犬も歩けば観光客にあたる
近づきたくない東山
ここは清水、二年坂
路地を曲がれば空気が変わる
表の喧噪 うそのよう
この奥。その昔、つとに知られた洋食「つぼさか」の
お嬢さんが「洋食みしな」という店をひらく。
さらに、その奥。
暖簾が静かに揺れていた。
きつね丼とはおあげがのって、とじてあるんだっけ。
50円ちがいならきつね丼より、親子丼をたのむのが人情ってなもの。
だが、油揚げの方が原価がかかっていると亭主。京都らしいな。
他には、うどんが三種。
きつね・甘ぎつね・玉子とじ
これだけ。
きつねうどん
シンプルだが、旨い。近喜の油揚げ、九条葱。
京都では利尻昆布が好まれるが、ここでは道南羅臼昆布の
みみを使う。濃厚なだしが出る。
これが小松の真打! 中華そば
なつかしい支那そばをホーフツ、姿がいい。
豚骨・鶏がらとかつお昆布のダブルスープは香りよろしく、
チャーシューもけっこう。
かつて護国神社参道にあり、米朝師、枝雀師などが贔屓にした店。
あっという間にスープも飲み干した。
「味の小松」 東山区高台寺二年坂畔