Sergei Rachmaninov: Prelude in C sharp minor, Op. 3/2
とみのん先生がblogで紹介していた本の中で、とても気になっていたのが、これ!
『おやすみラフマニノフ』著者は中山七里さん。自分にとって、初めて読む作家さんです。音楽を題材にした小説が読みたいなぁ🎵と思っていた矢先のことでした~
小説は、いきなり時価2億円のチェロが密室であった保管室から忽然と消えた!という事件から幕が開きます。ストラディバリウス....って素人だけど、テレビか何かで耳にしたことがあるような…?
舞台は名古屋の愛知音大。実際に2018年に行った名古屋駅や名鉄なんて固有名詞が出てくると、猶更 親しみが沸きますねぇ。 名古屋の従妹も音大出身ですし。この小説、知ってるかなぁ?
私自身は音大のことは全く知らないものの、「へぇ~ 音大って、こんな感じなんだ~」と、ちょっとキャンパスライフを覗き見している気分。特に、個性が強く、全くまとまりのない4回生の選抜メンバーをコンサートマスターとして、まとめることとなった主人公、晶。明らかに彼に気があるチェロ奏者の初音との関係も進展するのか!? 驚きの人間関係が、最後に明らかになるのですが...
まずは、定期演奏会に向けて、バラバラな個性と音が、一つのハーモニー(苦笑)を作り上げていく過程に注目👀 なにせ事件との関わり、2億のチェロを盗んだ犯人は、音大内部にいる! もしかして隣で弾いている仲間かも…?って問題を抱えた上で、55人のオケが集まって練習するわけですから~
更には就職活動、将来の見通しについても、重くのしかかる... 「選ばれたほんの一握りの人間だけが音楽で食べていける」とは、よく世間一般的に言われることではありますが、誰もが落ち着かない問題を抱えた上で、演奏会を迎える...
臨時講師の岬先生(男性ピアニスト)が、誰よりも魅力的ですわ~💕
それより何より、実際に音が聴こえない活字を読んでいるのに、音が聴こえてくるかのような作家の描写が見事としか言いようがないです。いきなりベートーヴェンの『皇帝』が作品中のコンサート会場で演奏されますが、音源を実際に聴きたくなりました。
今回は、タイトルにもあるように、私が好きなラフマニノフなので、作品中にも出てくる『鐘』のYoutube動画をリンクしてみました。
色々なピアニストや素人(?)さんが弾いている鐘を聴いた訳ですが、弾く人によって、雰囲気が違いますねぇ。やんわり、やさしく弾いている『鐘』もありましたが、イメージ的には ロシア正教会の鐘が、重々しくバーン、バーン、、、、と鳴り響くような、力強い出だしがいいな~と。遂、カラマーゾフの兄弟を思い出してしまいました。皇帝の命が何度も狙われる、トルストイやドストエフスキーが生きた時代のロシアですねぇ。嵐が吹き荒れるロシアを連想させる、『鐘』 是非、読書のお供にラフマニノフの音楽もどうぞ~🎶