褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 紅いコーリャン(1989) チャン・イーモウ監督のデビュー作です

2025年01月09日 | 映画(あ行)
 今や中国のみならずアジア映画界の巨匠として名を馳せるチャン・イーモウ監督。そんな彼がいきなりデビュー作で、その才能を世界に見せつけたのが今回紹介する映画紅いコーリャン。彼の作品の特徴として赤色を主とした強烈な色彩映像を挙げることができるだろう。その彼の個性が本作では全面に出ている。内容は前半は純朴な中国人が描かれているが、後半は怒涛の反日映画。思想がグルグルの左巻きの人は思わず手を叩いて喜びそうな内容だ。

 コーリャンを主原料にした美味しそうなお酒の作り方を学べるストーリーの紹介を。
 1930年代の中国の寒村において。若い少女である九児(コン・リー)が親子ほど年の離れておりハンセン病に罹っている造り酒屋の主人の元に売り飛ばされる。一旦故郷に帰る途中で山賊に襲われたかと思っていたら、実は造り酒屋で雇われている余占鰲(チアン・ウェン)であり、彼と結ばれてしまう。
 九児が造り酒屋に戻ってみると旦那は死亡しており、いきなり酒屋の主人の立場になってしまうのだが、いつのまにやら余占鰲と夫妻になっており、彼との間に子供豆官が生まれる。しばらくの間、銘酒が出来たおかげで酒屋も繁盛して幸せな日々を送るのだが、そこへ日本軍がやって来る・・・

 前半は砂漠みたいなシーンが出てきたりするが、コーリャン畑が壮大に広がっている様子が窺える。前半のストーリー展開は色々なエピソードがあるのだが、俺は銘酒が作られるエピソードに驚いた。登場人物たちは銘酒が偶然の賜物で出来あがった事に喜んでいたが、あんな酒は俺だったら飲めない。
 そして、本作が酷いのが日本軍の描き方。あんな残虐なことを日本人ができるわけがない。中国人の感覚をそのまま日本軍に持ち込んだような描き方。まあ、しょせん中国人が日本人を描こうとすると、あの程度になってしまうのだろう。そもそも日本軍がこんな人が少ない所に、人殺しをしに来るわけがない。
 しかし、本作が世界的に評価が高い理由は前述した赤色を基調とした色彩感覚。コーリャンで作った酒は赤色だし、最初に九児が嫁入りに来る時の衣装は赤色だし、流される血も赤色。そして、極めつけがラストシーンで太陽をとらえた映像。この演出は撮影監督出身のチャン・イーモウ監督の本領発揮といったところだろう。このラストシーンだけでも、本作は傑作なんだと思わせる。
 ストーリー的には大したことは無い割に、えらく日本のみならず世界的に評価が高い作品。もしかしたらこの映画の褒めるべき点を俺が見逃してしまっているのかと不安になっている。そもそもこんな反日映画が日本で評価が高い理由がわからなかった。とにかく最後まで見れば、なかなかインパクトのある映画を観たと思える、ということで今回は紅いコーリャンをお勧めに挙げておこう

 監督は前述したチャン・イーモウ監督。個人的には結構好きな監督。本作のような色彩感覚とドロドロの人間関係が楽しい紅夢、文化大革命の悲劇を描いた活きる、中国人の純朴さに感動する初恋のきた道、色彩感覚豊かなアクションが見れるHERO、骨肉の争いが楽しい王妃の紋章等、お勧め映画多数です






 




 

 

 

 

 



 
 



 
 
 

 

 
 

 
 

 
 
 
 

 
 
 
 

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2 コメント

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Unknown (けん)
2012-06-06 16:14:32
日本人として観ていて辛くなる作品でした。

チャン・イーモウは最初から天才でしたね☆
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けんさんへ (ディープインパクト)
2012-06-08 15:38:03
 将来大監督になる人はデビュー作から見せますね。チャン・イーモウ監督は好きなんですが、この映画は最低記録を更新しました。
 色々な場面で紅い色を使ってくるのが印象的でした。
 だけど日本軍の描き方が、最低記録の更新になったのですが、あんな民間人を撃ちまくるというのは日本人には無理だと思いました。
 これからも僕は日本人として堂々と生きていきます
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