【お断り】ネタバレ注意!
下記の文中、物語の"謎"の核心については触れていないのですが、映画未見の方からすると、ネタバレともとれる内容のレビューになっています(配給会社が用意したキャッチコピーの中で殊更強調されている「物語に秘められた大きな謎」。しかし、その"謎"は予告編で何となく予想がつくレベルのもので、結局、謎解きが主旨の作品ではなく、3人の主人公の人生や絆を通して、生きることの意味を問う、 . . . 本文を読む
『英国王のスピーチ』は良質な作品だとは思うが、米アカデミー賞作品賞に値するか、と問われたら、私は首を傾げざるを得ない。理由はレビューで書いた通り。
それ以上に、トム・フーパーが監督賞受賞と言うのが憤慨もの。彼のどこに全候補者の中で抜きんでた演出力があったと言うのだろう?今回は、クリストファー・ノーラン監督が『インセプション』でノミネートされていなかったことにも違和感があったが、デビット・フィ . . . 本文を読む
前評判がすこぶる高い本作を、昨日、家族で見て来た。
感想を結論から言うと、「確かに見るに値する佳作だが、期待したほどではなかった」前評判に煽られて、私が期待し過ぎたのがいけないのか、或いは、私の感性やtasteの問題なのか…
主役級の3人(コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーター)の演技のアンサンブルは申し分なく、現代映画界を代表する名優の競演を堪能できた。おそら . . . 本文を読む
年頭から、時代に斬り込む映画のダイナミズムを感じさせるような、勢いのある作品の登場である。(米国では2010年9月公開)。現代の世相を描き、人間の不完全さゆえの葛藤を描き、知られざる名門大生のキャンパスライフ(笑)を描いて、見応えがある。
今や全世界で利用者が5億人とも6億人とも言われる世界最大のソーシャルネットワークサービス(SNS)、フェイスブック。その創業者マーク・ザッカ-バーグが、ハ . . . 本文を読む
横浜駅から2つ目のJR関内駅から徒歩15分、京浜急行黄金町駅からは徒歩5分のところにある、昔ながらの雰囲気を湛えた映画館、シネマ・ジャック&ベティ。
2005年2月に一度閉館の憂き目を見たが、「この地に映画館の灯を絶やすな」と言う地元民と映画ファンの声もあって、経営母体を替えて再開。2つのスクリーンを備え、現在は名画の2本立てや単館系作品の上映を続けている、伊勢佐木町界隈では唯一となって . . . 本文を読む
今年の日本での映画に関するトピックで特筆すべきなのは、やはり「午前十時の映画祭」開催でしょう今年の2月から始まった映画祭の開催も、残すところ1カ月半となりました。
私はメルアドを登録したので、毎週金曜日、映画祭事務局から上映スケジュール等のお知らせメールが配信されます。今回はイレギュラーにお知らせメールが着信。なんと、来年2月より第2回午前十時の映画祭の開催が決定したのです!!
事務局のメール . . . 本文を読む
私はテレビ番組の中で比較的トーク番組が好きだ。インタビュー番組の場合、大抵がゲストのヨイショに終始するものの、気をよくしたゲストがポロッと漏らす言葉に、その人の本音や思想・信条が垣間見えたりするのが興味深い。対談番組なら、複数のゲスト同士の会話が弾むうちに、意外な発言が引き出されて、発言者に対する認識が改まることもある。
私の夫のように「作品がすべて。作品が面白いか否か、素晴らしいか否か。そ . . . 本文を読む
或る一人の男が歴史を変えようと奮闘した。
しかし、歴史は変わらなかった。
変わったのは男の運命だった。
現在進行中の名作映画リバイバル上映プロジェクト『午前十時の映画祭』で、「アラビアのロレンス」を見て来た。実は映画史上に残る傑作と誉れ高い本作を、全編を通して見たのは今回が初めてだった。
本作の日本公開は1963年2月。その後も何度かリバイバル上映されたとは言え、その何れもタイ . . . 本文を読む
ベネツィア国際映画祭でも好評だった(上映終了後、7分間に及ぶスタンディングオベーションだったらしい)と言う三池崇史監督、役所広司主演の『十三人の刺客』を見て来た。今から47年前の1963年に公開された『十三人の刺客』(工藤栄一監督、片岡千恵蔵主演)のリメイクらしい。本作は、密かに集められた十二人プラス一人の刺客が、暴君の名を欲しいままにする、将軍の腹違いの弟で明石藩主の松平斉昭の暗殺を企てる、と . . . 本文を読む
深津絵里が先のモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を獲得して話題となっている映画『悪人』を見た。
芥川賞作家、吉田修一の小説が原作で、今回は原作者自身が李相日監督(『フラガール』)と共に脚色を担当している。本作は原作者が作家生活10年と言う節目に手がけた初の新聞連載小説で、それまで書いた中で最も長編の意欲作。自他共に「代表作」と認める作品だけに、その思い入れも一入なのだろう。
ポスター . . . 本文を読む