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世界記憶遺産に筑豊の炭鉱画選ばれる

2011年05月27日 23時57分23秒 | 新聞などのニュースから
 このニュースはNHKでも取り上げていたし、新聞各紙でもかなり大きく取り上げていた。
 なかでも、毎日新聞は、1面コラム「余録」のほか、社説でもテーマにするほどであった(次のリンク)。

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110527k0000m070172000c.html

 個人的にも、2009年の初冬に東京・目黒区美術館の素晴らしい企画「’文化’資源としての<炭鉱>展」でじっくり見てきた絵の数々であるだけに、なんとなく親しみがわくというか、喜ばしいニュースであった。

 ただ、ちょっと考え込んでしまったのは、山本作兵衛さんは、画家としては完全に素人であったということである。
 もちろん、全然絵心のない人間があれだけの枚数を、しかも大きな破綻なしに描くことはできないから、彼の画力が人類の平均以下だとまで主張するつもりはない。
 しかし、ラファエロやレオナルド、北斎が世界的な遺産であるのと、山本作兵衛が世界的な遺産であることとは、その意味するところがまったく異なるのは、間違いないだろう。

 じゃ、山本作兵衛の絵が感動を与えてくれないかというと、これが、ぜんぜん逆で、素人なりの観察眼と迫力が、見る者をとらえて離さないのだ。

 う~ん。
 絵の良さ、芸術における技術の意味って、何なんだろう。
 考えれば考えるほど、わからなくなってくる。



 以下、読売新聞の記事から。

 国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)は25日、福岡県飯塚市出身の絵師山本作兵衛(1892~1984年)が描き残した筑豊炭田の記録画など697点を「世界記憶遺産」に登録すると発表した。記憶遺産への登録は日本では初めて。

 登録されるのは、福岡県田川市が所有する絵画585点、日記6点、雑記帳や原稿など36点と、山本家が所有し同県立大(田川市)が保管する絵画4点、日記59点、原稿など7点。

 山本は14歳から筑豊各地の炭鉱で働き、明治末期から戦後にかけての炭鉱労働や鉱員の生活の様子を描いた1000点以上の水彩画を残した。

(中略)

 世界記憶遺産は、世界遺産と異なり、自治体や団体でも登録申請できる。(以下略)



’文化’資源としての<炭鉱>展 I

記憶遺産に筑豊の炭鉱画…山本作兵衛の697点(読売新聞) - goo ニュース



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