ひげ爺の独り言

髪が薄くなり髭はごま塩の「ひげ爺」、旅行会社を定年退職して16年。 高齢となって転居した大宮での隠居ぐらしを投稿します。

椿山の海中温泉を掘る

2009-06-23 08:15:48 | 旅行・秘湯・巡礼 
秘湯の旅は、1泊目が山の中の青荷、2泊目は日本海岸の不老ふ死。
世界遺産白神でのブナ林と暗門の滝めぐりを加え、秘湯と秘境の旅。
それぞれの秘めた魅力を満喫したが、今回の旅はもう一つの目的がある。
それはその道の人だけが呼ぶ、その名も「海中温泉」の入浴である。
不老ふ死からほど近い、椿山の海岸にある自然のままの野湯なのだ。
源泉からこぼれ出たお湯が海岸に流れこんで海水と交わる天然露天風呂。
潮の満ち引きで、場所も深さも温度も替わる珍しい海辺の秘湯である。
そんな本格秘湯があることを、我が秘湯メンバーはキャッチしている。

まずは椿山に到着、車であちこち場所を探したが、何も見あたらない。
近くの施設の人に問い合わせたが、適切な答えは返って来なかった。
持っている情報を頼りに、駐車場からの下り道を発見し、探索を開始。
間もなく遠目に、浜に鉄分を含む温泉の証と言える赤い石の一筋を発見。
温泉と確信しながら坂道を降りると、源泉の構造物がハッキリみえた。
源泉から出た湯が、石浜を伏流して海岸まで届いている事が海水色で判る。
石ころの海岸を進み、お湯が流れ込む海辺で温度を確認したら、適温だ。
海水の変色しているところが暖かいはずだが、何処にも湯船はない。
早速裸になり、大事なところに前垂れを掛けて風呂作りを開始する。

お尻を海水に浸して、周りの石を手で掘りながら後方に移動させてゆく。
冷たい海水との境界を作る石積み作業は、手作業で行う湯船つくりだ。
最初は足首上くらいの深さだった湯だまりがだんだん深くなってゆく。
ほどなく腰上まで浸かれる手作りの露天風呂「マイ・スパー」が完成。
流れ込む源泉のお湯と海水の混合だが、少し熱いくらいの湯温である。
梅雨入りしている時期であったが、この日は快晴で気温は19度。
「もっと広く、もっと深くしたくなる気分だ~」と、ひげ爺の独り言。
堪能して身体を拭いていたら、崖の上から降りる道を問う若者が一人。
京都から来たというその「好き者」に海中湯船を譲って、野湯を後にした。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする