洋画家・中山忠彦さん死去

　9月26日の朝日、毎日など新聞各紙が写真家細江英公さんの死去を大きな見出し付きで報じていましたが、その片隅に、洋画家の中山忠彦・日展元理事長の訃報が載っていました。ベタ記事で、見出しはありません。
　いまネットで読めるのは産経新聞と日本経済新聞だけのようです（朝日は途中まで）。

　産経新聞サイト（ https://www.sankei.com/article/20240925-ARXVIHJCUNJAVPR3SWOBS2BPPE/ )に載っているのは、24日死去、89歳など最小限の情報以外は、次の要素だけです。

洋画家の伊藤清永さんに師事。妻をモデルとした女性像を中心に作品を描き、1998年日本芸術院賞受賞。2009～13年に日展理事長を務めた。19年旭日中綬章。

　産経、日経とも共同通信の稿です。
　この原稿には「日本芸術院の会員になった」というくだりがありませんが、日本芸術院会員であり元日展理事長という、洋画壇のトップを極めた人の死亡記事が、写真家に比べてこれほど小さいことに、時代の流れを感じざるを得ません。
　ちなみに、X(ツイッター)検索でも、死去に反応しているのは20件ほどでした。

　さらに各紙ともまったく触れていないのが、日展系の美術団体公募展である白日会の会長を長く務めたことです。

中山忠彦白日会会長 の逝去について | 白日会

　ことし春、たまたま東京都美術館で白日会展を見ましたが、会長が自分に賞を授与しているのでちょっとびっくりしたのでした。

続き■白日会創立百周年記念展 (3月21日~4月1日・六本木)　2024年春東京(13) - 北海道美術ネット別館

　

　ご冥福をお祈りします。