北海道美術ネット別館

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チェコ絵本とアニメーションの世界(11月8日まで)

2006年10月09日 05時08分28秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 休日なのでさぞ親子連れで込んでいるだろうと思っていたら、館内で見かけた客は1人だけ。ちょっと拍子抜け。ひとり静かに見たい美術展もあるが、こういうのはむしろ子どもたちの声がBGMにあったほうがしっくりくるような気がする。

 それにしても、筆者が以前夢中になって読んだSF小説「山椒魚戦争」の作家チャペックに出あえるとは思っていなかった。といっても、本人カレル・チャペックじゃなくて、兄ヨゼフのほうだけど。弟は1938年に亡くなっているが、ヨゼフはナチスにとらえられ、終戦直前に強制収容所で死亡している。
 輪郭線が主体の、丸っこくてかわいらしい絵。初期の手塚治虫みたいな。

 初期手塚治虫みたいな丸っこい絵といえば、オンジェイ・セコラの「アリのフェルダ」シリーズや、ズデニェク・ミレルの「もぐらのクルテク」などもそうだ。
 すぐに陰影をつける西欧人の一般的なドローイングとちがってむしろ日本人っぽくて親しみを覚える。
 スラブ人って、西欧よりも、この手の輪郭線主体の絵を描いちゃう(北海道弁でいうと「描かさる」)のかな。

 ところで、チェコのような小さな国でアニメや絵本が戦後も発達した背景には、絵画や彫刻といったメーンストリームの美術に対しては社会主義リアリズムの締め付けが厳しかったのに対し、アニメや絵本(それにガラス工芸)は傍流のためあまり当局の目が行き渡らなかった事情がある-という説が有力なのは、記憶しておいたほうがいいかもしれない。

 ロビーには、日本語、チェコ語の絵本がたくさん売られている。
 ここが、この展覧会でいちばん楽しいところかもしれない。
 荷物になるのをいとわず、もう何冊か買ってくれば良かったなあ。

9月8日(金)-11月8日(水)
道立帯広美術館(帯広市緑ヶ丘公園)


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
チェコ絵本展。 (manabe)
2006-10-09 22:13:24
トラックバックありがとうございました!

なるほど、社会主義の締め付けが厳しかったのですね!

私もチェコ絵本の平面的な描写や輪郭線には、

日本の表現に感覚的に近いなと思いました。

どんな影響があるのか、気になります。

十勝毎日新聞社に学芸員さんの解説が連載されています!
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-10-10 00:12:13
 manabeさん、トラバ打ちまくりですいません。

 子どもを連れて行けば良かったと思った展覧会でした。
返信する
ぜひぜひ。 (manabe)
2006-10-12 08:46:36
トラックバックありがとうございます。

ほそぼそとやっているブログなので、

ありがたいです。またお願いします。
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