静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

47期生の作文2

2017年03月16日 14時10分07秒 | 学園紹介

漁師になるための学校、漁業高等学園の平成29年度入学生の第2次募集を行うことになりました。
試験日は3月28日(火)です。願書締め切りは24日です。
詳しくはホームページをご覧ください。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/recruit.html

学園での1年間を振り返っての作文の第二弾です。
これも、原文のまま載せてあります。

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高校を卒業して実家を離れて漁業高等学園での団体生活が始まった。漁学に来る前は、楽しみな気持ちがたくさんあったのを覚えている。二十人の友達とこの一年間暮らす。毎日楽しく過ごせると思っていた。だけど入学して二週間、環境が変わった事もありストレスで風邪を引いた。夜知らない間に泣いていたこともあった。正直帰りたかった。だけど漁師になることはあきらめたくなかった。この一年間は、漁師になるための準備期間だと思ってやってきた。座学、実習この学校の全てが漁師に直結していて覚える事が多く大変だった。だけど今になって考えれば漁師にとってはあたりまえなことだと思った。勉強では、全く知らない機関のことを覚えるのは大変だった。海技士試験直前で勉強し機関の楽しさを知り機関で良かったと思える。実習のロープワーク・バケ作り・網・知らないことだらけで漁師は魚を獲るだけだと思っていた。この学園で漁師という職業を改めて知った。
この1年間は、とても濃い一年だった。学園の団体生活では、自分をおさえて強調していかなければならないことを学んだ。辛かったことは、自分の考えが間違えていると早く気づけなかった事。頭をやわらかくして考えていれば、簡単に解決することがたくさんあったと思った。何が善悪かを決めるのは自分ではなく周りで見ている人である。この言葉を忘れない様にしたい。
学園で学んだことは、あまり覚えていない。だけど、いつか同じ局面に出会った時、思い出すであろう。
たくさんの事を学んだこの学園、先生方、本当にありがとうございます。
これからも頑張ります。

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漁師になりたい方の学園見学はいつでも受け付けています。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

  園長のつぶやき
卒業式の後に作文を書いた彼に会い、入学当初になにが辛かったのかを尋ねました。
特定のなにかと言う訳でなく、書いてあるとおり家や友人と離れ、環境が大きく変わったことが、彼にとってはすごく大変なストレスだったようです。
家族と離れ、相部屋での共同生活。
どうってことない人もいるし、大変な人もいます。
我々も、彼がここまでの気持ちであったことは気がつきませんでした。
礼儀正しく、分別のある優等生でしたが、その裏で苦労を重ね、多くのことに気づいたことが分かります。
漁師になりたい気持ちを貫いてくれて良かったです。
なにより、苦労の分は間違いなく成長につながったと思います。

作文では「何が善悪かを決めるのは自分ではなく周りで見ている人である」と述べています。
私は朝礼で「善悪よりも、周りの人のためになっているかが重要だ」と言ったことがあります。
言葉は違いますが、仲間との良い関係を築き、役に立つ人を目指すことは同じです。
周りから愛され、良き社会人に育って欲しいと願っています。

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47期生の卒業作文1

2017年03月15日 13時12分10秒 | 学園紹介

漁師になるための学校、漁業高等学園の平成29年度入学生の第2次募集を行うことになりました。
試験日は3月28日(火)です。
明日にはホームページが更新されますので、詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/recruit.html

さて巣立っていった47期生。
それぞれが、出港に向けて準備をしています。
卒業式の直前に書いてもらった作文を紹介します。
近く、ホームページにもアップする予定です。
文面は原文のままです。

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この1年は、私にとって大きく濃いものになったと思います。
今思っている事は、この学園に入って先生方や環境に恵まれたと思っています。
人数が少ない中での授業や施設見学で一般では見ることができない場所の見学などとても貴重な経験ができました。
ありがとうございました。

思えば何も分からないまま入学してきた昨年の四月は苦労しました。
勉強も大変でしたが何より大変だったのは人間関係でした。
私は口が悪くあまり良い印象をもたれなかったと思います。
そんなに私に一番最初に声をかけてくれたのは○○でした。
彼のおかげで他の人とも話せて輪の中に溶け込むことができたと思っています。
職場での人間関係はとくに大事です。
自分から話せない人もいると思いますがこうやって少しのつながりを大きな輪に変えるのは自分の力だと思いました。
何でもいいから小さい事から周りの人と仲良くできるように○○でもがんばります。

