テイト美術館での特別展「晩年のターナー」を観た。ターナー60歳以降の作品を一挙に公開しているもの。晩年は厳しい評価にさらされたターナー、それでも体調の許す限り欧州の写生旅行に出かけた姿は、大作家の傲慢な印象とは程遠い、自ら寿命を縮めたようで哀れをもよおす。批評家がいかに近視眼か、あるいはパトロンがいかに移り気であるかは彼の晩年をとりまく状況からよく見て取れる。76歳の生涯は決して順風だけではなかった。
それはともかく、夥しい数の作品を前にすると精力的な活動に感銘しないではおられない。さらに、構図や色彩の素晴らしさにも。嫌なことの多いこの世の中だが、生きていてよかった、と思えるような展覧会だった。
http://www.tate.org.uk/whats-on/tate-britain/exhibition/ey-exhibition-late-turner-painting-set-free
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