汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

白濁の時間

2015年05月29日 | 奇想の詩
喪ったものは たくさんの気泡に揺れて 水面を目指す
流れ去る幾つもの 影達が 花を手向けて この世界を去って行く
ここは夢の淵に咲く花がある場所

泳ぎ疲れた 身体は白濁の時間に 果てて
留めどなく 溢れる気泡は 夢の痕を象る

生きた痕跡を 遺したいと 手を伸ばして
最期の時を 優雅に 待っている
時間の寸断された 潜在意識の更なる奥地へと 流れ着く

この手を離さないで
わずかに遺る体温に触れたいと
あらゆる記憶が この身体にまとわりついて
残り少ない意識の 息の根を締め付ける

あとわずかな 時間を 流れて
行き着く先は 刹那の楽園へと
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虚ろな現実の流れ

2015年05月29日 | 奇想の詩

眠れる 夢は果てた 月の輝く夜に 慟哭が聴こえる
喚き散らし その醜い声が掠れるまで 泣けばいい
熱くなる身体 目の前の理想に 踊らされて 自我は掻き消えて
手を前に突き出し 行く宛のない 闇を彷徨う

穏やかな死は 開放すらをも意味しない
欲望と怨嗟が限り無く拡がる 宇宙の法則に則り
愛は罪と一緒に 融解して行くだけ

どろどろに溶けた顔が 醜く歪み 声だけが響く
虚ろな 現実の流れが すぐそこまで 忍び寄っては
その腐った顔を 貪り食う
赤く爛れた 皮膚から 流れ出る血

この手を握るあなたは 黄昏の人 それは暗黙の影
その声は 吹き出して 助けを求めるだろう
熔けた夕空が 身体の中に襲いかかる
壮麗な 命の鼓動が 揺れて 歪めた顔を その哀で埋め尽くす
欲望に絡められた 脳髄に 流れ込む 戦火の怒号を
いつまでもその夢にしがみついたまま
焼け焦げた 身体は 小さく丸まったままで
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果てのない夢

2015年05月29日 | 奇想の詩
小さく揺れる 子供の頃に流した涙は この宇宙を渡る
意志の無い 希望 闇を裂く光は 古の夢を崩壊させた
願いをかけて 明日の歌でさえも この場所には必要無い
欲望に絡められた その指は やがて大切なあなたを絡め 絞め殺す
小さきあなたは まだ夢の中を遊覧する
水面に顕れる 模様 それはあなたの願いと共に 潰えるだろう
果てのない 夢へと
様々な憶測が 限りの無い 未来へと羽ばたく時が来るのなら
この手の中で眠る 生命は やがて凄惨な世界へと目覚めるだろう
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