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日本遺族通信 平成21年9月15日号の遺書と九段短歌

2009年09月26日 20時17分26秒 | 日本遺族通信

              
                 平成21年9月靖国神社社頭に掲示された遺書 合掌
 愈ゝ(いよいよ)皇国に殉ずる機、到来す。
と書き始められた遺書に涙が溢れます。何故こんな惨い事に  戦後64年経た今も遺族の悲しみは失せることはありません。
奥様に宛てた最後の 
  はゝを立てわが子培ふ誠こそ男(お)の子にまさる大和なでしこ
                                      閘北総攻撃に際して 庄平
  たか子どの
お子さま、そして母親を頼むと言い残して散華された尊い命、残念です。 心からご冥福をお祈り申し上げます。

私達遺族は残された者として散華された多くの英霊に追悼の誠を捧げ、後世に語り継ぐ使命を担い、悲しみを歌に詠んでおります。
今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられましたのでご紹介させて頂きます。

    忘る事多くなりしに過ぎし日の昔の戦よくおぼえをり       米子市 女性
    残されし父の声あり10枚の軍事郵便母と眠りし         甲州市 女性
    共に夫をいくさに逝かしし病む友の背さすりやれば寝息もれくる  横手市 女性
    群青の空の彼方に今もなほ轟けるB29の黒き残像        青森県 女性
    平戸つつじ花咲く日々は父恋し好みて歌に父は詠みたり      大阪市 女性
    戦時中飛行場ありき原町のはるか上空旅客機行き通ふ      南相馬市 男性
    ああ壮絶国に殉じし若者の真実の声断腸の叫び          篠山市    男性
    夏菊の咲き始めたりベランダに黄の一花父母に手向ける     名古屋市 女性
    靖国の兄へ一度はと思ひしが母は天國へと夢は叶はず         長野県 男性
    夫逝きて六〇余年もその言葉昨日のやうに吾むねゆらす        常滑市 妻
    飢餓に死す兵を慰さむ献穀のこころ受けつぐ人等老いたり     常滑市 女性
    戦争の傷跡深しわれら今語り継ぎゆくも父は還らず        千葉市 私

私事ですが、短歌を始めましたのは、レイテ湾に眠っております父の慰霊巡拝に参りまして後、父が恋しく  に書き留め、佳き先生のご縁を頂く機会に恵まれて今日に至っております。
平成16年10月15日号に初めて 過去の日のありて今在る幸せを思ひて八月武道館にあり を掲載して頂きましてから、この9月号で満5年を迎え、50首目を掲載して頂くことができました。
未熟な歌ですが、貴重な紙面に年間10回の掲載に励みを頂いて参りました。
このページは多くの皆様にご覧頂いております事に感謝を申し上げております。
今後も次の目標に向けて努力をして参りたく存じます。

コメント (2)
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