学園生活をおくる中でやはりイライラすることもありましたが、カッター・遠泳大会・サバ祭り・マラソン大会・海技試験・各施設見学など行事をはさむごとにリセットされ怒りあり笑いありの生活でした。
ケンカや言い合いをすることもなくて過ごしやすかったです。
カツオで一ヶ月海に出たとき*1はまた別で船酔いばかりで最悪でした。
操業始まる前まではがんばれましたが操業六日目までに他が釣れて自分は釣れずいい加減にしてくれと思ったのが一番の思い出です。
ですがカツオが釣れたときはうれしくて楽しい時でした。
途中トラブルもありハネも一本流し釣り台見たら血だらけでカツオの血かと思ったら自分の血で大変でした*2
でも漁師カッコイイと頭の中にありました。
そんな漁師にいよいよなるわけですが誰が見ても恥じない漁師になるとこの作文をかりて宣言します。
お世話になった先生方の期待と周りの人と家族の応援を裏切らないようにします。
この1年はあってよかったと思える一年でした。

*1 遠洋航海実習のこと
*2 釣りあげるときにヘルメットの金具が指に当たり、皮を切ったようです。
   文面から大出血に思えますが、指を切って少し血が下に落ちた程度みたいです。

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寮での共同生活は苦労も少なからずあります。
でも、その苦労から大事なものを得る事ができたのではないでしょうか。
彼はとても思いやりのある、仲間に優しくできる人です。
これから働く船でも、良い人間関係を築いてくれると思います。
寮の運営は我々学園スタッフにも負担が大きいですが、こんな作文を読むと簡単に辞めるわけには行きませんね。

漁師になりたい方の学園見学はいつでも受け付けています。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

 園長のつぶやき
作文の筆者は、スポーツマンで中学高校の部活では大活躍した人です。
そんな彼も、学園では人間関係や船酔いで苦労しています。
この1年で、仕事を頼んでも嫌な顔をすることなく、周りのために動くことができるように成長したのを感じます。
もし、学園との出会いがなく、直接、漁船に乗ったらどうなっていたでしょう。
持ち前のガッツで乗り越えたかも知れません。
ただ、学園に来るよりも何倍も大きな試練となったと思います。
恐らく、彼の中学、高校時代より学園での1年は大変だったと思います。
だからこそ、大きな成長を得る事ができたと思います。

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学園ルールの見直し

2017年03月14日 16時01分53秒 | 28乗船実習

漁師になるための学校、漁業高等学園の園長です。
ブログから来られた方、ホームページはこちらです。

学園では新入生を迎える準備を進めています。
今日の職員会議で、来年度のために諸規則の見直しを話しました。

例えばスマートフォン。
学園ではスマホ、携帯電話の使用時間を制限しています。
授業時間中は使えません。

47期生の卒業時のアンケートには、
「施設見学の際に、スマホで写真を撮りたかった」
との記載がありました。
確かに、スマホが使えると写真が撮れるし、その場で調べ物もできます。

しかし、学園でスマホの制限をしているのは、将来の漁船生活に慣れてもらうため。
今年の入学試験の面接で、一日のスマホ利用時間を10時間!と答えた人がいました。
依存症じゃないの?と心配になります。

そして、学園に来る人は様々。
自己責任にしてすべてを任せても心配ないような人もいます。
しかし、ルールは全員に適用されます。

そんな訳で、スマホ一つでも扱いが難しいです。
新入生が入学してくる前に、できるだけ見直しを進めたいと思います。

さて、写真は先週の実習風景です。
最後に、それぞれが必要な実習のおさらいです。

当学園はいつでも見学ができます。電話かEメールでご相談ください。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

 園長のつぶやき
さて、昨日の続き。
漁師になるために大事なことです。
実際にはたくさんあります。
技術、会話能力、思いやり、勤勉さ...
だけど、私が欠かせないと思うのが
「漁師という仕事が好きか」
かと言うことです。
まだ、漁師になっていない人には分からないかも知れません。
それなら
「釣りが好き」「海が好き」「自然の中で働きたい」「自分が釣った魚を食べたい」
など、
漁師が「好きだから」「おもしろいから」やりたいと思うかです。

釣りが好きだからと言っても、遊びと仕事では違います。
仕事なら、寒くても、波があっても、時には疲れていてもやらなくてはなりません。
好きなだけは通用しません。

でも、好きでもない仕事を楽しいでしょうか?
好きだからこそ、辛い場面も乗り越えられるのではないでしょうか?

