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右精進川

2018年09月16日 22時43分54秒 | さっぽろ川あるき
(承前)

 豊平川が山あいを抜けて大きく左にカーブして、いよいよ札幌の平野に乗り出すあたりから、合流する支流はすべて右岸側からである。それもそのはず、川は北北東を目指して流れるが、地形は北のほうが低い。左岸側からは、分流する流れ(創成川)はあっても、流れ込むのは無理だ。

 さて、流れ込む川は順に、真駒内川、精進川、逆川、望月寒川もつきさっぷがわ…となる。逆川以外は、いずれも札幌南郊の丘陵地に発し、ほぼまっすぐ北に進路をとる。お互いに、低い丘を挟んで並行して流れながら、決して合流しないまま、豊平川へと至る。
 こういう地形のため、いずれもそれなりの長さを持つ川でありながら、それぞれの枝流はほんとうに少ない。
 琴似川や琴似発寒川、厚別川などが多くの細い枝流を合わせて、低いところへと流れているのとは対照的だ。

 精進川に関しては、かなり上流に計石川と左精進川がある。
 都市部を流れて精進川に注ぐ枝流は、ただひとつ、右精進川があるばかりだ。




 上の地図で、左側を南北に流れる細い川が精進川。
 最上部で鍵型になっていて、精進川に注いでいる短い流れが右精進川である。

 ちなみに、ちょっと地図を右にドラッグしていただくと、すぐに望月寒川が流れているのが見える。
 どうしてこんなに近くを流れているのに、最後まで2本の流れが交じり合わないのか、ふしぎに思う。
 
 ところで、右精進川の上流が「紅桜公園」内を流れていることは、今回、現代アート展を見に行って、初めて知った。
 右精進川の水を利用した釣堀も造られているのである。

 地図で見ると、源流は、はるか南方の「札幌ガーデンヒルズしらかばゴルフコース」内と思われるが、紅桜公園よりも上流側はほとんどが山林なので、すぐには確かめようがない。
 そして、このコースから、望月寒川の上流域までは、直線で400メートルぐらいしか離れていないのだ。

 冒頭画像と、次の画像はほぼ同じ場所にレンズを向けており、撮影した位置が異なる。
 2枚目を見ると、川べりのがけは、白い火山灰からできていることがわかる。



 右精進川は、紅櫻公園の敷地を出ると、少しの間、「水源地通」の南岸に沿って流れているようだ。
 そして、慧照寺というお寺の手前で直角に向きを変えて、水源地通の下をくぐり、北へ向かう。


 その、北へ向かっている約60メートルは、道路の側溝のような形状である。

 そして、そこから西へと向きを変えて、短い遊歩道のそばを流れて、精進川に合流するのである。

 したがって、紅桜公園から出て精進川に合流するまでのあいだ、ふつうにその姿を見られるのは百数十メートルの区間にすぎない。

 以後、精進川は、精進川放水路を分流するまでの約2.4キロものあいだ、人工流路を除く他の流れとの交流がまったくないまま孤独な旅を下流に向かって続けることになる。





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2 コメント

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懐かしい風景 (岡崎孝彦)
2022-03-19 09:54:54
僕が平岸西小学校の1~3年生だった頃(1970年台)には、今の精進川河畔公園あたりも1枚目の写真のような感じで、よく川遊びをしていました。河畔公園のあたりは様子が随分と変わりましたが、上流に行けば、こんな懐かしい風景もあるんですね。
僕は澄川中学にも通いましたが、上流のことはあまり知りませんでした。
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岡崎孝彦さんこんにちは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2022-03-19 12:16:33
精進河畔公園は1990年代になっても、サッシではなく木枠の木造家屋が近くにあったりして、本当に良いところでした。
いささかたたずまいは変わりましたが、ただ、往時よりも現在のほうが雰囲気が良くなったのは、精進川の語源となった小さな滝の周辺です。コンクリート護岸がはがされ、自然の景観が戻りました。
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