明日の土曜日、上毛野はにわの里公園で「はにわ祭」があるので
予備知識を得る為に埴輪群を見学してきた。
榛名山の東南麓一帯は関東古墳文化の中核と言われて来た。五世紀の
後半頃、山麓地帯を統治した累代の首長たちは三つ寺付近を拠点と
していたらしいが、その死後は至近距離の「保渡田古墳群」に埋葬され
たらしい。その古墳群の一つが、この「保渡田八幡塚古墳」である。
この古墳の発掘の最初は1929年、その際に東南部と西部から人物や
動物埴輪が発掘された。特に南東部の「A区」が保存状態が良く
「11 m X 4m」の区域に54体の人物・動物・器財埴輪が配置されている。
現在の展示物はその発掘のままに再現された模造品で法則性も保たれている。
推定では古墳の建造から暫く経過した六世紀の始めの榛名山大噴火の時、
この地域を火砕流・泥流が襲い埴輪たちの下半部を覆って固定してしまった。
この為に埴輪は1500年の時を経て昭和の初期まで当初の状態をとどめたのだ。
折角の昭和初期の労作は戦時体制の為に中断、埴輪も分散してしまう。それが
復活したのが1989年からの町史編纂事業と1993年の古墳整備事業。
レプリカ配置図 配置を七つのブロックに分ける解釈図。
「飛鳥博物館編・埴輪群像の考古学」若狭徹氏執筆文より
西側から見た全体像54体、但しその内の17体は「基部」のみで
役割不詳。多分土石流で固定された基部のみしか発掘されなかった
のだろう。基部の表現はボーリングのピン状で置かれている。
ブロックⅠ 対座する倚座の男女と壷
中心は椅子に座って杯を差し出す女性と相対する四人の男性。左端の
男性は琴を持っているので「琴弾人」。「水の祭祀」と推定されている。
女性はこの姿。
三人の男性のうち、右手を出している真中の人は王冠被っているので
オ偉いさんで中心人物だろう。
両側の二人は「頭成り」の帽子でフツーの首長風情。
椅子の女性の隣に半身の「奉仕する女性」
前後に壷が二つ、高い台と低い台のもの。
ブロックⅡ 鳥の列と人物
鶏が雌雄一対?
水鳥が六羽、西を向いて一列に。前三羽は大形、後三羽がやや小型。
その斜め後に鷹を腕に止まらせた双脚の人物埴輪。足に鈴付きの
紐が付いている。
ブロックⅢ 猪狩りの場面
猪(左)と犬が睨み合い。体型が似ているが猪には牙があり、両者の
尻尾の形も工夫されている。
その後に弓矢を持つ人物埴輪
その腰には「猪形」が付いている。狩人が猪の形代を所持して
行う極めて呪性の強い狩猟を表しているとの事。
ブロックⅣ 鵜飼の場面
鈴付き飾り紐を付けられた鵜が一羽。鵜飼が古代からの漁労であった
事の証拠だか、ここでは三つ寺辺の湧水と川を堰き止めた濠を使った
権力者による儀礼的な鵜飼。
その脇に四体の人物基部だが役割不明。若しかすると鵜飼関係の人?
ブロックⅤ 財物の列
東西に長い列を作っている。先頭は盛装した男子、鈴つきの足飾り。
その次は双脚の武人。
後に甲冑形の武人が二人
その横に所作不明の人物基部が三体。
大形の飾り馬が三頭と馬曳が一人。
その後に小型馬が二体。裸馬の感じ。
最後尾は角の様子から雄鹿。
ブロックⅥ 半身人物群
壷を持った人物像。
倭風の太刀を持つ武人。
倭風の太刀とは近くで見るとこんな物。
所作不明五体。
ブロックⅦ 武人と力士
力士とその後の武人。
力士の前にもう一人の武人。所作不明基部一体。
基部に二種類あるが紐付きと無しとの区分が判らない。男女別?
