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秋山沙走武「望 ’83」と中山教道作品 歌志内の野外彫刻(3)

2024年05月17日 09時30分40秒 | 街角と道端のアート
 続きです。

 「歌志内市コミュニティセンター うたみん」に入ってみました。
 大正館や「旧空知炭鉱倶楽部 こもれびの杜記念館」にもほど近い、中心部にある施設で、公民館や図書館を兼ねています。
 このロビーにも彫刻が設置してありました。
 建物内なので、厳密には「野外彫刻」ではないのですが…。
 
 
 秋山沙走武すすむ(1930~2001)は、古く仏像制作に用いられた乾漆という技法を得意とする彫刻家で、長く道教大函館校で教壇に立ちました。
 全道展会員としても活動しました。

 北海道デジタル彫刻美術館には19件もの作品がリストアップされています。
 道南、道央各地に設置されていますが、札幌は1点だけのようです。

 この作品はしゃがんだ裸婦像で、右手を腰に、左手を首の後ろに持って行くことで、上半身の空間的な広がりを感じさせています。
 下半身もしゃがむ脚が広がりを持たせているので、全体として、いかにも動いている最中ではないにもかかわらず、適度な動感をたたえていると思います。
 

 さて、同センターのロビーには絵画も展示されていたので、簡単に紹介しておきます。
 
 
 ロビーに大きなついたてのようなものが置いてあり、にぎやかな祭りのみこし行列の様子が群像表現で描かれています。

 これは道展会員として活躍した中山教道さん(1930~2002)の作品です。

 この裏側は、ホールではなく洗面所になっていたので、あるいはこのロビーが集会場の代わりとして用いられることがあるのかもしれませんが、くわしいことはわかりません。

 
 
 もう1点、オーソドックスな風景画も飾ってありました。
 題名はわかりません。
 小樽運河を描いたと思われますが、あまり見たことのない画角なので、あるいは函館などの可能性もあります。

 肩書には
「一水会・道展会員」
とあります。
 間違いとか経歴詐称だということではありませんが、一水会は改組を行って肩書が変更になった歴史があり、後の研究者の皆さんは注意が必要です。
 一水会は全国的な団体公募展で、抽象絵画を認めず、穏当な写実画の描き手が集まりました。道内にも多数の会員・出品者がいます。

 中山さんは、空知を代表する洋食店のひとつとして知られた「十字路」の経営者でもあったそうです。
 外壁にレリーフを配したモダンなつくりでしたが、中山さん歿後は引き継ぐ人もなく、2017年には崩落の恐れありということで解体されてしまいました。

 また、市の広報の表紙には1986年から2002年までの長きにわたってスケッチを寄せていました。
 今年3月には、うたしない道の駅で展示も行われたそうです。

 おびただしい街角のスケッチを、地域おこし協力隊の人が YouTube にまとめていますので、貼っておきます(音声注意)。

「中山教道さんの"まちかどスケッチ"で見る 1986年〜2002年の歌志内市」



過去の関連記事へのリンク
秋山沙走武「泉」 岩見沢の野外彫刻(3)
秋山沙走武「陽」~函館駅前

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ヤマのグラフィック炭鉱画家の鉱脈展(2006、画像なし)=中山さん出品

・歌志内の野外彫刻
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