私には元々遺伝による「先天性心筋症」という病があって、20歳あたりから不整脈が発生していたが、さほど問題にもならず、支障もなかった。30歳ごろからはNTT高松病院で投薬を受けていたが、さほど問題になることもなかった。
ところが、50歳代あたりから「心機能」が低下し、平常人の60点、(約三分の二ほど)ほどしか心臓が機能しなくなっていた。これが「慢性心不全」と呼ばれるものだった。これによって、身体に水が溜まるだとか、疲労しやすくなるなどの支障が目立ち始めた。
60歳代に入ると肺炎が相次ぎ、それをきかっけとしてか、「急性心不全」が発生し救急搬送されることが二年ほど続いた。このことから県立病院での治療が行われるようになり、カテーテルや焼き付け処理なども行われてきた。
ところが、それらの治療でもどうにもならず、ついに2018年には心臓の開胸手術が行われ、僧帽弁、三尖弁の交換手術が行われてきたところである。これが「心臓弁膜症」と呼ばれるもので、さらには、ペースメーカーも植え込むことなって手術が行われた。
その術後、心膜炎が発生した。心膜炎というのは、心臓は筋肉で出来ているが、その筋肉は表面に付着した臓側心膜と呼ばれる薄い膜で覆われている。その膜は大血管の起始部で折り返されて厚い壁側心膜となり、これら2枚の心膜が心臓を2重に包んでいる。この2枚の心膜の間(心膜腔)にはこの膜から作られる少量の液体(心膜液)があり、心臓が動く時の摩擦を軽減する潤滑油の働きをしている。心膜炎とはこの膜に炎症が起こる病気であり、炎症により心膜腔に通常よりも多い心膜液が貯留することが特徴である。
心膜炎の原因と分類については、急速に炎症反応を引き起こす場合は急性心膜炎という。慢性に経過(通常6ヶ月を超えて持続)する場合を慢性心膜炎といい、急性心膜炎は、感染、外傷、自己免疫疾患、甲状腺機能低下症、薬物、尿毒症などが原因となって生じる。感染による場合が最も多く、その原因のほとんどがウイルスである。原因がわからない場合も多く、その場合は特発性心膜炎といっている。慢性心膜炎は急性心膜炎が完全に治癒せずに移行する他、結核、腫瘍、放射線治療後、心臓手術後に起こることが多い。現在では結核性心膜炎はほとんどみられなくなったが、慢性炎症によって心膜の線維化、肥厚が起こり、固くなることがある。これにより心臓の拡張が制限され、足のむくみや腹部の膨満感などが起こることを収縮性心膜炎という。
私の場合、薬だけでは限界があって、このたび、除水を行うために「透析」が必要になる。
長期留置カテーテル埋込
シャントが使えない状態で透析を行うには、一般的には下の写真のように短期留置型透析用カテーテルを挿入する。一番挿入しているのが、右内頸静脈である。
右内頸静脈が選ばれるのは、鎖骨下静脈だと血栓性閉塞するリスクが高く、大腿静脈は感染の危険が高いからで、しかも左側の内頸静脈は右、心房にカテーテルが行き着くまで2回ほど屈曲するので、カテーテルが血栓性閉塞するリスクが右側より非常に高くなるのである。
カテーテルは血液回路と接続するだけなので、穿刺痛のような痛みはありません。しかしこのまま長い期間にわたってカテーテルを挿入していると、それこそ感染症へと発展してもおかしくはない。そこで、できるだけ感染のリスクが少なくなるように、しかも身体の中に埋め込むことで、抜けないよう長期にわたって使用できるようにしたのが、「長期留置カテーテル」である。
また、ペースメーカーによる対応も準備している。
