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■石垣渉 水彩画のせかい展 (2025年3月11~17日、札幌)

2025年03月12日 21時41分43秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の水彩画家石垣渉さんが、百貨店では2度目となる個展を開いています。

 目を引くのは「おごそか」(冒頭画像の右)。
 80号を2枚横につなげた、M150号という、水彩としては破格の大きさです。

 手前は、石垣さんが近年よくモティーフにしている雪の道。ザクザクの、荒れた路面です。
 遠景には、利尻富士を参考にしたという大きな山容が描かれ、さらにその上に葉のない木がそびえて、写実的な絵が一気に幻想性を帯びてきます。
 石垣さんは、北欧神話などに登場する「世界樹」を意識しているそう。地球を支えている「磁場」のようなものだと話します。
 左右に幾筋も伸びていく雷鳴が、木の枝にも見えます。周辺には金色の丸い模様がおびただしく、降る雪のように点在していますが、これは「音」だとのこと。
 
 近年、石垣さんは、神話などへの関心が高まっているそうです。
 石垣さんの風景画を見ていると、一見、よくできた写実絵画のように見えながら、それにとどまらない深みを感じるのは、画家の世界に向き合うそういう精神性が秘められているからではないかと思うのです。

 この「厳か」は昨年の水彩連盟展に出品したもので、道展にはこのサイズは出せません(石垣さんは双方の会員)。
 石垣さんは水彩連盟を退会したそうで、今後の個展に、この大きさの作品が出るかどうか…。
 
 
 近年取り組んでいるアクリル画の額装では、反射率の低い特殊なガラスを用いていて、とても見やすいです。

 「朝焼けに染まる」「冬晴の大地」「残雪と新緑」など、いわゆる名所絶景ではなくありきたりの田園風景を描く石垣さん。その普通さかげんの中に、厳しい風土を生きる人たちの精神性が反映していると、筆者には感じられます。

 

2025年3月11日(火)~17日(月)午前10時~午後6時(最終日4時)
三越ギャラリー(札幌市中央区南1西3 三越札幌店9階)
※ギャラリートーク&作品解説:3月15日(土)午後2時~

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