汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

揺籃

2015年01月16日 | 奇想の詩
揺籃に揺られ そっと目を閉じる
穏やかな 時の流れの 一瞬の風を 感じたから
返す波に 想いを届けよう
古の海に 流れる この憂鬱を

遥か彼方に 満ちる 温かな海水
色付く海藻の揺らめきに 胸はときめき
もっと深い場所へ より大きな源へと
惹き込まれる 螺旋を描く魚の陰に 隠されて
何処までも落ちて行く

此処は 満ち足りた あなたの揺籃
締め付けられた胸の 高鳴りに 心は満たされて
静寂の夢の中へと 何処までも 微睡む
もう戻れない ざわめく気泡に 映る瞳の色
涙が溢れ 少しずつ途絶えて行く 意識の明かり

波は穏やかに 満たされた心を 流して行く
遠退く意識の狭間に見た 鮮やかな海の光に照らされた
揺籃を遺したまま
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断罪の刻

2015年01月16日 | 奇想の詩
地に落ちる 羽のように 螺旋を描く 鴉
焦げた身体の 哀愁に 雨は降りしきる
掴もうともがき 散って逝った 花の薫り

太陽の凋落 繋いだ手に 涙の線が滴る
寂しげに微笑んで見せる 古びた写真
その瞳の奥 鮮やかな色彩を映して 壊れて行く
一瞬の想い出さえも 炎に焼かれ 朽ち果てる

冷たくなった身体に 打ち付ける雨
断罪の刻 彷徨い続ける 亡骸の群れは
光に包まれ やがて消滅する 宿命
雨に打たれ 匂い立つ
破壊された歴史の死臭
総べてを呑み込み 薙ぎ払い
炎に焼かれ 逃げ惑う 断罪の刻
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