神戸MINTにある「モード和食WADA」に。ここは創作料理の若手no1、
和田裕城氏の最も新しい店。あべのHOOPを皮切りに、南堀江、名古屋、西梅田、金沢、神戸と店舗を増やし、このご時勢に快進撃を続けている。ランチメニューの中から、下から二番目に安い「ミントの城」というコースを食す。
前菜は「とろ湯葉」。小さなエッグ型の蓋物で出されスプーンで。
煮物は、広島菜真丈の葛仕立て碗。碗というかパスタ皿の如き。
山水の絵の入った大皿はインパクトと存在感あり。
これがタイトルになる、5種類のミクロ料理テクニカルタワースタイル。
造り、天ぷら、ブリ塩焼き、焚き合せ、生ハムサラダが頓水の如き小皿に乗って、ミント色のアクリルボードをらせん状に重ねたその上に、上へと昇華するが如く乗せられている。確かにおしゃべりに夢中な主婦客も、これが運ばれてくると一瞬会話をやめ、見惚れるだろう。
サプライズありの盛り付けである。
これをどうカメラに収めるかと考えていて、テーブルの湯のみをひっくり返した。浅蜊の炊き込みご飯、赤だし、香の物も運ばれてくる。
どう考えても、このまんまぢゃあ食べにくい。
サービスが「降ろして頂いても結構ですよ」とやってくれるが、小皿が居並ぶ姿は、なんだい、随分と普通ぢゃないか。
デザートのレアチーズケーキ、ラズベリーソース。女性の心をこれでグッと掴もうというところ。
おっさんの心が掴めたかどうか…そこはう~ん微妙ではある。料理はそれぞれ結構真っ当な味付けになっている。
ここをもう少しひねってくれるとありがたいのだけど。1890円では無理も言えないってとこかな。
料理の味でサプライズを持ってくるよりも、プレゼンテーションの仕方で客を驚かせようと考えているようだ。思わず写真を撮りたくなるような(どんどん撮って下さいという)、他の人に喋りたくなるような盛り付けを常に考えているという。そこんとこは非常に結構。「食はエンターテインメント」という和田氏の方向は決して間違っていないと思う。
でも、味でももっとびっくりさせて欲しい。創作的な京料理やフレンチ、イタリアンを震撼させて欲しい。和田さんまだ35歳、彼の作り上げるモード和食はまだ始まったばかりといえるだろう。