NHK全国短歌大会 大賞3人決定 4歳から100歳までの2万首余から
短歌の愛好家から寄せられたすぐれた作品を紹介する「NHK全国短歌大会」が東京・渋谷のNHKホールで開かれました。
25回目を迎えたこの大会はNHKとNHK学園が毎年開いていて、ことしは4歳から100歳までの作品合わせて2万首余りが寄せられ、この中から3人の短歌が大賞に選ばれました。
尚、第26回NHK全国大会のお題は「出」です。
和歌山県の小山睦美さん(77)の歌、「水のドア何度も開ける平泳ぎ別の私がいそうな気がして」
苦手な平泳ぎで水をかいているうちに抱いた自分探しをしている感覚を詠んだもので、泳ぎの手の動きをうまく捉えたことで生まれた自然な表現が評価されました。
大分県の梅鶏さん(47)の歌、「泣き声がロビーに響く嗚呼これは私を父にするファンファーレ」
子どもの誕生に立ち会った際、待ち合いロビーで聞いた産声を思い出して詠んだものです。
産声が聞こえたときの思いを、自分なりの表現に言いかえて特別な感激として表した点が評価されました。
大阪府の瀬川幸子さん(81)の歌、「新三田行きに乗れども新三田見ることはなし未来のごとく」
いつも利用する駅のホームで行ったことがない終点のことをふと想像して詠みました。
なにげない日常から、「未来」はまだ見たことがなく、終点まで行くこともないというおもしろさを見いだした点が評価されました。
近藤芳美賞(新作15首部門)
「百万羽の音」 茨城県 鈴木れい子様
三度目の鶏(とり)インフルの報せあり明日より緊急動員という
わずかなる餌を啄むにわとりの百万羽の音あすは消えなん
ひたひたと夕闇迫りてのひらの芯につめたき空気まとえり
処分へと向かう途中に零れおり白き羽毛がふわんふわんと
数滴の血液混ざり込むような月夜に鶏の処分始まる
水を飲む鶏のあいだを抜けながら鶏を籠めたるケージを運ぶ
健康な鶏もまとめて殺さるる濃厚接触させし挙げ句に
ガス室を前に鶏らの仰ぐ空 生まれてはじめて見る大空か
鶏たちの安楽死とはほど遠しガスを浴びても死ねぬ者居て
出来立ての鶏のなきがら放るとき微かにきゅっと啼き声を聴く
丹頂は手厚く処置をされていた鶏の処分をしている時も
吐く息が数日鶏の匂いせりひと夜鶏舎に作業ののちの
朝夕と巨大鶏舎に無精卵生み続けいし生をおもえり
鶏卵の高値ばかりを世の中は報じていたり梅の散る頃
からっぽの鶏舎に再度あらたなる鶏の飼われる準備はじまる
今までは画像フォルダに写真を取り込むことができましたが、急にできなくなってしまい困惑しております。私だけでしょうか?とても残念です。ネットより一部を転載してご紹介させて頂きました。
近藤芳美賞に推挙されました「百万羽の音」 茨城県 鈴木れい子様 の作品は現実に襲われました哀しみを覚えながら拝読させて頂きました。
昨年、第24回短歌大会は「自由題」の部に 紙切れとなりし国債を見る母の無念の面が今も顕ちくる ・ 毬栗(いがくり)の向きを定めて絵手紙に卒寿の友は今日も筆執る の2首が入選3404首の
中に 加えて頂きましたが今年度、第25回短歌大会は残念!全敗でした。