CRT:心臓再同期療法とは、現在、薬の治療によって症状の改善しない重症心不全に対しては心臓移植といった治療手段もあるが、臓器提供者の慢性的な不足等により進んでいないのが現状である。このような状況下で重症心不全症状を改善する治療として心臓再同期療法 (CRT=Cardiac Resynchronization Therapy) がある。この治療は、(右心房と)右心室に加え、全身に血液を送り出す左心室にも、ほぼ同時に電気刺激を与えて心臓の機能を高めることで、①心不全の予防や改善、②生命予後の改善、③生活の質(QOL)の改善を目的としており、7割くらいの方で心機能の改善がみられる。そのために、2月上旬にはMRIによる検査が行われる予定である。
私には元々遺伝による「先天性心筋症」という病があって、20歳あたりから不整脈が発生していたが、さほど問題にもあらず、支障もなかった。30歳ごろからはNTT高松病院で投薬を受けていたが、さほど問題になることもなかった。
ところが、50歳代あたりから「心機能」が低下し、平常人の60点、(約三分の二ほど)7しか、心臓が機能しなくなっていた。これが「慢性心不全」と呼ばれるものだった。これによって、身体に水が溜まるだとか、疲労し
60歳代に入って、肺炎が相次ぎ、それをきかっけとしてか、「急性心不全」が発生し救急搬送されることが二年ほど続いた。このことから県立病院での治療が行われるようになり、カテーテルや焼き付け処理なども行われてきた。
ところが、それらの治療でもどうにもならず、ついに2018年には心臓の開胸手術が行われ、僧帽弁、三尖弁の交換手術が行われてきたところである。さらには、ペースメーカーも植え込むことなり手術が行われた。
その術後、心膜炎が発生した。心膜炎というのは、
心臓は筋肉で出来ているが、その筋肉は表面に付着した臓側心膜と呼ばれる薄い膜で覆われている。その膜は大血管の起始部で折り返されて厚い壁側心膜となり、これら2枚の心膜が心臓を2重に包んでいる。この2枚の心膜の間(心膜腔)にはこの膜から作られる少量の液体(心膜液)があり、心臓が動く時の摩擦を軽減する潤滑油の働きをしている。心膜炎とはこの膜に炎症が起こる病気であり、炎症により心膜腔に通常よりも多い心膜液が貯留することが特徴である。
心膜炎の原因と分類
急速に炎症反応を引き起こす場合は急性心膜炎という。慢性に経過(通常6ヶ月を超えて持続)する場合を慢性心膜炎といい、急性心膜炎は、感染、外傷、自己免疫疾患、甲状腺機能低下症、薬物、尿毒症などが原因となって生じる。感染による場合が最も多く、その原因のほとんどがウイルスである。原因がわからない場合も多く、その場合は特発性心膜炎といっている。慢性心膜炎は急性心膜炎が完全に治癒せずに移行する他、結核、腫瘍、放射線治療後、心臓手術後に起こることが多い。現在では結核性心膜炎はほとんどみられなくなったが、慢性炎症によって心膜の線維化、肥厚が起こり、固くなることがある。これにより心臓の拡張が制限され、足のむくみや腹部の膨満感などが起こることを収縮性心膜炎という。
私の場合、薬だけでは限界があって、このたび、除水を行うために「透析」が必要になる。
また、ペースメーカーによる対応も準備している。
CRT:心臓再同期療法
現在、薬の治療によって症状の改善しない重症心不全に対しては心臓移植といった治療手段もあるが、臓器提供者の慢性的な不足等により進んでいなのが現状である。このような状況下で重症心不全症状を改善する治療として心臓再同期療法 (CRT=Cardiac Resynchronization Therapy) がある。この治療は、(右心房と)右心室に加え、全身に血液を送り出す左心室にも、ほぼ同時に電気刺激を与えて心臓の機能を高めることで、①心不全の予防や改善、②生命予後の改善、③生活の質(QOL)の改善を目的としており、7割くらいの方で心機能の改善がみられる。そのために、2月上旬にはMRIによる検査が行われる予定である。