ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、卵子のもとになる「卵原細胞」を作ることに成功したする研究論文がScienceに掲載されると先日(9月21日)報道がありました(YOMIURI ONLINE)。不妊症の原因解明などに役立つ可能性があるそうです。研究では学内の倫理委員会の承認を得て、ヒトのiPS細胞から精子や卵子になる最も初期段階の「始原生殖細胞」を作製。この細胞に、マウスの胎児から取り出した卵巣の細胞を大量に加えて培養した結果、77日目に一部が卵原細胞まで育ったそうです。ただ、卵原細胞をさらに卵子まで成熟させるには、ヒトの卵巣の環境を再現する必要があり、マウスの細胞を使う今回の方法では難しいそうです。今後、マウスの代わりにヒトのiPS細胞から卵巣の細胞を作るなど別の方法も検討するそうです。改良した方法でヒトのiPS細胞から卵子が作れたとしても、受精させることは国の指針で禁止されているそうです。現状では不妊治療への応用はできないものの、不妊症の女性のiPS細胞から卵子を作ることができれば、詳しい原因を探る研究が可能になるということです。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20180921-OYT1T50017.html
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