以上で全てをチェック完了。明日を待つ。
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予備知識を得る為に埴輪群を見学してきた。
榛名山の東南麓一帯は関東古墳文化の中核と言われて来た。五世紀の
後半頃、山麓地帯を統治した累代の首長たちは三つ寺付近を拠点と
していたらしいが、その死後は至近距離の「保渡田古墳群」に埋葬され
たらしい。その古墳群の一つが、この「保渡田八幡塚古墳」である。
この古墳の発掘の最初は1929年、その際に東南部と西部から人物や
動物埴輪が発掘された。特に南東部の「A区」が保存状態が良く
「11 m X 4m」の区域に54体の人物・動物・器財埴輪が配置されている。
現在の展示物はその発掘のままに再現された模造品で法則性も保たれている。
推定では古墳の建造から暫く経過した六世紀の始めの榛名山大噴火の時、
この地域を火砕流・泥流が襲い埴輪たちの下半部を覆って固定してしまった。
この為に埴輪は1500年の時を経て昭和の初期まで当初の状態をとどめたのだ。
折角の昭和初期の労作は戦時体制の為に中断、埴輪も分散してしまう。それが
復活したのが1989年からの町史編纂事業と1993年の古墳整備事業。
レプリカ配置図 配置を七つのブロックに分ける解釈図。
「飛鳥博物館編・埴輪群像の考古学」若狭徹氏執筆文より
西側から見た全体像54体、但しその内の17体は「基部」のみで
役割不詳。多分土石流で固定された基部のみしか発掘されなかった
のだろう。基部の表現はボーリングのピン状で置かれている。
ブロックⅠ 対座する倚座の男女と壷
中心は椅子に座って杯を差し出す女性と相対する四人の男性。左端の
男性は琴を持っているので「琴弾人」。「水の祭祀」と推定されている。
女性はこの姿。
三人の男性のうち、右手を出している真中の人は王冠被っているので
オ偉いさんで中心人物だろう。
両側の二人は「頭成り」の帽子でフツーの首長風情。
椅子の女性の隣に半身の「奉仕する女性」
前後に壷が二つ、高い台と低い台のもの。
ブロックⅡ 鳥の列と人物
鶏が雌雄一対?
水鳥が六羽、西を向いて一列に。前三羽は大形、後三羽がやや小型。
その斜め後に鷹を腕に止まらせた双脚の人物埴輪。足に鈴付きの
紐が付いている。
ブロックⅢ 猪狩りの場面
猪(左)と犬が睨み合い。体型が似ているが猪には牙があり、両者の
尻尾の形も工夫されている。
その後に弓矢を持つ人物埴輪
その腰には「猪形」が付いている。狩人が猪の形代を所持して
行う極めて呪性の強い狩猟を表しているとの事。
ブロックⅣ 鵜飼の場面
鈴付き飾り紐を付けられた鵜が一羽。鵜飼が古代からの漁労であった
事の証拠だか、ここでは三つ寺辺の湧水と川を堰き止めた濠を使った
権力者による儀礼的な鵜飼。
その脇に四体の人物基部だが役割不明。若しかすると鵜飼関係の人?
ブロックⅤ 財物の列
東西に長い列を作っている。先頭は盛装した男子、鈴つきの足飾り。
その次は双脚の武人。
後に甲冑形の武人が二人
その横に所作不明の人物基部が三体。
大形の飾り馬が三頭と馬曳が一人。
その後に小型馬が二体。裸馬の感じ。
最後尾は角の様子から雄鹿。
ブロックⅥ 半身人物群
壷を持った人物像。
倭風の太刀を持つ武人。
倭風の太刀とは近くで見るとこんな物。
所作不明五体。
ブロックⅦ 武人と力士
力士とその後の武人。
力士の前にもう一人の武人。所作不明基部一体。
基部に二種類あるが紐付きと無しとの区分が判らない。男女別?
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