女性。彼女には何人もの愛人がおり、兄弟とも姦通しているような気配が漂うようなドン引きするぐらいのエロ女。新婚初夜においても、夫であるアンリ(ダニエル・オートゥイユ)とは会おうともせず、愛人とベッドをともにしようとする。しかしながら、愛人から拒否されると、『新婚初夜にセックスができないなんて気が狂いそ~う』なんて叫びながら、仮面をつけて男漁りをしていたら、プロテスタント側の青年ラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)に一目惚れし愛しまくる。
その時、マルゴ(イザベル・アジャーニー)の兄であるシャルル九世(ジャン=ユーグ・アングラード)は国王であるが、実際の権力は母のカトリーヌ(ヴィルナ・リージ)に握られている。カトリーヌ(ヴィルナ・リージ)はシャルル九世(ジャン=ユーグ・アングラード)がプロテスタント側であるコリーニ提督(ジャン=クロード・ブリアリ )を父のように慕っていることに危機感を抱き、彼女はコリーニ提督(ジャン=クロード・ブリアリ )暗殺を企むが失敗に終わる。
プロテスタント側の復讐を恐れたカトリーヌ(ヴィルナ・リージ)はサン・バルテルミの虐殺を引き起こし、プロテスタントの人間を殺しまくる。大虐殺に巻き込まれたラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)が死に掛けているのをマルゴ(イザベル・アジャーニー)はコッソリと介抱してやっていた。
そしてその後、マルゴ(イザベル・アジャーニー)とラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)は誰にもばれないように密会を繰り返すのだが、カトリーヌ(ヴィルナ・リージ)の更なる謀略は、2人の運命を過酷な方向へ導いてしまうのだが・・・
前半のマルゴ(イザベル・アジャーニー)はまるでセックス依存症に見えて、かなりドン引きさせる。現在なら治療が必要なレベルで、ちょっと病院で診てもらった方がいいんじゃね~!?なんて思いながら見ていたのだが、次第にマルゴ(イザベル・アジャーニー)の熱い情熱が観ている我々に伝わってくる。決して彼女の行動は現代のモラルで考えると褒められたものではないが、何かと悲惨な事が付きまとう中世ヨーロッパの時代においては、彼女の生き方は真っ直ぐで感動する。それなのに、あの結末とは何たることか
登場人物では王妃マルゴ以外にも、現在においてもフランスで人気のあるアンリ四世が非常に興味深い人間として描かれている。常に命を狙われている状態なのだが、非常に処世術に優れていて、しぶとく生き残り、後々は名声を得ることになる。結局は彼も暗殺されてしまうのだが。
当時38歳だったイザベル・アジャーニーは本当に綺麗で、神秘的な美しさを感じる。本作でも大胆なエロシーンを演じてしまうなど気合いの入った演技を魅せる。他にも有名俳優多数でどこかこじんまりとした印象のあるフランスの映画だが、本作は金が掛っている事がよくわかる大作だ。
歴史映画が好きというよりも、チョッとハードな恋愛映画を観たい人には王妃マルゴはお勧めだ
主演のマルゴを演じるのがイザベル・アジャーニー。類稀なる美貌と演技力はフランス映画史上に残る大女優と言っても過言ではあるまい。彼女のお勧め作品はフランソワ・トリュフォー監督のアデルの恋の物語。この映画でも恋愛に情熱的な女性を演じています。他に出番は少ないですがライアン・オニール共演のザ・ドライバーの神秘的な女性が印象的で作品も超お勧め。
アンリ四世役でダニエル・オートゥイユ。フランスを代表する名優。彼の作品はお勧め多数。鬼才ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の八日目、パトリス・ルコント監督の橋の上の娘、コンドームが重要な役割を果たすコメディ映画メルシィ!人生、格好良い刑事映画あるいは裏切りという名の犬等がお勧め。
他にニキータやベティ・ブルー 愛と激情の日々で有名なジャン=ユーグ・アングラード、ヌーヴェルバーグの傑作いとこ同士で有名なジャン=クロード・ブリアリ 等が出演しています。
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そして、日本人から西欧諸国の歴史を調べてビックリするのが宗教戦争。宗教改革に端を発するカトリックとプロテスタントの対立だが、三十年戦争やら八十年戦争などネーミングそのままに長い期間対立し、多くの人が死んでいる。
そして今回紹介する映画王妃マルゴだが、三銃士などで知られるフランスの文豪アレクサンドル・デュマの同名小説の映画化であり、16世紀のフランスを舞台にした歴史映画。しかしながら、王室一家の謀殺ありの内輪もめ、カトリック側がプロテスタント側を大虐殺したサン・バルテルミの虐殺等、血が吹き飛ぶ地獄絵巻の様相と化している。金持ち気分になりたいと思って優雅に観ようとすると地雷を踏んでしまう映画だ。前述したように中世ヨーロッパの暗黒の歴史がわかった気分になれる映画だが、実は話のメインはタイトルが示しているように王妃マルゴ。血生臭いフランスの王室、フランスを二分するカトリックとプロテスタントの殺し合い。そんな殺伐とした世の中で王妃マルゴは、何を求めて生きていくのか、そして彼女の我々には理解できないような想像を絶する情熱はどこから来るのか
