今日、久しぶりに車を運転していたら、隣の車線を見慣れない形の車が追い越していった。自分の運転能力も判ってきているので、いまでは追い越されてもどうということはないが、初めて見るような車だったので、注意して見るとへの字状の楔形を二つ重ねた、ドゥブル・シュヴロン (double chevron)と言われるシトロエンのエンブレム。右後ろにC3。
フランス車というとドイツ車のような堅牢さや押し出しの強い豪華さはないが、どことなくお洒落に見えるデザインが特徴(ただし、形や技術に凝りすぎて故障がち、と敬遠される向きもあった)。シトロエンはその代表格で、機能性や信頼性ばかりを追い求めるのは野暮というしかななく、この割と小振りなC3にもしっかりとその片鱗が窺えた。
そして赤信号で斜め前に止まったこの車のナンバープレートを見ると「714」。7月14日は革命記念日、 Fête nationale〔国民祭典〕。マスクをしていてよくは見えなかったがサングラスをかけた女性(と思われる)運転手。もし彼女がこの車の持ち主なら、そのフランス愛は半端ない。
20年ほど前から日本でも自動車のナンバープレートを希望の数字にすることが出来る(もちろん、対象外の数字もある)ようになった。大きな駐車場に止めた時など、自分の車を探すのには都合がいい。無作為に与えられた番号を記憶するのは必ずしも容易ではないから。それに、例えば空港に家族を迎えに行く時など、ナンバープレートの数字を共有していれば見間違いや見逃しもないだろう。
初めてロンドンに赴任した40年ほど前、イギリスでは自動車のナンバープレートの番号が売買されているのを知って新鮮に感じたものだ。さすがに何でも売り買いする国だけのことはある、と。イギリスの場合、数字の前後に今ではアルファベットが配されるのだが、昔の登録番号にはそうでないものもある。一般には数が少ないのと、その組み合わせで意味が出るようになるものが高い。たとえば、ロールスロイスに「RR1]などというナンバープレートが付いていたりするとこれは究極のナンバーになる。もちろん一般の人はほとんどが、陸運事務所から無作為に与えられる番号で頓着していない。こういうものにこだわってカネを払うのは金持ちの証拠、とも言えるだろう。
希望番号を手に入れるための数千円の費用が高い、無駄だと思うかどうかは考え次第だろうが、自分の周囲では、車を買う時に(多分デイーラーに勧められるのか)誕生日や結婚記念日といった忘れられない(忘れてはいけない?)日付を車のナンバーにしているのも結構いる。そういう話を聞かされた後で走っている車のナンバーを見ると、3桁の番号で、下二桁が31以内の場合、あれはきっと何かの記念日に違いない、と思うようになってきた。
一度結婚記念日を忘れて細君と大いにもめたという友人がその日を車のナンバーにしたのは、過ちを繰り返さないための賢い対処法だと言える。
厳しい暑さお見舞い申し上げます。
コロナ禍にも負けず。
猛暑にも負けず。
どうぞお元気で夏を〜!
若い頃、フランス語を習って居た事が。
車のナンバープレートを見ながら
数字の読み方を練習してました。
Un ・Deux・ Trois・Quatre・Cinq
Six・Sept・Huit・Neuf・Dix
懐かしい響きです(^-^)
今日もどうぞお元気でご活躍を。
コメントありがとうございます。
ナンバープレートでフランス語の数字の練習とは、そういうやり方もあったんですね。
他人にとっては意味のないものでも自分にとってはとても大事という数字があります。
数字の魔力というのか、奥深いです。
今日も暑くなりそうです。
お忙しいご様子ですが、熱中症にくれぐれもお気を付けて。