漁師という仕事を
「効率の良い金を稼ぐ手段」
と考えるなら、もっと楽な仕事があるかも知れません。
そう思えると、辛い場面で耐えることができなくなります。

それから消去法で選ぶこと。
「別にやりたい仕事がないから」
「高校で勉強するのは嫌だから」
などの理由で学園に来ても、楽しくないですよ。

本当に漁師になりたい人なら、
自分の夢をかなえるために、苦労を苦労と思わず乗り越えられるのではないでしょうか。

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新しいポスターとスクールガイドが完成

2017年03月13日 15時43分18秒 | 学園紹介

卒業式を終え、第47期生も新しい漁師になるために巣立っていきました。
しばらくは生徒のいない静かな学園です。
しかし、今日は追加の入学試験。私を含め、職員は忙しいです。
と言うのも、金曜日には入学オリエンテーションがあるので、本日中に合否を決め、明日には合格発表です。
ともあれ、受験者した方はお疲れ様でした。

さて、来年度用の生徒募集ポスターとスクールガイドができました。
下の写真はアイコンなので、クリックすると大きく表示されます。(A3サイズなのでご注意ください!)
どちらも、大幅にリニューアルしました。

表紙・裏表紙

2・3ページ

4・5ページ

6・7ページ


ポスターのできはどうでしょう?

学園の主役、漁師を目指す生徒を全面に出しましたよ
コメントをお待ちしています。
ちなみに、これまでのものはこちら。

スクールガイドは近いうちにダウンロードできるようにしますが、
紙の資料で欲しい方は、学園にご請求ください。

電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp

 【学園生の就職先】
47期生の就職先です。
 遠洋漁業
  カツオ一本釣り       5
  海まき             1
  マグロはえ縄               1
 沖合漁業
  キンメダイ底建てはえ縄   2
  大型まき網             2
  棒受網                2
 沿岸漁業
  定置網                 1
  シラス船曳                1
遠洋、沖合は船が大きくなるので役職に就くためには海技士資格が必要になります。
航海日数も長いし、漁師としての技術も高いものが要求されます。
今年の生徒では、食物アレルギーのため沿岸漁業に就職した人がいますが、体質的な特性も必要です。
いろいろな事情を踏まえて、適切な漁業が選べるのも学園のメリットの一つです。

 園長のつぶやき
35歳の方から電話ありました。
「すぐに漁船に乗りたい」
どうも、学園を学校とは知らず、就職斡旋するところと勘違いしていたようです。
どこで得た知識か分かりませんが
「オホーツクに行けば月に100万円になる...」
と、高額収入目当てのようでした。
少なくとも静岡県には、そんな漁業はないです。
この方、漁船の経験も、海技士などの資格もないとのこと。
未経験で、その収入は難しいと思いましたが、すぐに漁船乗りたいと言うので
宮城県北部船主協会に相談することをお勧めしました。
少なからず、このような方はいらっしゃいます。
そんな簡単に稼げるなら、学園なんて要らない訳で...
そして、漁師になるために何より大事なのは(長くなるので明日にします)

いずれにしても、漁師になりたい人は、学園で学ぶことをお勧めします!
1年間は、決して無駄ではないですよ!!

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第47期生卒業式

2017年03月10日 15時11分43秒 | 学園行事

焼津市の中野市長を始め、多くの来賓のご臨席をいただき卒業式を行いました。

中野市長からもお祝いの言葉をいただきました。
1年前の入学式と比べると、それぞれが本当にたくましくなったと思います。

学園で培った技術を活かし、それぞれの職場で活躍してくれることを期待します。
しかも、何人かは将来の静岡県の漁業を背負って立つほどの逸材です。
すばらしい人が学園に来てくれたと思います。

卒業しても、焼津に入港したら学園に顔を出してください。
外国の寄港地から絵はがきがもらえたら嬉しいです。

その様子は、これからのブログで紹介していきます。

 【漁師の適性】
体力があって、手先が器用で....
漁師に求められるものはたくさんあります。
でも、一番大事な適性と言われると
「魚を獲ることが好き」
と言うことになると思います。
漁労作業は楽ではありませんが、好きであれば頑張ることができるし、
少なくとも精神的な負担は小さくなります。
47期生は優秀でしたが、それだけでなく魚を獲ることが好きな人が集まってくれたと思います。

 園長のつぶやき
私も園長になって1年になろうとしています。
学園のことを知らない私が園長になってどうなるの...?
と心配でしたが、私以外のスタッフはベテラン揃いだし、優秀な生徒にも恵まれてやって来ることができました。水産業局の強い応援もいただきましたし、焼津市の中野市長を始め、お世話になった皆さんに感謝しなくては行けません。
入学者の全員を卒業させたいと思っていましたが、5人の退学者を出したことは悔やまれます。
今年の経験を活かし、48期生の育成を頑張りたいと思います。
そして今日で入学試験の追加募集をしめ切り、月曜日は試験です。

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