日々のあれこれ

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遠い山なみの光 カズオ・イシグロ

2021-07-23 07:42:04 | 読書

 カズオ・イシグロ。 その名は、ノーベル文学賞を受賞したことで初めて知ったわけですが、偶然、図書館で彼の書籍が目に留まり、読んでみました。読み終わってからすでに1か月近くが経過しており、本も当然、手元にはありません。なので、印象だけを述べてしまうことになると思います。

 全体的に、会話文が多く、とても読みやすいです。英語からの翻訳で、ここまで読みやすいのは、翻訳家の力もあると思いますが、当然、作者であるカズオ・イシグロさんが、ヘミングウェイ・タイプだから? 遂、これもあれもと情報提供しがち。会話文だけで、主人公たちが置かれた境遇等を悟らせる! また、夢診断のフーコーじゃないけれど、対話で自分自身の心の奥底に隠れた疑問や不安を浮き彫りにする… 見事じゃないですか!

 ただ、日本人女性は、特に戦前の日本人は、ここまで露骨に、

「いいのよ、何でも知りたいことを質問して。あなた本当は羨ましいのでしょう」

みたいなことは言わないなぁ。悦子と母娘との、かみ合わない会話も、一般的には ”心の中のつぶやき” であることが多いと思う、そこを会話で聴かされる読者である私。ここだけが少し違和感がありました。

 

 カズオ・イシグロさんは、日本語は全く読み書き出来ないようです。どうして両親は教えておかなかったのだろう。いくら子供の頃、海外へ移住し、そこで暮らしたとしても、母国語、自分のルーツである言語を知らないでいるなんて、自分には堪えられません。絶対に、親に教えてくれ!というと思うなぁ。せめて日本から取り寄せた本でも与えていれば…余計なお世話でした。

 英文学として、原作を読むのであれば、違う印象を受けたのでしょうね。つい、日本人と思うからいけないのか。

 この本を読んで、思い出した本があります。

自宅の本棚から、探してみました。 ハリーポッターシリーズや、ソフィーの世界、シドニー・シェルダン、「地球の歩き方」オーストラリア編とバリ・インドネシ編も! 現地で大活躍でした~ 眺めるだけでも旅した気分が味わえるので、このシリーズ好きです。今も出版されているのかな。

 横道に逸れてしまいましたが、日本の芸者について書かれた小説。

 これは映画化もされ、オーストラリアの映画館でも観ました。主役はYuki Saitoh 見事な英語でビックリしたっけ。芸者の世界は知らないものの、芸者さんが読めば、ちょっと違和感な所もありそう。自分も当時、そのように感じた部分もあったと思うのです。でも、英語だから気にならない... 

 イシグロ氏の小説も、同じなのかな、と。英米文学として評価され、ノーベル文学賞を受賞。そう思わなければ、現代の日本にだって、石田衣良さんや林真理子さんを始め、ノーベル文学賞受賞にふさわしい日本人作家、いくらでもいるのに...と思ってしまいまして。何も村上春樹氏だけじゃないわ~と。

 ほんとは、これを読み直してから、感想を書こうと思っていましたが、どうも時間を取れそうにないので。

Comments (14)
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