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# 841 ジュニアオールスター戦

2024年04月24日 | 1977 年 



7月24日、西宮球場で行われたジュニアオールスター戦で3年連続苦杯を舐めていた全イ軍が4年ぶりに雪辱した。酒井投手(ヤクルト)、佐藤投手(阪急)、益山投手(阪神)などドラフト1位指名選手が登場し熱戦が繰り広げられた。

一軍の味で球宴大活躍
全イ軍は初回に島田選手(日ハム)と中畑選手(巨人)の安打と2つの犠飛で3点を先行すると先発の斉藤投手(大洋)から中山投手(巨人)、酒井投手(ヤクルト)、藤城投手(巨人)、田村投手(大洋)の小刻みの投手リレーで全ウ軍の反撃を抑えて3対2で勝利した。勝利監督の岩本巨人二軍監督は4年ぶりの勝利を喜んでいたが、通算では全ウ軍の9勝4敗3分けと5つも負け越しているので全イ軍のリーグ関係者は「この勝ちをきっかけに来年以降も勝てるよう頑張ります」と口を揃えて怪気炎をあげていた。

この試合で大活躍したのが殊勲賞と打撃賞を獲得した日ハムのルーキー・島田選手だ。2週間ほど前に上垣地選手の一軍昇格の為に島田選手は二軍落ちしたのだが、プレーぶりは攻守ともに一味ちがう格の違いを見せつけた。第1打席から中前打、右前打、右前打。全イ軍が放った7安打のうち島田選手1人で3安打と気を吐いた。「これを機会に何としてももう一度、一軍に行きたい。足を活かしてとにかくシャープさを売り物にしたい」という島田選手の一軍復帰も早まりそうだ。


久々のサッシー登場
打のヒーローが島田選手なら投の方は2人で5三振を奪った先発の斉藤投手と見事な締めくくりでセーブをあげた田村投手の大洋コンビ。しかしスタンドの注目が集まったのはやはりサッシーこと酒井投手だった。昨年の甲子園大会以来、大阪のファンの前では初お披露目だっただけに大変な歓声だった。女学生ファンの黄色い声援を受けて1イニングを3人で片づけた。投げた9球のうち4球が目下マスター中の大きなカーブ。あとは自慢の速球で受けた笠間捕手(巨人)は「あれで肩を痛めたあとなんて…。ストレートもよく伸びてましたよ」とその怪物ぶりに驚いていた。

好ライバル同士の明と暗
お互いが「彼には負けたくない」とライバル意識をムキ出しだった佐藤義投手(阪急)と益山投手(阪神)は共にドラフト1位ルーキー。先ずは佐藤投手が先発で登場した。だが地元・西宮球場という緊張があったのか打者5人に2安打1四球に味方の失策も重なり2失点。ワンアウトを取っただけで一・三塁に走者を残したまま降板。「何が何だか分からないうちに終わってしまった…」と佐藤投手は無残なKO劇にショックを隠せなかった。その後を継いだのが益山投手。当初の4回から登板する予定が急遽繰り上がったが持ち前の度胸の良さで左犠飛だけに抑え、その後も好投し打者9人を1安打・3奪三振と佐藤投手とは好対照の結果を残した。

益山投手の見せ場は全イ軍のクリーンアップに鎮座する巨人勢との対決だった。益山投手は二宮選手を胸元を突く直球で左飛、山本功選手は空振り三振、中畑選手を中飛に打ち取り次代を担う若手対決は益山投手の圧勝だった。対戦した巨人勢は二宮選手が「速さは感じなかった」と言えば、中畑選手も「ストレートもカーブも大したことないと思うんですけどねぇ…」と悔しさいっぱいで歯切れが悪い。一方の益山投手は「巨人勢?特に意識しなかったです」とケロリとしたもので、近く一軍で登板する予定もあり格の違いを見せつけて余裕たっぷりといったところだった。

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