ロンドンに在住の古い友人の一人とは年に数回、東京とロンドンで会っている。お互いの家で夕食をとりながら共通の関心事をじっくり話すのが通例。そんな友人から先日のパリでのテロ事件が日本ではどのように受け取られ、また、報道されているのだろうか、という質問がEメールであった。イスラム教徒である当人の受けた衝撃は大きいものがあったろう。
この事件は、日本ではあまり臨場感を持っては受け取られなかった。アルジェリアでイスラム過激派に襲われ日本人が10名落命した事件のほうがはるかに大きく報じられたように思う。また、今回襲撃された新聞社の、諷刺画も日本ではなじみが薄い。ましてや、諷刺と世俗主義とのかかわりについても。フランス革命の一面が世俗主義にあったことも今回の事件へのフランス国民の反応に表れている。したがって、今回の質問に対しては、今度会う時に話をしよう、ということにした。一日二日を争うようなことでもないし、簡単にメールにできるようなものでもない。さらに言えば、この事件についての何かはっきりした答えというものはないのではないかとさえ思う。
ところで、英紙インデペンデント電子版を読んでいたら、フィリピンを訪問中のローマ法王に対して地元の12歳の少女が、「多くの子供たちが麻薬や売春に巻き込まれている。何故神はこういうことが起きることを許すのか?子供たちには何の罪もないのに」と泣きながら問いかけたという。この少女の問いに対し、法王は自分の母国語であるスペイン語で答えたというがどう答えたのか、その内容は記事には見当たらなかった。
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