今日は13日の金曜日。この日を縁起が悪いと忌避する迷信がキリスト教地域には根強い。ホテルでは13階を客室にはせずプールや宴会場にしているし、そういえば自分が過ごしたNYの90階建て高層アパートも13階は機械室になっていた。この迷信のために航空機搭乗を控えることで、今日の欧州の航空運賃が大幅に下がっているという。航空券予約Website、Kayakによれば6月の英国内往復運賃の平均は233ポンド(40000円)なのに対し、13日分については52ポンドも安い181ポンド(31000円)となって6月中の最安値となっている。この傾向はフランス、オーストリアおよびスエーデンでも同様、6月中ではやはり13日分が最も安くなっているという。国内線往復運賃でフランスでは月中平均より53ポンド、オーストリアでは24ポンド、スエーデンでは89ポンドも下回っているため、Kayakは13日の金曜日の迷信は航空界においても健在、と結論付けている。
一般に13という数字は忌み嫌われているのだが、航空業界はこれを深刻には受け止めていないようだ。BAはこのような迷信はいわゆる都市伝説(Urban Myths)の一つに過ぎないとして同社のすべての便に13列目を設定しているし、この日のために特別運賃も用意していない。そして運賃の変動も需給を反映したものだ、としている。
Kayakの言い分とBAも言い分のどちらが真相に近いのか、また、13という数字にまつわる迷信が都市伝説かどうかはともかく、迷信からはできれば避けて通りたいという心情は万国共通だろう。日本でも丙午の年に出生数が急減したことがある。一方、迷信に頓着しない、あるいは鈍感な人なら低運賃というメリットを享受できるということかもしれない。