ノーベル生理学医学賞受賞記念講
大村智先生の「私の歩んできた道」に出席させて頂きました。
大村先生は「人の役に立つことをしなさい」と祖母から言われた言葉を胸に、眺望は人をつくるという言葉通り
富士山が美しく見える韮崎で育ち「敬神崇祖」の言葉を大切にしている先生です。
学生時代は、スキーに打ち込む中で、オリンピック選手級の仲間と鍛錬し、その後は独自の練習をかさねることで
教えられる事と独自性を学んだと。当時の指導者、松橋高司氏から ノーベル賞受賞時に「銀雪 2本のコース」という
色紙を頂いたというエピソードも披露してくださいました。
山梨大学を卒業してから5年間がむしゃらに努力。
理科大で修士課程で学びながら、墨田工業高等学校定時制高校教師を勤めたことで、
言うだけではダメ!実際にやること「実践躬行」を学び実践を続ける大村先生の研究の根底になっています。
初代山梨大学長 安達禎先生との出会いから リーダーの心構えを学んだことが後に研究室で人材育成をする事に
繋がったそうです。
坂口謹一郎の「微生物に頼んで裏切られた事がない」 の教えも研究を後押しして下さった。
国利民福増進を唱えた北里柴三郎の北里研究所へ入所。
研究室全て修士にする事を目指して、セミナーを500回開催し、内178回は後にノーベル賞を受賞する方々を含む外国の研究者を招聘。
みんなで力を付け共同して研究することを目指した大村先生の勉強会ソフィア会120名のうち
34名を教授までした人材育成は快挙です。
しかしながら働き過ぎ、心が疲れ、医者のススメでゴルフをはじめ、5年でハンディ5まで上達するという
何においても極めるのが大村先生です。
微生物の生産する有用な新規天然有機化合物約500種類を発見。
それらのうち、26種が 医薬、動物薬、農薬および生化学研究用試薬として広く使われ、
感染症の治療・撲滅、生命現象の解明などに貢献している。
特に抗寄生虫薬イベルメクチンは熱帯病のオンコセルカ症およびリンパ系フィラリア症の他、
糞線虫症、疥癬の予防・治療薬などとして年間約3億人に使われており、2015年文化勲章およびノーベル生理学・医学賞を受賞。
大村先生は20世紀の科学の進歩はめざましかったので「21世紀は心を大切にする世紀に」にしたいと、
郷里の山梨県韮崎市に韮崎大村美術館を建設、 収集した2000点余の絵画、陶器及び彫刻等と共に韮崎市に寄贈。
北里病院に絵画を飾り、コンサートを実施している。この取り組みは、全国の病院に広がっています。
大村智先生は、これまでの実践を重ねられた上での重い教え「黄金のトライアングル」について教えてくださり講演を終えました。
1 健康管理 習慣
2 一期一会 恕
社会貢献
3 人材育成
実践躬行
この黄金のトライアングルには、物事を成していく全てが詰まっています。
私も大村先生のように「人の役に立つことは何か」を胸に、日々過ごしていこうと感銘を受けた講演でした。