健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

母乳育児が成人後の心臓疾患を予防する

2014-05-14 08:30:27 | 研究
先日、非常に興味深い記事を見つけました。出生体重が低かった人と、母乳を与えられていた期間の短かった人は、心臓疾患と関連性のある慢性の炎症を成人後に発症する可能性が高くなるとの研究が成果が報告されたそうです(AFPBB NEWS)。研究対象となった7000人近くの大半で、出生体重または母乳育児期間と、若年成人になった後の「C反応性タンパク」の血中濃度の高さとに関連性があったというもの。CRPは肝臓で生成されるタンパク質で、炎症が起きると濃度が上がるため、その濃度は炎症の指標となります。出生体重が1ポンド(約454グラム)増えるごとに、CRP濃度の5%低下が予測されるというのです。3~12か月間の母乳育児を受けた人は、母乳育児を受けなかった人と比べて20~30%低いCRP濃度になることが考えられるそうです。一方で、慢性炎症と心臓血管の疾患は以前から関連が知られているそうですが、その原因は分かっていないそうです。今回の研究結果は、成人後の心臓疾患の主なリスク要因を低減させる可能性が母乳育児にあることを示唆しているというのです。世界保健機関(WHO)は母乳育児について、子どもの健康と生存を確保するための「最も効果的な方法の一つ」と表現し、生後6か月までは母乳のみでの育児を推奨しているそうです。
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