汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

響音の滲む空に

2016年06月01日 | 奇想の詩
ひらひらと零れ落ちる花弁
漆黒の空 歪な響音を滲ませて 今に開花のその瞬間を待っている

後ろを振り向けば あなたの嗤う黒い姿
鎮まり返る空に ひらひらと拡がる花弁

ずっと眠って居たい
響音に馴染ませたこの耳が その内奥まで 侵食されてしまうから

あなたの黒い姿が この眼に染み付いて 離れて行かない
後ろを振り向けば そこには 死んだあなたの嗤う姿が浮かぶ

もう二度と 触れないで
鎮まり返る背後に蠢めく この世に無い筈のあなたが泣いている

ねえ 聴こえる
清風が吹き渡る あの空に ひらひらと散って行く花弁の聲が

もう二度と産まれる事も無い
やがて花弁は ひらひらと沈んで行く

眠ったままの表情は とても綺麗で
いつまでも こうして居たかった

後ろを振り向けば あなたはもうそこには居ない

そして聴こえる
二度と生まれ変わる事も無い ひらひらと沈む聲が

ずっと眠って居たかった
こうしてあなたの嗤う聲が滲む あの暗い空で

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