汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

幽かに揺れる花々の香りに

2016年06月16日 | 愛の詩
幽かに揺れる 花々の甘い香り
渇いたこの世界の空白を埋める
あなたのその指の優しさに
すべてが包まれてしまいそう

悲しみを湛えたその眼差しを
どうか隠さないで

風に舞った 花びら
それは群青の宇宙に 儚く散って行く 悲しい定め
その優しき姿が 厚く湿った唇に重なり
どうやら醒めない永遠の夢へと
堕とされてしまったみたい

流れ落ちるあなたの甘い涙に 絆されて
感じ合う心の隅々にまで 絡まってしまった糸
それはもがけばもがく程に きつくもつれて
深く求め合ったまま 離れない

融け合う最中に 溢れる感情
その染み渡る群青の海に あなたの瞳が覗き
熱くなった身体の自由をさらに奪う

その深い宇宙を見つめる瞳は
いつまでも優しさに満ちていたから
ずっと幸せだった

まだ この温もりからは 醒めたくない
いずれ何もかもが 虚ろな夢の澱に墜えて行くのなら
どうして あなたを求めてしまったのだろう

消えかけた花々の甘い輝きに
どこまでも自惚れて居たいから
この星の輝く夜空の下で 抱き締めたままでいて

ねえ その指の奏でる 曖昧な感覚が心地良いから
ずっと触れていて欲しかった
いずれすべての時間が 終わってしまう
その瞬間までは

だんだんと時間の感覚が退化していく最中
色褪せて行く景色の渦中で 小さく泣いていた

この冷たい手を ずっと握り締めていて欲しかった
あなたと触れ合う 心地の良い穏やかな時間も
いずれ過ぎ去ってしまうのなら

流れる花びらの群れに包まれて
あの群青の宇宙へと 永遠に染み渡って行く
あなたの姿を ただ目で追っていた

やがて一人となり
吹き抜ける冷たい風に 身を屈めた

あの時間の果てに散って行く 宿命に
小さな花々の影は それでも輝いて
甘く切ない香りに包まれながら 命果ててしまう

だからその冷たい指で もっと触れて欲しかった
脳裏に浮かぶ あの時の温もり そして切なさが
この世界の空白を 優しい色彩に染めてくれるから

すべてが終焉の時を迎えて
一人 感情の海を彷徨っている
この眼に浮かぶ涙 その淡く色づく残像に
もう一度 触れたくて
あの群青の宇宙へと冷たく沈んで行く
あなたの身体を抱き締めた
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