作家の藤沢周平は、「お金を積まれても使いたくない言葉」として、「生き様」を挙げたという。ドラマの時代考証家から聞き、非常に印象に残っている。(この本の前書きから引用)
先ず、この本の前書きを読んで驚いた。<「様」という言葉は、様子、ていたらく、格好をののしっていう語>であり、「様をみろ」など醜態につけられるものであったと。ところがいつの間にか「生き様」という語が当然の如くいい意味に使われるようになった。上品な女性が、目上の人への賛美として堂々と使っている。(これ本書からの引用)
この本を読むにつれ、自分では正しいとと思って使っている言葉でも、「とんでもない誤りをしている」と気付くことが多かった。この本、読み始めたら面白くてやめられない。バラエティ番組で騒ぐ芸能人、そして政治家にしても誤った言葉の使い方が多いのに気がつく。この人たちの発言の影響力の大きさは計り知れない。「言葉の使われ方、意味は時代と共に変化する」、それは時代の変化、推移によってある程度仕方のないことかもしれない。しかし、やはり美しい日本語は是非、正しく使って欲しいものだ。
カネを積まれても使いたくない日本語 (朝日新書) | |
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