EUを離脱するという国民投票の結果を受けてポンドが急落したのはつい半年ほど前だが、11月初めを底にしてポンドの相場はじりじりと回復してきている。たしかにポンド安のため消費者物価がいくらか上昇したものの、実体経済にはさほど悪影響は出ていない。ポンド安で殺到する外国人観光客と不動産に対する海外からの旺盛な投資によって一部の企業では好調さを維持しているくらいだ。ロンドンの街を歩いていても不況の影は見当たらない。
EUとの離脱交渉はまだ始まっていないし、EUとの人的な交流にも変わったところはない。嵐の前の静けさというのか、あるいは、国民投票時の英国独立論のような夢物語は骨抜きになっていくのか。それ以上に、もし、次のフランス大統領選挙でル・ペンが勝ったりしたらEUそのものが崩壊し、その結果として英国の「EU離脱」そのものが消し飛んでしまう、といったことも無くはない。急ぐ理由はない、ということだろう。
狡猾な英国はどのようにしぶとく生き残っていくのか。