汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

感情の海

2015年05月31日 | 奇想の詩

遠くこだまする 不可思議な 月の輪郭
その線に沿って 流れ出る血 それは月夜の動揺
受け止められないままの愛 鬱蒼とした表情に指す月明かり
艶やかなる 夢の果てへと 消える定めにて
この生命は 燃え尽きて 灰になる

この夢の続きは 遠い日の面影の中で 揺らめく
運命の悪戯に 翻弄された 夜に
その唇を奪うのは 愛らしい姿の 操り人形

感情の海に呑まれる きらびやかな月明かりが
幻想の海原を照らし 魚の群れが散乱して行く
深海の静けさのような 哀の言葉を遺して
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終わりと始まり

2015年05月31日 | 奇想の詩

宛の無い旅に 足を絡められた 綻ぶ月と太陽の下で
繰り広げられる 醒めないままの 夢の螺旋を
永久に拡がる 記憶は催眠に掛かったように 墜ちていく

醒めないままの夢 鮮やかなる死相のくゆる寝顔
静寂の流れるまま この身は 穏やかに
終わりと始まり 互いに絡まりながら その瞳を閉じる
目の前の世界の 壮麗な微睡みは 焔の中で微笑む 人影

何も無い この場所で 独り
水面を埋め尽くす 花弁 それはいつしか見た夢の残骸
言葉になる前に その想いは 風に消え

音も無く 終焉の刻は 背後に忍び寄る
鐘の音が鳴り響き 時間が歪み 安楽の吐息が漏れる
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河を下る舟

2015年05月31日 | 奇想の詩
河を下る 一滴の涙 歩み出す その先へと
輝かしい 陽のあたる 水面は孤独の灯火
その瞳の流れる あの場所に 咲く花の 甘い薫り
船は行く あの丘に 咲き乱れるコスモスのざわめきは
命のさざめく 悠遠なる 導きの 理

降り出した 雨に打たれ 心もとなく 沈む
遊覧する 葉の流れ行く その先へ 満ち溢れる その涙は
まだ見ぬ 優しき空への 悔恨の時雨
覚束ない手先に そっと問い掛けるように 口づける
淡い炎の揺れる 鮮やかなる 愛に その眼を潤ませるのなら
この身は 何処までも飛翔して行くだろう

鮮やかな 恋の行方を 宇宙に浮かぶ 夢に託した
小舟は 流れ着く 大地の遥かな 安らぎを求めて
ただ居ること それだけが この世界に生きるという奇跡
さり気ない 言葉の掛け合いを 愉しむ
わずかな 吐息が 朧な月影の線に重なる時
この手に満ちる優しさは 涙の冷たさと 何処までも融解していくだろう
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