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さて、王室という不自由な空間に縛られながらも、自らの欲望のままに生きることに従った王妃マルゴの生き様とは如何なるものだったのか。
カトリック側であるマルゴ(イザベル・アジャーニー)とプロテスタント側のナヴァール公アンリ(後のアンリ四世)(ダニエル・オートゥイユ)の結婚式が行われている。その周辺では彼らの結婚式を見ようと、カトリック、プロテスタントの両者の民衆で溢れかえっていた。しかし、これはあくまでも政略結婚であり、マルゴ(イザベル・アジャーニー)にとっては全く愛の無い結婚だった。
実はマルゴ(イザベル・アジャーニー)は王室から抜け出しては男漁りをする淫乱な女性。彼女には何人もの愛人がおり、兄弟とも姦通しているような気配が漂うようなドン引きするぐらいのエロ女。新婚初夜においても、夫であるアンリ(ダニエル・オートゥイユ)とは会おうともせず、愛人とベッドをともにしようとする。しかしながら、愛人から拒否されると、『新婚初夜にセックスができないなんて気が狂いそ~う』なんて叫びながら、仮面をつけて男漁りをしていたら、プロテスタント側の青年ラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)に一目惚れし愛しまくる。
その時、マルゴ(イザベル・アジャーニー)の兄であるシャルル九世(ジャン=ユーグ・アングラード)は国王であるが、実際の権力は母のカトリーヌ(ヴィルナ・リージ)に握られている。カトリーヌ(ヴィルナ・リージ)はシャルル九世(ジャン=ユーグ・アングラード)がプロテスタント側であるコリーニ提督(ジャン=クロード・ブリアリ )を父のように慕っていることに危機感を抱き、彼女はコリーニ提督(ジャン=クロード・ブリアリ )暗殺を企むが失敗に終わる。
プロテスタント側の復讐を恐れたカトリーヌ(ヴィルナ・リージ)はサン・バルテルミの虐殺を引き起こし、プロテスタントの人間を殺しまくる。大虐殺に巻き込まれたラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)が死に掛けているのをマルゴ(イザベル・アジャーニー)はコッソリと介抱してやっていた。
そしてその後、マルゴ(イザベル・アジャーニー)とラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)は誰にもばれないように密会を繰り返すのだが、カトリーヌ(ヴィルナ・リージ)の更なる謀略は、2人の運命を過酷な方向へ導いてしまうのだが・・・
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前半のマルゴ(イザベル・アジャーニー)はまるでセックス依存症に見えて、かなりドン引きさせる。現在なら治療が必要なレベルで、ちょっと病院で診てもらった方がいいんじゃね~!?なんて思いながら見ていたのだが、次第にマルゴ(イザベル・アジャーニー)の熱い情熱が観ている我々に伝わってくる。決して彼女の行動は現代のモラルで考えると褒められたものではないが、何かと悲惨な事が付きまとう中世ヨーロッパの時代においては、彼女の生き方は真っ直ぐで感動する。それなのに、あの結末とは何たることか
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登場人物では王妃マルゴ以外にも、現在においてもフランスで人気のあるアンリ四世が非常に興味深い人間として描かれている。常に命を狙われている状態なのだが、非常に処世術に優れていて、しぶとく生き残り、後々は名声を得ることになる。結局は彼も暗殺されてしまうのだが。
当時38歳だったイザベル・アジャーニーは本当に綺麗で、神秘的な美しさを感じる。本作でも大胆なエロシーンを演じてしまうなど気合いの入った演技を魅せる。他にも有名俳優多数でどこかこじんまりとした印象のあるフランスの映画だが、本作は金が掛っている事がよくわかる大作だ。
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主演のマルゴを演じるのがイザベル・アジャーニー。類稀なる美貌と演技力はフランス映画史上に残る大女優と言っても過言ではあるまい。彼女のお勧め作品はフランソワ・トリュフォー監督のアデルの恋の物語。この映画でも恋愛に情熱的な女性を演じています。他に出番は少ないですがライアン・オニール共演のザ・ドライバーの神秘的な女性が印象的で作品も超お勧め。
アンリ四世役でダニエル・オートゥイユ。フランスを代表する名優。彼の作品はお勧め多数。鬼才ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の八日目、パトリス・ルコント監督の橋の上の娘、コンドームが重要な役割を果たすコメディ映画メルシィ!人生、格好良い刑事映画あるいは裏切りという名の犬等がお勧め。
他にニキータやベティ・ブルー 愛と激情の日々で有名なジャン=ユーグ・アングラード、ヌーヴェルバーグの傑作いとこ同士で有名なジャン=クロード・ブリアリ 等が出演しています。
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